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日本国憲法の秘密-8-

今日は武士の日かぁ。(え?)

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国内と海外

一口に自衛隊出動と言っても、自衛隊の運用基準や様式は1つではない。
主だった出動を下記に挙げた。

●防衛出動
外部からの武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められる事態・・・総理大臣命令にて自衛隊全部または一部を出動させる(命令後に国会の承認必要)。

●国民保護等派遣
武力攻撃事態等における国民の保護・・・都道府県知事からの要請で防衛大臣が総理大臣の承認を得て部隊などを派遣する。

●治安出動
間接侵略その他の緊急事態に際して、一般の警察力では治安を維持することができないと認められる場合・・・総理大臣命令にて自衛隊全部または一部を出動させる(命令後に国会の承認必要)。

●要請による治安出動
都道府県知事が治安維持上重大な事態と判断した場合・・・知事が都道府県公安委員会と協議の上、内閣総理大臣に部隊等の出動を要請する。

●災害派遣
都道府県知事などが天災地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のため自衛隊派遣が必要と認める場合・・・防衛大臣又は指定された者に要請する。
また災害の事態に緊急を要する場合には、防衛大臣や指定された者は知事の要請を待たずに部隊等を派遣することも可能。

これらは少なからず日本国または日本国内に緊急性を伴う事態が発生しての出動である。
安保法制や安保関連法案などと言って「例外なき国会の事前承認」が論議を呼んでいたのは、これらに該当するものではない。
新法「国際平和支援法(国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律 )」における自衛隊出動に関するものである。
これまでは「PKO協力法(国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律)」を根拠に自衛隊を海外派遣してきた。


第一次世界大戦後の世界、第二次世界大戦後の世界、湾岸戦争後の世界、そして、、、

東と西の大国同士が睨み合っていた冷戦が終結した1990年代以降に存在意義を高め発言力を増したのは国際連合(United Nations,UN,国連,直訳では連合国)であった。
1990年の湾岸戦争が大きな転換点だったのかもしれない。
この辺りから日本の国際貢献が問われるようになった。

1つ1つの国には君主なり大統領なり強力な指導者なり総理大臣がいるが、国連には顔が無い。
国連にも事務総長はいるが、安保理の中から選ばれているわけではなく、国連の顔とは言い難く背景も見えにくい。
国連は国のようなはっきりとした輪郭が存在しない組織である。
空気にも似ていて、どこの誰がどんな責任を持って発言したり発表したりしているのか分からない。
にもかかわらず国連の発言や発表は揺るぎなく正しいものと疑わない世界がある。


1990年8月2日、イラク軍は隣国クウェートへの侵攻を開始し、8月8日にはクウェート併合を発表した。これに対し、諸外国は第2次世界大戦後初となる、一致結束した事態解決への努力を始める。
イラクの軍事侵攻に対し、同日中に国際連合安全保障理事会は即時無条件撤退を求める安保理決議660を採択、さらに8月6日には全加盟国に対してイラクへの全面禁輸の経済制裁を行う決議661も採択した。この間に石油価格は一挙に高まったものの、決議661の経済制裁によって、イラクは恩恵にあずかることができなかった。
国際連合安全保障理事会はイラクへの即時撤退を求めるとともに、11月29日に武力行使容認決議である決議678を可決した。


国際連合は、アメリカやイギリスを中心とした34ヵ国からなる多国籍軍(連合軍)の派遣を決定し、1991年1月17日にイラクを空爆し侵攻して湾岸戦争は始まった。
そして2か月ほどで停戦終結した。
サッダーム・フセイン率いるイラクただ1国に34もの国が敵対し団結するということは、フセインやイラクを悪者にするには十分であるが、現実的なことを言えば、1対34でなければ戦えないほど戦力や求心力が違うのかということを披露する結果になってしまったようにも思う。
これがもしスポーツならばどう見てもフェアな戦いではない。
また民主主義で採用されることが多い多数決の原理も働かなかった。武力に訴えずとも多数決で決まるのではなく、多数が武力に用いられるのだ。 
国連もそんなものかと思われても仕方ない部分がある。

第一次世界大戦後の国際連盟は第二次世界大戦後の国際連合と異なる点があった。
国際連盟(常任理事会の)常任理事国が現在の国際連合(安全保障理事会)常任理事国と大きく違うのは、常任理事国が最高意思決定機関ではなかったということ。よって拒否権なるものも存在しない。
決定機関は「理事会」ではなく「総会」だったのだ。
総会での決定方法も多数決ではなく全会一致を原則としていた。
加盟国が今よりずっと少なく、支配下にある国々も多かったとはいえ、全会一致はなかなかハードルが高い。

緑字は こちらの記事に私が書いたもの。

全会一致や多数決では解決しないことがある。
決まらないことを決まるようにするにはどうしたらいいか、まとまらないものをまとめるにはどうすればよいか、世界はその都度学んできたのではないだろうか?
湾岸戦争後に国連の存在意義が増したということは、湾岸戦争は国連の望むものであったとも受け取れる。
しかし昨今再び国連の弱体化や役割終了が取り沙汰されるようになった。
国連を利用して世界統一を望む者と国連を見限ったり見くびったりした者の駆け引きがあったとしたらどうだろう。


国連軍と多国籍軍

「PKO協力法(国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律)」は湾岸戦争後の1992年6月15日に成立した恒久法である。
自衛隊だけでなく防衛省職員など文民も参加する平和維持活動が開始されることとなった。
この時の法案は、当時自民党幹事長だった小沢一郎氏がが主導し取りまとめたそうだ。寿司屋とカラオケか・・。
法案成立直後、6月17日にガリ国連事務総長が「平和への課題」を発表した。日本やイギリスなどの意向通り、国連の軍事的能力の強化が提唱された内容であった。河辺一郎は、自公民はこの内容を察知して、法案成立に影響しないよう成立を急いだと主張している。PKO国会

■国際連合軍(United Nations Forces):国際連合安全保障理事会の決議によって組織された国際連合の指揮に服する軍隊を指す。
■多国籍軍(Coalition forces, Multinational force):多国籍で構成された軍隊のこと。確立された詳細な定義はない。安保理決議などの国際合意に基づき各国が各々の裁量・責任において各種活動のために派遣した軍のこととされている。上記の国際連合軍は異なる。

UnitedもCoalitionも連合という意味を持つ単語である。よってどちらも連合軍となる。
しかしそうUnitedのほうはNationsが続く。 国家、国民、民族の連合である。
顔があり輪郭もそれなりにはっきりとする。
しかしCoalition forcesになるとそれが無くなる。何の連合連立なのか分からない。
Multinationalを使えば多国籍だが、これも異なる国同士の連合とは取りにくい。
1つの軍隊の中に様々な国籍の人がいるということ、要するに個人レベルの連合という意味にも取れる。
多国籍企業というのは多数の国家に現地法人を設立して世界的な事業活動を展開する1つの企業のことであり、異なる企業の連合ではない。

国際連合憲章第7章においては、平和に対する脅威に際して、軍事的強制措置をとることができると定められている。
憲章第42条で、安全保障理事会は国際の平和と安全を維持または回復するために必要な行動をとることができると規定されている。
憲章第43条に従ってあらかじめ安全保障理事会と特別協定を結んでいる国際連合加盟国がその要請によって兵力を提供することになっており、安全保障理事会が当該兵力を指揮する。
憲章第46条により安全保障理事会は軍事参謀委員会の援助により、兵力使用の計画を作成し、憲章第47条3項により軍事参謀委員会が兵力の指揮に関して助言する。
これまで、この兵力提供協定を結んでいる国がないため、国際連合憲章第7章に基づく、安保理が指揮する国連軍が組織されたことはこれまで一度もない。


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国際連合憲章 第7章 平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動 (45~51条は略)

第39条〔安全保障理事会の一般的権能〕
安全保障理事会は、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定し、並びに、国際の平和及び安全を維持し又は回復するために、勧告をし、又は第41条及び第42条に従っていかなる措置をとるかを決定する。

第40条〔暫定措置〕
事態の悪化を防ぐため、第39条の規定により勧告をし、又は措置を決定する前に、安全保障理事会は、必要又は望ましいと認める暫定措置に従うように関係当事者に要請することができる。この暫定措置は、関係当事者の権利、請求権又は地位を害するものではない。安全保障理事会は、関係当事者がこの暫定措置に従わなかったときは、そのことに妥当な考慮を払をなければならない。

第41条〔非軍事的措置〕
安全保障理事会は、その決定を実施するために、兵力の使用を伴わないいかなる措置を使用すべきかを決定することができ、且つ、この措置を適用するように国際連合加盟国に要請することができる。この措置は、経済関係及び鉄道、航海、航空、郵便、電信、無線通信その他の運輸通信の手段の全部又は一部の中断並びに外交関係の断絶を含むことができる。

第42条〔軍事的措置〕
安全保障理事会は、第41条に定める措置では不十分であろうと認め、又は不十分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍又は陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる。

第43条〔特別協定〕
1
国際の平和及び安全の維持に貢献するため、すべての国際連合加盟国は、安全保障理事会の要請に基き且つ一つ又は二つ以上の特別協定に従って、国際の平和及び安全の維持に必要な兵力、援助及び便益を安全保障理事会に利用させることを約束する。この便益には、通過の権利が含まれる。
2
前記の協定は、兵力の数及び種類、その出動準備程度及び一般的配置並びに提供されるべき便益及び援助の性質を規定する。
3
前記の協定は、安全保障理事会の発議によって、なるべくすみやかに交渉する。この協定は、安全保障理事会と加盟国群との間に締結され、且つ、署名国によって各自の憲法上の手続に従って批准されなければならない。

第44条〔非理事国の参加〕
安全保障理事会は、兵力を用いることに決定したときは、理事会に代表されていない加盟国に対して第43条に基いて負った義務の履行として兵力を提供するように要請する前に、その加盟国が希望すれば、その加盟国の兵力中の割当部隊の使用に関する安全保障理事会の決定に参加するようにその加盟国を勧誘しなければならない。
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湾岸戦争時も国連軍の編制が政治的(法的)に出来ないために、アメリカでは「有志を募る」という形での多国籍軍での攻撃を決め、イギリスやフランスなどもこれに続いた。
攻撃は第42条に基づくものだった。


日本と朝鮮戦争における特殊な国連軍国連軍よりそっくり引用)

日本は、1953年7月27日の朝鮮戦争休戦協定の発効を受けて1954年2月19日にアメリカ合衆国(米国)・イギリス(英国)・フランスなど9ヶ国と「日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定」(国連軍地位協定)を結んでいる(のちにタイ王国も加わり10ヶ国となる。同協定は同年6月11日に発効している。

1957年7月、同協定に基づきアメリカ太平洋軍第8軍司令部隷下の在日米陸軍・国連軍・第8軍後方司令部としてキャンプ座間に「後方司令部」が設置され、1959年3月、第8軍後方司令部の役割を解除されて「在日米陸軍・国連軍後方司令部」となり、2007年11月1日、横田飛行場に移転した。司令部には、司令部要員として4名が常駐しているほか、各国大使館に駐在武官の兼務を含めて23人の連絡将校団が常駐。3~4ヵ月に1回程度の頻度で情報交換のための非公式会合を行っている。

同協定第24条によれば、国連軍後方司令部は朝鮮半島から国連軍が撤退するまで有効で、国連軍撤退が完了したのち90日以内に日本から撤退しなければならない。

在日米軍基地のうち、座間と横田を含めた次の7カ所が協定に基づく国連軍施設に指定されている。
1.キャンプ座間
2.横須賀海軍施設
3.佐世保海軍施設
4.横田飛行場
5.嘉手納飛行場
6.普天間飛行場
7.ホワイト・ビーチ地区(沖縄県うるま市)

現在も、必要に応じて国連軍参加各国が国連軍基地を使用している。国会答弁等から分かる使用実績は次の通り。
(1997-1999年)艦船7隻、航空機23機が寄港・飛来
(2000-2002年)艦船寄港21回、航空機着陸10回を記録
(2006年,2009年)北朝鮮の核実験に際して、大気観測を行う英軍機VC10が国連軍地位協定を活用して嘉手納空港を補給等のために使用
(2007年)嘉手納で米豪共同訓練を実施



根拠

1992年に成立した「PKO協力法(国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律)」は期限が設けられない恒久法である。
1990年8月2日、湾岸戦争のきっかけとなるイラクのクウェート侵攻が始まる。
日本では1990年10月に「国際連合平和協力法案」が国会に提出されたが、翌11月に廃案となった。(自民党 海部内閣)
湾岸戦争の最中の1991年1月29日、自衛隊法第100条の5(国賓等の輸送)に基づく特例政令によって、難民輸送を目的に航空自衛隊機を湾岸に派遣することを認めた。
しかし一度も派遣されることないまま、湾岸戦争は1991年4月11日に停戦が発効した。
これを受けて4月24日に上記政令を廃止し、代わって自衛隊の掃海艇をペルシャ湾に派遣する政令が発令された。

その後1991年9月に「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案」が国会に提出される。
これが1992年6月に成立した。(自民党 宮澤内閣)

国際連合平和維持活動とは?
紛争において平和的解決の基盤を築くことにより、紛争当事者に間接的に紛争解決を促す国際連合の活動である。日本ではPKOと略されることが多い。PKOに基づき派遣される各国軍部隊を、国際連合平和維持軍(United Nations Peacekeeping Force、日本ではPKFとも略される)という。

但し国際連合平和維持活動も国際連合平和維持軍も国連憲章には明文化されていない。
どうしても国連憲章に根拠を求めるならば、第6章の紛争の平和的解決 になるのだが、そこで述べている平和的解決は交渉や仲介、司法的な解決であり、武力や軍隊とは毛色の違うものである。
しかしながら国際連合平和維持軍(United Nations Peacekeeping Force)という名称からも分かるように軍人が投入されている。

平和維持活動に含まれる任務は、軍事作戦から民事作戦まで非常に幅広い。活動に際しては大別して次の二種に類型できる。

●監視
監視活動 (Observer Mission) の任務は休戦・停戦の監視拠点を運営することにあり、非武装の将校によって編成される監視団 (Observer Group) によって行われる。実際には監視団は監視だけでなく、重要な地域の巡察、敵対者間の交渉、特定の調査活動などを行う。
監視団が展開される地域に既に平和維持軍が配置されている場合は、その平和維持軍の指揮下に入ることになる。
●平和維持
平和維持 (Peacekeeping) の任務は兵力引き離し、撤退監督などによって平和を維持することであり、武装した軍人で編成される国際連合平和維持軍 (Peacekeeping Force, PKF) によって行われる。
具体的には、諜報活動、対ゲリラ作戦、外交援助、紛争当事者の調停、停戦および休戦の監視、兵力引き離し監視、戦争犯罪の調査、戦犯引き渡し監督、戦犯被疑者の逮捕、選挙監視、非武装地帯の建設維持、避難民の移動、人道救援活動、インフラの復旧などが挙げられる。



監視は文民担当、平和維持は軍人が担当。
日本の場合、自衛隊や自衛隊員を軍隊や軍人と言ってはいけないという慣習・風潮・雰囲気がある。
しかし平和維持軍に参加すればそれはもう軍人である。認めざるを得なくなる。
従って日本政府が関与する形での平和維持軍への参加は様々問題が生じる。
自衛隊の部隊を参加させるのか、自衛隊員個人を参加させるのか、それとも非自衛隊員を参加させるのか、悩ましい問題であり、ここを有耶無耶にした。
国際連合平和維持活動に参加すると言いつつ平和維持への軍人参加を明言できないとしたら、監視活動に文民を参加させる以外にない。
こうして文民も参加する平和維持活動が開始されることとなったのだ。

PKO主要軍事・警察要員派遣国ランキング上位10か国は以下の通りである。(平成26年4末現在)※出典:国連ホームページ
1.インド
2.バングラデシュ
3.パキスタン
4.エチオピア
5.ルワンダ
6.ナイジェリア
7. ネパール
8.ガーナ
9.セネガル
10.ヨルダン

1992年から2013年間の主要派兵国はパキスタン、バングラデシュ、インドの三カ国が10万人以上を派遣しており際立っている。


今年に入ってPKO隊員(国連平和維持軍)による性的虐待や性的搾取が相次いで報じられた。
まとめ:性的虐待も…平和を維持するはずのPKO軍の闇


1992年以降、自衛隊員は平和維持活動に参加していると考えますか?
このたびの法案に関して盛んに合憲か違憲が論じられたが、今回の法案が多くの人が主張したように憲法9条違反だとすれば、すでに成立し存在しているPKO協力法や平和維持活動への参加も違憲となるだろう。
参加していてそれが違憲でないとするならば、私がした憲法解釈は間違っていない。

憲法第9条
1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


上記に書いたように国連の平和維持活動も平和維持軍も国連憲章に記載されていない。
言うなれば何の根拠もない活動である。
国際的活動に法的根拠を求めず、それに国(政府や国民)が賛同し、自衛隊等がすでに参加しているにも係わらず、今になって国内で違憲合憲かを議論しているとは何とも片手落ちだし今更感が強い。






by yumimi61 | 2015-07-20 12:55

日本国憲法の秘密-7-

アメリカとオーストラリア

平和安全法制整備法案の第1条5項は、「合衆国軍隊に対する物品又は役務の提供」についてだった。
この平和安全法制整備法案では全く触れられていないが、自衛隊法の中には「オーストラリア軍隊に対する物品又は役務の提供」についての規定も存在している。
名指しで「物品又は役務の提供」規定されている国はアメリカとオーストラリアだけである。
アメリカとは日米安全保障条約を結んでいるくらいなので分からなくもないが、オーストラリアが特別な理由はなんだろう?
日本、アメリカ、オーストラリアは太平洋を囲む大国ということだろうか?

合衆国軍隊に対しては物品や役務が提供できる機会が増えた
しかしオーストラリア軍に対しては提供機会は増えていない。
日米安全保障条約という2か国間における固有の条約関係、日本国内に現に存在する基地や駐留する軍隊を考えれば、日本の防衛や自衛隊との関わりは自ずと変わってくる。
提供機会を増やしたところで無用の長物になりかねない。
従ってオーストラリアとアメリカが同じではないということは別に不思議ではなく、むしろ何故そもそもオーストラリアだったのかという疑問のほうが大きい。
ともかくオーストラリアに対しては改正項目がアメリカほど多くないので平和安全法制整備法案には取り上げられなかったのだろう。


おこ?

改正前は「自衛隊との共同訓練を行う合衆国軍隊」に提供することが出来るとしていた。
改正後は「自衛隊及び合衆国軍隊の双方の参加を得て行われる訓練に参加する合衆国軍隊」となった。
同じようだが違う。
改正前は日本(自衛隊)とアメリカ(合衆国軍隊)の共同訓練と取れる。両者の結びつきが強い共同の訓練という感じがする。
改正後は日本(自衛隊)もアメリカ(合衆国軍隊)も参加している訓練となる。訓練主催者が日本やアメリカでなくともいい言い回しである。第三者の存在を強く感じる。


緑字はアメリカのところで私が書いたものだが、オーストラリアはもともと共同訓練とはなっておらず、双方が参加する訓練という言い回しであり、その部分は変更なし。
大きく変わったのは適用除外が記載されたこと。オーストラリア軍にはこれまで適用除外が記されていなかった。
オーストラリア軍単独ではなく、どこかに属した形で訓練に参加したオーストラリア軍には物品や役務を提供しないことになった。
他から提供してもらえばいいでしょ?

以下、自衛隊法第100条の8より当該部分
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一 自衛隊及びオーストラリア軍隊の双方の参加を得て行われる訓練に参加するオーストラリア軍隊

 ↓    ↓     ↓

一 自衛隊及びオーストラリア軍隊の双方の参加を得て行われる訓練に参加するオーストラリア軍隊
(重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律第三条第一項第一号に規定する合衆国軍隊等に該当するオーストラリア軍隊、武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律第二条第七号に規定する外国軍隊に該当するオーストラリア軍隊及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律第三条第一項第一号に規定する諸外国の軍隊等に該当するオーストラリア軍隊を除く。第三号から第六号までにおいて同じ。)
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国外犯に係わる罰則

平和安全法制整備法案の第1条6項及び7項は次のように書かれている。

六 国外犯に係る罰則
 一部の罪について、日本国外において犯した者にも適用し、又は刑法第二条の例に従うものとすること。

七 その他所要の規定の整備を行うこと。



自衛隊への罰則規定は幾つかあるが、今回新規に設けられた規定がある。実際の条文は次のとおり。
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第122条の2
 1項 第119条第1項第7号及び第8号*並びに前条第1項**の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。
 2項 第119条第2項の罪(同条第1項第7号又は第8号に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、又は煽動した者に係るものに限る。)及び前条第2項**の罪は、刑法第2条の例に従う

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
*第119条第1項第7号及び8号(3年以下の懲役又は禁錮に処する)
 7 上官の職務上の命令に対し多数共同して反抗した者
 8 正当な権限がなくて又は上官の職務上の命令に違反して自衛隊の部隊を指揮した者

**前条(第122条の1)の第1項及び第2項
 1項 第78条第1項***又は第81条第2項****に規定する治安出動命令を受けた者、で、次の各号の一に該当するものは、5年以下の懲役又は禁錮に処する。
  1 第64条第2項*****の規定に違反した者
  2 正当な理由がなくて職務の場所を離れ3日を過ぎた者又は職務の場所につくように命ぜられた日から正当な理由がなくて3日を過ぎてなお職務の場所につかない者
  3 上官の職務上の命令に対し多数共同して反抗した者
  4 正当な権限がなくて又は上官の職務上の命令に違反して自衛隊の部隊を指揮した者

 2項 前項第2号に規定する行為の遂行を教唆し、若しくはそのほう助をした者又は同項第1号、第3号若しくは第4号に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、若しくはせん動した者は、それぞれ同項の刑に処する。

***第78条第1項 
 内閣総理大臣は、間接侵略その他の緊急事態に際して、一般の警察力をもつては、治安を維持することができないと認められる場合には、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。
(この規定に規定による出動を命じた場合には、出動を命じた日から20日以内に国会に承認を求めなければならない。国会で不承認の議決があった時には自衛隊の撤収を命じなければならないとしている)

****第81条第2項
 内閣総理大臣は、前項の要請があり、事態やむを得ないと認める場合には、部隊等の出動を命ずることができる。
(前項・・都道府県知事は、治安維持上重大な事態につきやむを得ない必要があると認める場合には、当該都道府県の都道府県公安委員会と協議の上、内閣総理大臣に対し、部隊等の出動を要請することができる)

******第64条第2項
 隊員は、同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は政府の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。
(同盟罷業はストライキのこと)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


~~~線内の罪は自衛隊員が国外で犯しても国内同様に同等の罰が適用されることが明記された。
おそらくこれまでは自衛隊員が国外でこのような罪を犯すことを想定しなかったのだろう。
それを加えたということは自衛隊員の海外進出ということですね!
さらに2項の罪に該当する者(共謀、教唆、扇動した者)は、刑法第2条の例に従うという規定も盛り込まれた。
刑法第2条とは「この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯したすべての者に適用する」というもの。
外国における発生でも、その罪人が日本国民であっても外国人であっても、日本の刑法が適用される罪がある。
イスラム国(IS)の人質事件の際、警視庁と千葉県警が合同捜査本部を立ち上げて捜査することにしたと報じられたけれども、あれも刑法第2条が適用された事例である。(捜査は進んだのかしら?)
自衛隊法での適用は、外国にいる自衛隊員に外国人が反抗を唆した時などを想定していると思う。
武器等の近くにおり、使える環境にあって、実践力などを伴う者が、違う思想に触れて感化されてしまうことはやはり恐れるべきことなんだろう。


水色

先日NHKの大河ドラマを生まれてこのかた観たことが無いと書いたのでフォローするわけではないが、最近好きなNHKの番組がある。
『ドキュメント72時間』
松崎ナオさんの『川べりの家』という曲が流れるのだけれど、その曲や彼女の歌声が番組にとてもよく合っている。

日常のような非日常のようなその場所に、来ては行く人。
絶望や失望ではなく、さりとて手放しの希望でもない。
大きな世界の小さな空間に凝縮された人の性(さが)。
レンズやフィルターを通したその遠景を見つめ傍らで何を思うのだろう。
絞り出すような言葉や笑顔で彩った自分は紛れもなく自分なんだろう。
崩壊するほどの嘘ではなく掬われる華美でもなく、
躊躇なく洗い流せる記憶のように淀むことなく繰り返す。
それを生活と呼ぶなら、それを生命と言うなら、長いのか短いのかもう分からない。


緋色の彼女が川岸に住む人の小説の話をしてくれた。
川岸に住み続けるということは緩慢な自殺なのかもしれないというような話だった。
短編集の一編だったろうか。
迷惑な行為に秘められた哀しみ?それとも気付かない自殺願望?
強烈に覚えているのに詳細を忘れてしまって、もしかしたら全然違う話だったかもしれない。
安全な場所に住んでいるつもりだけれど、誰かの目から見たらそれは自殺行為だったりする、
そういうことってやっぱりあるのかな。
いつか死に辿り着く道を私達は歩く。ずっと川岸を歩いていく。
生まれ落ちた時に与えられた100の希望を、少しずつ減らしていくのが人生で、
与えられた100を使い切ってしまったら誰もみな天に昇ってゆく。















by yumimi61 | 2015-07-19 11:19

日本国憲法の秘密-6-

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写真手前に咲いている花はアナベル(アメリカノリノキ)という種類の紫陽花。
花言葉は神の信頼ひたむきな愛
アナベルという名称は、古代ローマ語で「愛すべき」を意味する男性名アマビリスを女性名にしたアマベルに由来するそう。
以前にもここのアナベルの写真を撮ったことがある。

by yumimi61 | 2015-07-18 20:53

日本国憲法の秘密-5-

在外邦人等の保護措置

平和安全法制整備法は自衛隊法等の一部を改正するための法律と名付けられているように、既存の法律の条文の一部を変更する改正が主である。
しかし次に述べる「在外邦人等の保護措置」に関する条文は、自衛隊法という既存の法律に追加する形ではあるが、まったく新規に設置されるものである。
ある意味、これが目玉と言えるかもしれない。
これまで自衛隊法で言及されていたのは「在外邦人等の輸送」のみだった。
外国にて災害や紛争など緊急事態が起こった場合に、邦人の生命や身体を保護することを目的として、自衛隊が邦人を輸送できるというものである。必要な場合には外国人の輸送も可能。
外務大臣からの依頼によって防衛大臣が行わせる。

平和安全法制整備法案の第1条3項には次のように書かれている。

三  在外邦人等の保護措置
 1 防衛大臣は、外務大臣から外国における緊急事態に際して生命又は身体に危害が加えられるおそれがある邦人の警護、救出その他の当該邦人の生命又は身体の保護のための措置(輸送を含む。以下「保護措置」という。)を行うことの依頼があった場合において、外務大臣と協議し、内閣総理大臣の承認を得て、部隊等に当該保護措置を行わせることができるものとすること。  

 2 防衛大臣は、1により保護措置を行わせる場合において、外務大臣から保護することを依頼された外国人その他の当該保護措置と併せて保護を行うことが適当と認められる者(3において「その他の保護対象者」という。)の生命又は身体の保護のための措置を部隊等に行わせることができるものとすること。

 3 1により外国の領域において保護措置を行う職務に従事する自衛官は、その職務を行うに際し、自己若しくは当該保護措置の対象である邦人若しくはその他の保護対象者の生命若しくは身体の防護又はその職務を妨害する行為の排除のためやむを得ない必要があると認める相当の理由があるときは、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができるものとすること。



実際の法律(自衛隊法)では下記のような条文となる。
改正前の第84条の3は上記に書いた「在外邦人等の輸送」であったが、「在外邦人等の保護措置」が3に挿入されることによって玉突きで後ろにずれ、「在外邦人等の輸送」は第84条の4に、第84条の4だった「後方地域支援等」は第84条の5となる。
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第84条の3 在外邦人等の保護措置
 1項 防衛大臣は、外務大臣から外国における緊急事態に際して生命又は身体に危害が加えられるおそれがある邦人の警護、救出その他の当該邦人の生命又は身体の保護のための措置(輸送を含む。以下「保護措置」という。)を行うことの依頼があつた場合において、外務大臣と協議し、次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、部隊等に当該保護措置を行わせることができる。
  ①当該外国の領域の当該保護措置を行う場所において、当該外国の権限ある当局が現に公共の安全と秩序の維持に当たつており、かつ、戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。第九十五条の二第一項において同じ。)が行われることがないと認められること。
  ②自衛隊が当該保護措置(武器の使用を含む。)を行うことについて、当該外国(国際連合の総会又は安全保障理事会の決議に従つて当該外国において施政を行う機関がある場合にあつては、当該機関)の同意があること。
  ③予想される危険に対応して当該保護措置をできる限り円滑かつ安全に行うための部隊等と第一号に規定する当該外国の権限ある当局との間の連携及び協力が確保されると見込まれること。

 2項 内閣総理大臣は、前項の規定による外務大臣と防衛大臣の協議の結果を踏まえて、同項各号のいずれにも該当すると認める場合に限り、同項の承認をするものとする。

 3項 防衛大臣は、第一項の規定により保護措置を行わせる場合において、外務大臣から同項の緊急事態に際して生命又は身体に危害が加えられるおそれがある外国人として保護することを依頼された者その他の当該保護措置と併せて保護を行うことが適当と認められる者(第九十四条の五第一項において「その他の保護対象者」という。)の生命又は身体の保護のための措置を部隊等に行わせることができる。
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以前こちらの記事で御嶽山絡みにこんなことを書いたことがある。
上記は国内の例だが、例えば日本人が自らの意思で登った外国の山で遭難した場合、または死亡したと考えられる場合、自衛隊が捜索や遺体回収に出動してくれるかどうか、出動すべきなのかどうかも考えてみてほしい。

「在外邦人等の保護措置」に、これからは外国の山で遭難した時にも自衛隊が救助に来てくれるのかぁと思いつつ、条文をよく読んでみると、外国における緊急事態に際して生命又は身体に危害が加えられるおそれがある邦人等の警護や救助となっていた。
遭難は、危害が加えられる、とは言わないだろうなぁ。
冬山に危害を加えられる!熊、熊、熊(狼でもいいけれど)に危害を加えられる! こういうのはやはり通用しないですよね・・・?
そうなればもうイスラム国(IS)事件しか思いつきません。
テロ?チュニジア美術館? うーん、外国で突然発生したテロに日本から警護救出に向かうのでは少々遅いのでは?立て籠もりってこともある?
あーそうか、こちらはわりとお手軽に出動させることが出来るんじゃない?
防衛出動は基本方針とか言って七面倒くさいけれど、保護措置出動ならば外務大臣と防衛大臣と総理大臣とでちゃちゃっと決めちゃえばいいんだし。
飛行機でビューンと飛んで行ってバババンと救出。

しかし条文にはこのような記述がある。
当該外国の領域の当該保護措置を行う場所において、当該外国の権限ある当局が現に公共の安全と秩序の維持に当たつており、かつ、戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう)が行われることがないと認められること。
戦闘行為が行われている場所や行われそうな場所では保護措置が出来ないのである。
自衛隊が安全に活動できることは良いけれども、では、戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう)の無い場所で、生命又は身体に危害が加えられる恐れがあり、自衛隊が出ていく状況とはどんな時なのだろう?ちょっと思いつかない。
しかも不思議なことに、戦闘行為の行われていない安全な場所が前提なのに、保護措置に武器を使用することも出来るというのだ。
保護措置は輸送と同じく、必要に応じて外国人でも可能。邦人のみの保護措置と限ったわけではない。
同じ状況にある人を片方だけ救って、片方は見殺しには出来ないということなんでしょう。
(博愛精神!人種差別反対!愛に、生命に、国境は関係ない!ですね?)
ひょっとすると「国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為」の国際的という言葉が重要で、国際的でない武力紛争が行われている場所ならば良いということだろうか?


合衆国軍隊等の部隊の武器等の防護のための武器の使用

平和安全法制整備法案の第1条3項には次のように書かれている。

四 合衆国軍隊等の部隊の武器等の防護のための武器の使用
 1 自衛官は、アメリカ合衆国の軍隊その他の外国の軍隊その他これに類する組織(2において「合衆国軍隊等」という。)の部隊であって自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動(共同訓練を含み、現に戦闘行為が行われている現場で行われるものを除く。)に現に従事しているものの武器等を職務上警護するに当たり、人又は武器等を防護するため必要であると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができるものとすること。

 2 1の警護は、合衆国軍隊等から要請があった場合であって、防衛大臣が必要と認めるときに限り、自衛官が行うものとすること。


「在外邦人等の保護措置」と同様に「合衆国軍隊等の部隊の武器等の防護のための武器の使用」も変更ではなく、新規に設置された規定である。
但しこれまでも「武器等の防護のための武器の使用」という規定は存在した。

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第95条 武器等の防護のための武器の使用

自衛官は、自衛隊の武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備又は液体燃料を職務上警護するに当たり、人又は武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備若しくは液体燃料を防護するため必要であると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。ただし、刑法第三十六条又は第三十七条に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない。

↓     ↓     ↓

第95条 武器等の防護のための武器の使用

自衛官は、自衛隊の武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備又は液体燃料(以下「武器等」という。)を職務上警護するに当たり、人又は武器等を防護するため必要であると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。ただし、刑法第三十六条又は第三十七条に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない。

第95条の2 合衆国軍隊等の部隊の武器等の防護のための武器の使用

 1項 自衛官は、アメリカ合衆国の軍隊その他の外国の軍隊その他これに類する組織(次項において「合衆国軍隊等」という。)の部隊であつて自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動(共同訓練を含み、現に戦闘行為が行われている現場で行われるものを除く。)に現に従事しているものの武器等を職務上警護するに当たり、人又は武器等を防護するため必要であると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。ただし、刑法第三十六条又は第三十七条に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない。

 2項 前項の警護は、合衆国軍隊等から要請があつた場合であつて、防衛大臣が必要と認めるときに限り、自衛官が行うものとする。
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刑法36条と37条は正当防衛と緊急避難であり、やむを得ずやるしかなかった状況を指す。

武器を防護するために武器を使用するとは、一瞬本末転倒のようにも思えてしまうが、武器が人手に渡り悪用されたらやはりそれは大変なことだ。
しかも「武器等」には武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備、液体燃料と多くの物が含まれるわけで、かなり危険で取扱い注意な物や高価な物もあるから、確かにきちんと管理しておいてもらわないと困る。
私達だって貴重品の入ったバッグを置いて席を離れる時には(持って行け?)、「ちょっとこれ見ててね」と友達に頼んだりする。あれと同じ(例えが幼稚?)。

しかし合衆国軍隊等部隊の武器を警護する状況にやや疑問が残る。
「アメリカ合衆国の軍隊」「その他の外国の軍隊」「その他これに類する組織の部隊」が、自衛隊と連携して我が国の防衛に役立つ活動に現に従事し、武器等の警護を依頼された場合だという。
自衛隊と連携して我が国の防衛に役立つ活動には共同訓練を含み、現に戦闘行為が行われている現場で行われるものは除くそうだ。
戦闘行為が行われていない場所で、自衛隊と連携して我が国の防衛に役立つ活動をしてくれる外国部隊がすでにいるか、それを想定しているということだ。
共同訓練は分かったが他に何がある? 戦闘行為現場以外での防衛支援活動とは?後方支援?日本の?
基地や宿営地に一緒に駐留しているということ?日本国内の米軍基地の警護を日本の自衛官に要請?
米軍所属の人が日本国内で米軍の武器等を護るために武器を使用したなんてことになると問題が大きくなるから日本人に要請するのだろうか?

は、は、はじめました は、は、はじめまして(汗)。


はは~ん、同時侵攻作戦か こう、同時進行作戦よ。


合衆国軍隊に対する物品又は役務の提供

平和安全法制整備法案の第1条5項には次のように書かれている。

五 合衆国軍隊に対する物品又は役務の提供
 1 防衛大臣又はその委任を受けた者は、次に掲げる合衆国軍隊(アメリカ合衆国の軍隊をいう。)から要請があった場合には、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、当該合衆国軍隊に対し、自衛隊に属する物品の提供を実施することができるものとすること。
 (一) 自衛隊及び合衆国軍隊の双方の参加を得て行われる訓練に参加する合衆国軍隊
 (二) 自衛隊法第八十一条の二第一項第二号に掲げる施設及び区域に係る同項の警護を行う自衛隊の部隊等と共に当該施設及び区域内に所在して当該施設及び区域の警護を行う合衆国軍隊
 (三) 保護措置を行う自衛隊の部隊等又は自衛隊法第八十二条の二の海賊対処行動、同法第八十二条の三第一項若しくは第三項の弾道ミサイル等を破壊する措置をとるための必要な行動、同法第八十四条の二の機雷等の除去若しくは我が国の防衛に資する情報の収集のための活動を行う自衛隊の部隊と共に現場に所在してこれらの行動又は活動と同種の活動を行う合衆国軍隊
 (四) 訓練、連絡調整その他の日常的な活動のため、航空機、船舶又は車両により合衆国軍隊の施設に到着して一時的に滞在する部隊等と共に現場に所在し、訓練、連絡調整その他の日常的な活動を行う合衆国軍隊

 2 防衛大臣は、1の(一)から(四)までに掲げる合衆国軍隊から要請があった場合には、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、防衛省の機関又は部隊等に、当該合衆国軍隊に対する役務の提供を行わせることができるものとすること。


これはアメリカの軍隊に自衛隊の物品や役務の提供を実施できるという規定。
アメリカの軍隊は「米軍」と呼ぶことが多いので、「合衆国軍隊」という呼称は新鮮。(よほど米が嫌いなのかか?) アメリカさえ省略してしまっている大胆さ。季節柄フジテレビも思い出す。(もうそれはやめた?)

しかしアメリカは日本の自衛隊から物品や役務を提供してもらわないといけないほど物資が不足しているんでしょうか?
アメリカにも同じような規定があるのかな?

この規定はもともと存在していたものである。
ではなにが変わったのかと言えば、提供できる機会が増えたのである。
条文が長いので転載はしないが、上の(二)~(四)はその増えた機会である。
いろんな場面で合衆国軍隊に提供してあげられるようになった。要請があればだけれども。
(一)は改正前からあった提供機会である。
しかしここも少し変更されている。
改正前は「自衛隊との共同訓練を行う合衆国軍隊」に提供することが出来るとしていた。
改正後は「自衛隊及び合衆国軍隊の双方の参加を得て行われる訓練に参加する合衆国軍隊」となった。
同じようだが違う。
改正前は日本(自衛隊)とアメリカ(合衆国軍隊)の共同訓練と取れる。両者の結びつきが強い共同の訓練という感じがする。
改正後は日本(自衛隊)もアメリカ(合衆国軍隊)も参加している訓練となる。訓練主催者が日本やアメリカでなくともいい言い回しである。第三者の存在を強く感じる。


機会は増えたけれど、アメリカ軍隊なら何でもよいわけではない。
適用除外となる軍隊がある。適用除外ということは提供できない(提供しない)(提供してはいけない)ということだ。
除かれる軍隊は「後方地域支援の軍隊」と「特殊合衆国軍隊」である。
「特殊合衆国軍隊」というのは、武力攻撃事態等において、日米安保条約に従い、武力攻撃を排除するために必要な行動を実施しているアメリカ合衆国の軍隊のこと。
これは改正前からそうだった。

これにさらに「外国軍隊」が適用除外に加わった。
武力攻撃事態等又は存立危機事態において、自衛隊と協力して武力攻撃又は存立危機武力攻撃を排除するために必要な行動を実施している外国の軍隊。
国際社会の平和及び安全を脅かす事態に関し、当該事態に対処するための活動を行う外国の軍隊、これに類する組織。
外国部隊に属した形の合衆国軍隊には提供できない(しない)(してはいけない)。

日米安保条約に基づいた戦いであっても、自衛隊と協力して武力排除行動を行っていても、国連憲章に則った活動だとしても、武力攻撃に対処している軍隊や後方支援を行っている合衆国軍隊には物品や役務は提供出来ないということなのである。
すなわち提供できるのは訓練など非有事にある軍隊に限るということだろうか?
協力や支援ということが、なにかこう根底から覆ってしまうような規定である。
昨日の友は今日の敵!?
ああそうか、日本も有事の際には他に提供するほどの余裕はないということかな。
誰も彼もがいっぱいいっぱい?





by yumimi61 | 2015-07-17 11:23

日本国憲法の秘密-4-

繰り返しになるが、「安全保障関連法案(安保関連法案)」「安全保障法制(安保法制)」などは正しい名称ではありません。
政府なのかメディアなのか誰が最初にそう呼んだのか知りませんが完全に通称です。

昨日衆議院で可決したのは「平和安全法制関連2法案」。
平和安全法制関連の2法案が何かと言えば、「平和安全法制整備法」(既存の法律を改正するための法律)と「国際平和支援法」(新法)である。
さらなる正式名は赤字で書いたもの。
●平和安全法制整備法―我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律
●国際平和支援法―国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律

ここでも誤解が生じやすいが、既存の法律を改正するための法律というのは今までになかったものなので、これ自体は新法となる。
そもそも法律の改正が必要ならば1つずつ審議承認を経て改正すればよいのであって、改正するための法律を新たに作るなんてことが異例である。
「平和安全法制整備法」(既存の法律を改正するための法律)の全文11条を転載したが、この法律で取り上げられている法律が10ある。(ところが現段階でも改正予定の法は20ある)
元の条文をそのまま引用するのではなく、改正部分の要約のような形の条文となっている。

それぞれの条文には「その他所要の規定の整備を行うこと」といった項が設けられいる。
また最後の「第11条 施行期日等(附則関係)」の2項には次のような記載がある。
その他所要の調整規定を設けるほか、関係法律について所要の改正を行うこと。

これは条文に記した以外にも「その他所要の規定の整備」「その他所要の調整規定設置」「関係法律について所要の改正」を行うということである。
改正する関係法規が非常に多いので改正までの過程や手続きが面倒だから全部一時に行えるようにまとめたとも考えられるが、法律という人の命や生活に関わる非常に重要なものをそのように扱っていいのだろうか?

またこの法律の危険性は、以後「平和安全」に関連する事は、政府の好きな時に好きなように改正できる可能性を秘めていることだ。
「平和安全法制整備法の第11条2項に基づいて」新規定を作ったり既存の法律を改正したり、「平和安全法制整備法の第1条7項に基づいて」自衛隊法を改正したりすることが出来る。
法律を根拠に行動活動する。それは誰にも咎められない。
法律に基づいているのだから、もういちいち改正のための審議や採決を行う必要は無い
「平和安全法制整備法」という法律に基づいて今後どのような改正も可能と解釈できる。
今回の改正点以外も改正できるということ。


自衛隊の任務

平和安全法制整備法案の第1条1項には次のように書かれている。
一 自衛隊の任務
防衛出動を命ずることができる事態の追加及び周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律の一部改正に伴い、自衛隊の任務を改めること。


この部分の実際の改正(自衛隊法の改正)はどういうものか?これまでの条文から赤字部分が抜かれるのである。
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3条 自衛隊の任務
 1項 自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする。

 2項 自衛隊は、前項に規定するもののほか、同項の主たる任務の遂行に支障を生じない限度において、かつ、武力による威嚇又は武力の行使に当たらない範囲において、次に掲げる活動であつて、別に法律で定めるところにより自衛隊が実施することとされるものを行うことを任務とする。
  ①我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して行う我が国の平和及び安全の確保に資する活動

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●1項について
これまでは直接間接の侵略に対する防衛を任務としていたが、これからは直接間接の侵略は関係なくなる。
直接間接の侵略がなくとも防衛するのである。
侵略とは、話し合い等ではなく一方的に国の主権・領土・独立を侵すことを意味する。
侵略というと侵略戦争という言葉が思い出されるので、どこかよその国の領土に侵入していって武力でもってその地を制圧する行動だと思ってしまいがちだが、それはどちらかと言うと侵攻である。
侵略の場合、領土侵入や武力行使は必ずしも必要では無い。相手の主権・領土・独立を奪うこと自体を指す言葉である。
英語でも'aggression'と'invasion'の違い、'aggression'と’attack’の違いなどがあると思うが、「侵略」や「攻撃」が武力とは限らない。
コンピューターなんかちょくちょく侵略されている。国内や周辺地域のみならず地球の裏側から攻撃されることもあるだろう。
ところが今回、自衛隊の任務からわざわざ「直接侵略及び間接侵略に対し」という言葉を抜くらしい。これは何を意味するだろうか?
人々が侵略と侵攻を間違いやすいので、「そういう間違いやすい言葉は使わないようにしましょう」ということで抜いたのか?

防衛という言葉は残している。(何といっても隊名が自衛隊なのでね)
侵略という言葉は抜き、簡潔に「我が国を防衛することを主たる任務」とするのが自衛隊ということになるが、自衛には「先制的自衛権」というものがある。
攻撃は最大(最良)の防御なり。 A good offense is the best defense.

「先制的自衛権」も学術的には判断が分かれるところであるが、実際問題、国連や強国や世界の権力者の判断次第ということになるだろう。
テロがあり、それをどこそこの誰の仕業と決めつければ、自国を護るために攻撃(戦争)に出ることできる。
これは先例がある。それは世界の多くが認めた自衛であり攻撃であったはずだ。
テロの脅威に立ち向かうこと、テロの脅威から自国を(世界を)護ることは、同じであったりする。
自衛と報復(復讐)はまさに同じものである。

(肯定派)
自衛権行使が容認されるためには、他国による侵害が差し迫ったものであるという「急迫性」の要件と、なされた自衛措置が他国による侵害と釣り合いのとれたものでなければならないとする「均衡性」の要件が必要とされてきたが、これらの要件を満たした上で特定の攻撃が急迫していると信ずるに足りるだけの合理的理由があれば、他国による「武力攻撃が発生」していない段階でなされる先制的自衛措置も国際法上許容されると指摘する。
ただし、ある軍事行動を行った国が集団的自衛権行使を主張したとしても実際にそれが「急迫性」と「均衡性」を満たす正当な自衛権行使であるかどうかの判断は、最終的には集団的自衛権行使と主張する軍事行動をとった国が単独でするものではなく、国際的な判定に委ねられるべきものであるともいう。


(否定派)
先制的自衛権を否定する見解は国連憲章第51条中の「武力攻撃が発生した場合」という文言をより重視し、「武力攻撃が発生」していない場合の自衛権行使否定する。
安易に先制的自衛権を認めることはそれ自体が自衛権の濫用を招きかねない危険なものであるとも指摘する。


— 国連憲章第51条より抜粋
この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。(以下略) 


●2項について
我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して行う我が国の平和及び安全の確保に資する活動。
この文章から「我が国周辺の地域における」を抜いた。
範囲は日本周辺だけではないということになる。
インターネットは世界中で繋がっているから、もう「日本周辺の地域だけ」というわけにはいかない。


防衛出動

平和安全法制整備法案の第1条2項には次のように書かれている。
二 防衛出動
 1 内閣総理大臣が自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる事態として、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態を追加すること。
 2 自衛隊法第七十七条の二の防御施設構築の措置、同法第八十条の海上保安庁の統制、同法第九十二条の防衛出動時の公共の秩序の維持のための権限、同法第九十二条の二の防衛出動時の緊急通行、同法第百三条の防衛出動時における物資の収用等に係る規定等については、1の事態に係る出動には適用しないものとすること。


実際の法律(自衛隊法)改正部分。上が改正前で下が改正後。
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第76条 防衛出動
 1項 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至つた事態に際して、我が国を防衛するため必要があると認める場合には、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。この場合においては、武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成十五年法律第七十九号)第九条の定めるところにより、国会の承認を得なければならない。

↓     ↓     ↓

1項 内閣総理大臣は、次に掲げる事態に際して、我が国を防衛するため必要があると認める場合には、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。この場合においては、武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律第(平成十五年法律第七十九号)九条の定めるところにより、国会の承認を得なければならない。
  ①我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態又は我が国に対する外部からの武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至つた事態。
  ②我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態。
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●自衛隊法第76条の1項について
防衛出動を検討すべき事態が1つ増えたのである。
改正前は、「我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態」だった。
改正後はそれにプラスして、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」も仲間入り。
この部分は国会審議でもよく取り上げられていた箇所だったように思う。
確かにどういう状況なのか分かりにくい。
 ・密接な関係にある他国とはどこを想定しているのか?
   (日米安保のアメリカに決まっている?密接な国なんかどこもないさ!?いやいやあるある?)
 ・他国に対する武力攻撃によって我が国の存立が脅かされる状況とはいったいどういう状況なのか?
   (イスラム国から8500キロ離れているにもかかわらず、日本の首相宛てに挑戦状が来ること?)
 ・国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険とは?
   (2億ドルも要求されたりすること?一度渡すと図に乗って更にお金をむしり取られるから益々財政難になること?)
 ・私の幸福が何か知っていると言うの?
   (私の幸福は・・ヒ・ミ・ツ・・・作ったの?)


●平和安全法制整備法案の第1条2項の2について
自衛隊法第七十七条の二の防御施設構築の措置、同法第八十条の海上保安庁の統制、同法第九十二条の防衛出動時の公共の秩序の維持のための権限、同法第九十二条の二の防衛出動時の緊急通行、同法第百三条の防衛出動時における物資の収用等に係る規定等については、1の事態に係る出動には適用しないものとすること。

この文章は自衛隊法の他の部分が幾つも出てきて分かりにくいが、それらに関しては「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」の時には適用しないと述べている。
適用しないとは行わないということだ。
何を行わないかと言えば、防御施設の構築だったり、海上保安庁を防衛大臣の統制下に入れて指揮させることだったり、防衛出動時の公共秩序を維持する活動だったり、一般の道路ではない場所を通行したり、病院などの建物や土地を確保し物資の生産配給収容場所などとして利用する事。
それらは武力的(軍事的)な緊迫事態が起こっている状態に行うことである。
すなわち、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」とは、我が国においては武力的(軍事的)な危険が迫っている状態ではないということだ。
そうだとすれば付け足した事態は、経済的危機だとか、知的に協調的に平和的に君主が失脚するとか、そういうことではないだろうか。


「国会承認」の混合

国会での法案審議において「国会承認」についても取り上げられていたように思うが、どの法律に関しての話なのかがよく分からなかった。
自衛隊を派遣する根拠となる法律によって国会承認の規定も変わってくる。
前記事でもリンクしたこちらの記事では、法案のポイントは2つあると書いていた。2つは、自衛隊の任務拡大と、派遣に至る国会議論を短くすること。
国会での承認手続きを盛り込んだ新法案「国際平和支援法」は、自衛隊派遣をめぐる国会承認について、首相が承認を求めてから7日以内(衆参合わせて14日以内)に議決する努力義務規定を盛り込んでいると述べている。

この規定はその通りだが、自衛隊派遣すべてに当てはまる国会承認ではないことに注意が必要。
これは新法案「国際平和支援法案」に記されている、諸外国の軍隊等に対する協力支援活動及び捜索救助活動、船舶検査活動を行う際の承認である。
どんな時に行う活動かと言えば、国際社会の平和及び安全を脅かす事態(国際共同対処事態)の時である。
その脅威を除去するために国際社会が国際連合憲章の目的に従い共同して対処する活動への参加についての法律となる。
従って、こちらは「我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態」や「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」は関係ない。
これがどうも区別できていないような印象を受けた。

それから新法案の「国際平和支援法」での活動は自衛隊に限っていないように思う。
自衛隊等、自衛隊の部隊等と、「等」が付いている。

「我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態」及び「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」に際しての自衛隊出動は、既存の法律(上記アンダーラインの法律、名称変更予定)の9条によって国会承認を得るとある。

既存の法律とは「武力攻撃事態等(+及び存立危機事態)における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」である。
この法律ではこれまで武力攻撃事態という緊迫した状態を想定しており、承認は必須事項にはなっていない。
緊急の必要があり事前に国会の承認を得るいとま(暇)がない場合などは内閣総理大臣が国会の承認を得ずに出動命令できる。
必須なのは対処基本方針を作成することである。その基本方針は閣議決定と国会承認が必要である。
防衛出動を国会承認を得ずに行った場合には、「防衛出動命令に国会の承認を求める」ではなく、「防衛出動を命ずる」と記載することになり、実質的に事後報告・事後承認となる。

■「武力攻撃事態等(+及び存立危機事態)における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」

9条 対処基本方針
1項  政府は、武力攻撃事態等に至ったときは、武力攻撃事態等への対処に関する基本的な方針(以下「対処基本方針」という。)を定めるものとする。

2項  対処基本方針に定める事項は、次のとおりとする。
一  武力攻撃事態であること又は武力攻撃予測事態であることの認定及び当該認定の前提となった事実
二  当該武力攻撃事態等への対処に関する全般的な方針
三  対処措置に関する重要事項

3項
武力攻撃事態においては、対処基本方針には、前項第三号(対処基本方針に定める事項の1つで「対処措置に関する重要事項」)に定める事項として、次に掲げる内閣総理大臣の承認を行う場合はその旨を記載しなければならない。
防衛大臣が自衛隊法70条の規定に基づき発する防衛出動命令書による防衛招集命令に関して、内閣総理大臣が承認を行う場合など。
自衛隊法70条には、緊迫事態などの際に防衛大臣が内閣総理大臣の承認を得て、予備自衛官に対し、招集命令書による招集命令を発することができることが記されている。

4項
武力攻撃事態においては、対処基本方針には、前項に定めるもののほか、第二項第三号に定める事項として、第一号に掲げる内閣総理大臣が行う国会の承認(衆議院が解散されているときは、日本国憲法第五十四条 に規定する緊急集会による参議院の承認。以下この条において同じ。)の求めを行う場合にあってはその旨を、内閣総理大臣が第二号に掲げる防衛出動を命ずる場合にあってはその旨を記載しなければならない。ただし、同号に掲げる防衛出動を命ずる旨の記載は、特に緊急の必要があり事前に国会の承認を得るいとまがない場合でなければ、することができない。
第一号  内閣総理大臣が防衛出動を命ずることについての自衛隊法第七十六条第一項 の規定に基づく国会の承認の求め
第二号  自衛隊法第七十六条第一項の規定に基づき内閣総理大臣が命ずる防衛出動

5項  武力攻撃予測事態においては、対処基本方針には、第二項第三号に定める事項として、次に掲げる内閣総理大臣の承認を行う場合はその旨を記載しなければならない。

防衛大臣が自衛隊法70条の規定に基づき発する防衛出動命令書による防衛招集命令に関して、内閣総理大臣が承認を行う場合など。

6項  内閣総理大臣は、対処基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

7項  内閣総理大臣は、前項の閣議の決定があったときは、直ちに、対処基本方針(第四項第一号に規定する国会の承認の求めに関する部分を除く。)につき、国会の承認を求めなければならない。

8項  内閣総理大臣は、第六項の閣議の決定があったときは、直ちに、対処基本方針を公示してその周知を図らなければならない。

9項  内閣総理大臣は、第七項の規定に基づく対処基本方針の承認があったときは、直ちに、その旨を公示しなければならない。

10項  第四項第一号に規定する防衛出動を命ずることについての承認の求めに係る国会の承認が得られたときは、対処基本方針を変更して、これに当該承認に係る防衛出動を命ずる旨を記載するものとする。

11項  第七項の規定に基づく対処基本方針の承認の求めに対し、不承認の議決があったときは、当該議決に係る対処措置は、速やかに、終了されなければならない。この場合において、内閣総理大臣は、第四項第二号に規定する防衛出動を命じた自衛隊については、直ちに撤収を命じなければならない。

12項  内閣総理大臣は、対処措置を実施するに当たり、対処基本方針に基づいて、内閣を代表して行政各部を指揮監督する。

(略した部分があります)


■「自衛隊法」
第76条 防衛出動
1項  内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃(以下「武力攻撃」という。)が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至つた事態に際して、我が国を防衛するため必要があると認める場合には、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。この場合においては、「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成15年法律第79号)」第9条の定めるところにより、国会の承認を得なければならない。
2項  内閣総理大臣は、出動の必要がなくなつたときは、直ちに、自衛隊の撤収を命じなければならない。









by yumimi61 | 2015-07-16 11:55


 平和安全法制整備法案の要綱全文は次の通り。

我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律 (正式名) 

 第一 自衛隊法の一部改正(第一条関係)
 一 自衛隊の任務
 防衛出動を命ずることができる事態の追加及び周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律の一部改正に伴い、自衛隊の任務を改めること。

 二 防衛出動
 1 内閣総理大臣が自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる事態として、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態を追加すること。
 2 自衛隊法第七十七条の二の防御施設構築の措置、同法第八十条の海上保安庁の統制、同法第九十二条の防衛出動時の公共の秩序の維持のための権限、同法第九十二条の二の防衛出動時の緊急通行、同法第百三条の防衛出動時における物資の収用等に係る規定等については、1の事態に係る出動には適用しないものとすること。

 三 在外邦人等の保護措置
 1 防衛大臣は、外務大臣から外国における緊急事態に際して生命又は身体に危害が加えられるおそれがある邦人の警護、救出その他の当該邦人の生命又は身体の保護のための措置(輸送を含む。以下「保護措置」という。)を行うことの依頼があった場合において、外務大臣と協議し、内閣総理大臣の承認を得て、部隊等に当該保護措置を行わせることができるものとすること。
 2 防衛大臣は、1により保護措置を行わせる場合において、外務大臣から保護することを依頼された外国人その他の当該保護措置と併せて保護を行うことが適当と認められる者(3において「その他の保護対象者」という。)の生命又は身体の保護のための措置を部隊等に行わせることができるものとすること。
 3 1により外国の領域において保護措置を行う職務に従事する自衛官は、その職務を行うに際し、自己若しくは当該保護措置の対象である邦人若しくはその他の保護対象者の生命若しくは身体の防護又はその職務を妨害する行為の排除のためやむを得ない必要があると認める相当の理由があるときは、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができるものとすること。

 四 合衆国軍隊等の部隊の武器等の防護のための武器の使用
 1 自衛官は、アメリカ合衆国の軍隊その他の外国の軍隊その他これに類する組織(2において「合衆国軍隊等」という。)の部隊であって自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動(共同訓練を含み、現に戦闘行為が行われている現場で行われるものを除く。)に現に従事しているものの武器等を職務上警護するに当たり、人又は武器等を防護するため必要であると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができるものとすること。
 2 1の警護は、合衆国軍隊等から要請があった場合であって、防衛大臣が必要と認めるときに限り、自衛官が行うものとすること。

 五 合衆国軍隊に対する物品又は役務の提供
 1 防衛大臣又はその委任を受けた者は、次に掲げる合衆国軍隊(アメリカ合衆国の軍隊をいう。)から要請があった場合には、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、当該合衆国軍隊に対し、自衛隊に属する物品の提供を実施することができるものとすること。
 (一) 自衛隊及び合衆国軍隊の双方の参加を得て行われる訓練に参加する合衆国軍隊
 (二) 自衛隊法第八十一条の二第一項第二号に掲げる施設及び区域に係る同項の警護を行う自衛隊の部隊等と共に当該施設及び区域内に所在して当該施設及び区域の警護を行う合衆国軍隊
 (三) 保護措置を行う自衛隊の部隊等又は自衛隊法第八十二条の二の海賊対処行動、同法第八十二条の三第一項若しくは第三項の弾道ミサイル等を破壊する措置をとるための必要な行動、同法第八十四条の二の機雷等の除去若しくは我が国の防衛に資する情報の収集のための活動を行う自衛隊の部隊と共に現場に所在してこれらの行動又は活動と同種の活動を行う合衆国軍隊
 (四) 訓練、連絡調整その他の日常的な活動のため、航空機、船舶又は車両により合衆国軍隊の施設に到着して一時的に滞在する部隊等と共に現場に所在し、訓練、連絡調整その他の日常的な活動を行う合衆国軍隊
 2 防衛大臣は、1の(一)から(四)までに掲げる合衆国軍隊から要請があった場合には、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、防衛省の機関又は部隊等に、当該合衆国軍隊に対する役務の提供を行わせることができるものとすること。

 六 国外犯に係る罰則
 一部の罪について、日本国外において犯した者にも適用し、又は刑法第二条の例に従うものとすること。

 七 その他所要の規定の整備を行うこと。


 第二 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部改正(第二条関係)
 一 協力の対象となる活動及びその態様の追加等
 1 国際平和協力業務の実施又は物資協力の対象として新たに国際連携平和安全活動を追加し、当該活動の定義について、国際連合の総会、安全保障理事会若しくは経済社会理事会が行う決議等に基づき、紛争当事者間の武力紛争の再発の防止に関する合意の遵守の確保、紛争による混乱に伴う切迫した暴力の脅威からの住民の保護、武力紛争の終了後に行われる民主的な手段による統治組織の設立及び再建の援助等を目的として行われる活動であって、二以上の国の連携により実施されるもののうち、次に掲げるものとすること。
 (一) 武力紛争の停止及びこれを維持するとの紛争当事者間の合意があり、かつ、当該活動が行われる地域の属する国及び紛争当事者の当該活動が行われることについての同意がある場合に、いずれの紛争当事者にも偏ることなく実施される活動
 (二) 武力紛争が終了して紛争当事者が当該活動が行われる地域に存在しなくなった場合において、当該活動が行われる地域の属する国の当該活動が行われることについての同意がある場合に実施される活動
 (三) 武力紛争がいまだ発生していない場合において、当該活動が行われる地域の属する国の当該活動が行われることについての同意がある場合に、武力紛争の発生を未然に防止することを主要な目的として、特定の立場に偏ることなく実施される活動
 2 防衛大臣は、国際連合の要請に応じ、国際連合の業務であって、国際連合平和維持活動に参加する自衛隊の部隊等又は外国の軍隊の部隊により実施される業務の統括に関するものに従事させるため、内閣総理大臣の同意を得て、自衛官を派遣することができるものとすること。
 3 国際的な選挙監視活動について、紛争による混乱を解消する過程で行われる選挙等を含めるものとすること。
 4 選挙の監視等に係る国際平和協力業務に従事する隊員を選考により採用する者及び自衛隊員以外の関係行政機関の職員に限るものとすること。

 二 国際平和協力業務の種類の追加
 1 国際平和協力業務の種類として次に掲げる業務を追加すること。
 (一) 防護を必要とする住民、被災民その他の者の生命、身体及び財産に対する危害の防止及び抑止その他特定の区域の保安のための監視、駐留、巡回、検問及び警護
 (二) 矯正行政事務に関する助言若しくは指導又は矯正行政事務の監視
 (三) 立法又は司法に関する事務に関する助言又は指導
 (四) 国の防衛に関する組織等の設立又は再建を援助するための助言若しくは指導又は教育訓練に関する業務
 (五) 国際連合平和維持活動又は国際連携平和安全活動を統括し、又は調整する組織において行う一定の業務の実施に必要な企画及び立案並びに調整又は情報の収集整理
 (六) 自衛隊の部隊等が武力紛争の停止の遵守状況の監視、緩衝地帯における駐留、巡回等の一定の国際平和協力業務((一)に掲げる業務を含む。)以外の業務を行う場合であって、国際連合平和維持活動、国際連携平和安全活動若しくは人道的な国際救援活動に従事する者又はこれらの活動を支援する者(以下「活動関係者」という。)の生命又は身体に対する不測の侵害又は危難が生じ、又は生ずるおそれがある場合に、緊急の要請に対応して行う当該活動関係者の生命及び身体の保護
 2 1の(一)又は(六)に掲げる業務を実施する場合にあっては、国際連合平和維持活動等が実施されること及び我が国が国際平和協力業務を実施することにつき、当該活動が行われる地域の属する国等の同意が当該活動及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持されていると認められなければならないものとすること。
 3 内閣総理大臣は、自衛隊の部隊等が1の(一)に掲げる業務又は国際連携平和安全活動のために武力紛争の停止の遵守状況の監視、緩衝地帯における駐留、巡回等の一定の業務を実施しようとする場合は、実施計画を添えて国会の承認を求めなければならないものとすること。

 三 武器の使用
 1 国際平和協力業務に従事する自衛官は、その宿営する宿営地であって当該業務に従事する外国の軍隊の部隊の要員が共に宿営するものに対する攻撃があったときは、当該宿営地に所在する者の生命又は身体を防護するための措置をとる当該要員と共同して、武器の使用をすることができるものとすること。
 2 二の1の(一)に掲げる業務に従事する自衛官は、その業務を行うに際し、自己若しくは他人の生命、身体若しくは財産を防護し、又はその業務を妨害する行為を排除するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができるものとすること。
 3 二の1の(六)に掲げる業務に従事する自衛官は、その業務を行うに際し、自己又はその保護しようとする活動関係者の生命又は身体を防護するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができるものとすること。

 四 その他の措置
 1 国際平和協力本部長は、国際平和協力隊の隊員の安全の確保に配慮しなければならないものとすること。
 2 人道的な国際救援活動の要請を行う国際機関を掲げる別表に新たな機関を加えること。
 3 停戦合意のない場合における物資協力の対象となる国際機関を掲げる別表に2の機関を加えるとともに、当該物資協力の要件を明確化すること。
 4 政府は、国際連合平和維持活動等に参加するに際して、活動参加国等から、これらの活動に起因する損害についての請求権を相互に放棄することを約することを求められた場合において必要と認めるときは、我が国の請求権を放棄することを約することができるものとすること。
 5 防衛大臣等は、国際連合平和維持活動等を実施する自衛隊の部隊等と共に活動が行われる地域に所在して大規模な災害に対処するアメリカ合衆国又はオーストラリアの軍隊から応急の措置に必要な物品又は役務の提供に係る要請があったときは、これを実施することができるものとすること。

 五 その他所要の規定の整備を行うこと。


 第三 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律の一部改正(第三条関係)
 一 題名
 この法律の題名を「重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律」に改めること。

 二 目的
 この法律の目的に、そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態(以下「重要影響事態」という。)に際し、合衆国軍隊等に対する後方支援活動等を行うことにより、日米安保条約の効果的な運用に寄与することを中核とする重要影響事態に対処する外国との連携を強化する旨を明記すること。

 三 重要影響事態への対応の基本原則
 1 後方支援活動及び捜索救助活動は、現に戦闘行為が行われている現場では実施しないものとすること。ただし、既に遭難者が発見され、自衛隊の部隊等がその救助を開始しているときは、当該部隊等の安全が確保される限り、当該遭難者に係る捜索救助活動を継続することができるものとすること。
 2 外国の領域における対応措置については、当該対応措置が行われることについて当該外国等の同意がある場合に限り実施されるものとすること。

 四 定義
 1 この法律において「合衆国軍隊等」とは、重要影響事態に対処し、日米安保条約の目的の達成に寄与する活動を行うアメリカ合衆国の軍隊及びその他の国際連合憲章の目的の達成に寄与する活動を行う外国の軍隊その他これに類する組織をいうものとすること。
 2 この法律において「後方支援活動」とは、合衆国軍隊等に対する物品及び役務の提供、便宜の供与その他の支援措置であって、我が国が実施するものをいうものとすること。
 3 この法律において「捜索救助活動」とは、重要影響事態において行われた戦闘行為によって遭難した戦闘参加者について、その捜索又は救助を行う活動(救助した者の輸送を含む。)であって、我が国が実施するものをいうものとすること。

 五 基本計画
 1 基本計画に定める事項として、重要影響事態に関する次に掲げる事項等を追加すること。
 (一) 事態の経緯並びに我が国の平和及び安全に与える影響
 (二) 我が国が対応措置を実施することが必要であると認められる理由
 (三) 後方支援活動又は捜索救助活動若しくはその実施に伴う後方支援活動を自衛隊が外国の領域で実施する場合には、これらの活動を外国の領域で実施する自衛隊の部隊等の規模及び構成並びに装備並びに派遣期間
 2 1の(三)の場合には、当該外国等と協議して、実施する区域の範囲を定めるものとすること。

 六 武器の使用
 1 後方支援活動としての自衛隊の役務の提供又は捜索救助活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官は、自己又は自己と共に現場に所在する他の自衛隊員若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者の生命又は身体を防護するため武器を使用することができるものとすること。
 2 1の自衛官は、外国の領域に設けられた当該部隊等の宿営する宿営地であって合衆国軍隊等の要員が共に宿営するものに対する攻撃があった場合において、当該宿営地以外にその近傍に自衛隊の部隊等の安全を確保することができる場所がないときは、当該宿営地に存在する者の生命又は身体を防護するための措置をとる当該要員と共同して、1による武器の使用をすることができるものとすること。

 七 その他所要の規定を整備すること。


 第四 周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律の一部改正(第四条関係)
 一 題名
 この法律の題名を「重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律」に改めること。

 二 目的
 この法律の目的を、重要影響事態又は国際平和共同対処事態に対応して我が国が実施する船舶検査活動に関し、その実施の態様、手続その他の必要な事項を定め、重要影響事態安全確保法及び国際平和協力支援活動法と相まって、我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資することとすること。

 三 船舶検査活動の実施等
 1 重要影響事態又は国際平和共同対処事態における船舶検査活動は、自衛隊の部隊等が実施するものとすること。
 2 船舶検査活動又はその実施に伴う後方支援活動若しくは協力支援活動を外国の領域で実施する場合には、これらの活動を外国の領域で実施する自衛隊の部隊等の装備及び派遣期間を重要影響事態安全確保法又は国際平和協力支援活動法に規定する基本計画に定めるものとすること。
 3 2の場合には、当該外国等と協議して、実施する区域の範囲を定めるものとすること。

 四 武器の使用
 船舶検査活動又はその実施に伴う後方支援活動若しくは協力支援活動としての自衛隊の役務の提供の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官は、自己又は自己と共に現場に所在する他の自衛隊員若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者の生命又は身体を防護するため武器を使用することができるものとすること。

 五 その他所要の規定の整備を行うこと。


 第五 武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律の一部改正(第五条関係)
 一 題名
 この法律の題名を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に改めること。

 二 目的
 この法律の目的に、存立危機事態への対処について、基本となる事項を定めることにより、存立危機事態への対処のための態勢を整備する旨を明記すること。

 三 定義
 1 この法律において「存立危機事態」とは、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいうものとすること。
 2 「対処措置」の定義に、存立危機事態の推移に応じて実施する措置を追加すること。

 四 基本理念
 存立危機事態への対処に関する基本理念を定めること。

 五 国の責務
 1 国は、組織及び機能の全てを挙げて、存立危機事態に対処するとともに、国全体として万全の措置が講じられるようにする責務を有するものとすること。
 2 国は、武力攻撃事態等及び存立危機事態への円滑かつ効果的な対処が可能となるよう、関係機関が行うこれらの事態への対処についての訓練その他の関係機関相互の緊密な連携協力の確保に資する施策を実施するものとすること。

 六 対処基本方針
 1 政府は、存立危機事態に至ったときは、対処基本方針を定めるものとすること。
 2 対処基本方針に定める事項として、対処すべき事態に関する次に掲げる事項を追加すること。
 (一) 事態の経緯、事態が武力攻撃事態であること、武力攻撃予測事態であること又は存立危機事態であることの認定及び当該認定の前提となった事実
 (二) 事態が武力攻撃事態又は存立危機事態であると認定する場合にあっては、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がなく、事態に対処するため武力の行使が必要であると認められる理由
 3 存立危機事態においては、対処基本方針には、(一)に掲げる内閣総理大臣が行う国会の承認(衆議院が解散されているときは、日本国憲法第五十四条に規定する緊急集会による参議院の承認)の求めを行う場合にあってはその旨を、内閣総理大臣が(二)に掲げる防衛出動を命ずる場合にあってはその旨を記載しなければならないものとすること。
 (一) 内閣総理大臣が防衛出動を命ずることについての自衛隊法第七十六条第一項の規定に基づく国会の承認の求め
 (二) 自衛隊法第七十六条第一項に基づき内閣総理大臣が命ずる防衛出動

 七 その他所要の規定の整備を行うこと。


 第六 武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律の一部改正(第六条関係)
 一 題名
 この法律の題名を「武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律」に改めること。

 二 目的
 この法律の目的に、武力攻撃事態等又は存立危機事態において自衛隊と協力して武力攻撃又は存立危機武力攻撃を排除するために必要な外国軍隊の行動が円滑かつ効果的に実施されるための措置等について定める旨を明記すること。

 三 定義
 1 この法律において「外国軍隊」とは、武力攻撃事態等又は存立危機事態において、自衛隊と協力して武力攻撃又は存立危機武力攻撃を排除するために必要な行動を実施している外国の軍隊(武力攻撃事態等において、日米安保条約に従って武力攻撃を排除するために必要な行動を実施しているアメリカ合衆国の軍隊を除く。)をいうものとすること。
 2 「行動関連措置」の定義に、武力攻撃事態等又は存立危機事態において、外国軍隊の行動が円滑かつ効果的に実施されるための措置その他の外国軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置を追加すること。

 四 その他所要の規定の整備を行うこと。


 第七 武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律の一部改正(第七条関係)
 「対処措置等」の定義に、外国軍隊が実施する自衛隊と協力して武力攻撃を排除するために必要な行動を追加すること。


 第八 武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律の一部改正(第八条関係)
 一 この法律の題名を「武力攻撃事態及び存立危機事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律」に改めること。

 二 存立危機事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する所要の規定の整備を行うこと。


 第九 武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律の一部改正(第九条関係)
 一 この法律の題名を「武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律」に改めること。

 二 存立危機事態における捕虜等の拘束、抑留その他の取扱いに関する所要の規定の整備を行うこと。


 第十 国家安全保障会議設置法の一部改正(第十条関係)
 一 国家安全保障会議は、存立危機事態への対処に関する基本的な方針、存立危機事態、重要影響事態及び国際平和共同対処事態への対処に関する重要事項、国際平和協力業務の実施等に関する重要事項並びに自衛隊の行動に関する重要事項を審議し、必要に応じて内閣総理大臣に対して意見を述べるものとすること。

 二 内閣総理大臣が国家安全保障会議に諮問しなければならない事項として、第二の二の1の(一)又は(六)に掲げる業務の実施に係る国際平和協力業務実施計画の決定及び変更に関するもの並びに第二の一の2の自衛官の国際連合への派遣に関するもの並びに保護措置の実施に関するものを追加すること。

 三 その他所要の規定の整備を行うこと。


 第十一 施行期日等(附則関係)
 一 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

 二 その他所要の調整規定を設けるほか、関係法律について所要の改正を行うこと。

by yumimi61 | 2015-07-16 11:51

日本国憲法の秘密-3-

憲法第9条の読み方

前にも書いたが日本国憲法の第2章は第9条ただ1つしかない。
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第二章 戦争の放棄
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
二項  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
============================================

マッカーサー総司令官が提示したという3原則。
私が簡潔にまとめた言い方では、「世襲天皇制」「国権発動の戦争放棄」「絶対君主制」となる。
2番目の「国権発動の戦争放棄」が9条に化けた。
原則のうちの1つが、最終的に11章103条となった日本国憲法の1条に当てられたのだ。
3分の1と、103分の1若しくは11分の1の重みがイコールなのだから、いかに「国権発動の戦争放棄」が大事かということが分かる。
また残りの2つの原則は「世襲天皇制」「絶対君主制」で、どちらも天皇の関係することなのだから、これはまさに「君主の君主による君主のための国」と言えよう。

9条決定までの変遷を見ていきたいと思うだのが、先に現9条を読み解いてしまおう。

ます最初の一文。
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

これは日本という国家が国家権力を用いて、武力行使や戦争を行ってはいけないと述べられている。
ただ条件として「国際紛争を解決する手段として」と書かれている。
日本は外国に対して武力行使や戦争を行うことは永久に出来ないが、国内は規定されていないので構わないということなのだろう。
内紛や内戦では国家権力を用いて武力行使や戦争を行うことは出来る。
よその国に迷惑を掛けずに内輪で揉めている分には構わない、どうぞご勝手にといった感じ。(実際にはそうは言わず、争いなんかやめなさいくらいなことは言うと思うけれども)

それからこれも重要。
「国権の発動たる戦争」は放棄すると述べているだけで、「戦争」を放棄するとは言っていない。
戦争は出来る。ただ日本という国が独断で勝手に戦争を引き起こすことは出来ないのだ。
他国や国際機関が法的権限を発動して始める戦争に参加依頼されるようなことがあれば参加は可能。
まさに集団的自衛権による戦争はOKなのである。
また独断ではなく相談の上で国際的にゴーサインが出れば日本独自でも戦争が出来るかもしれない。

簡単に言うと、「日本は外国相手に独断で勝手に戦争をしない(するな)」ということになる。

二項。
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

キーポイントは「これ」という指示語。
「これ」が何を指すか?
ずばり、第二章タイトルになっている「戦争の放棄」である。
前項では出来ない戦争と出来る戦争があることが述べられていた。
要するに全部を戦争放棄しているわけではない。全部を戦争放棄されたら困る。
だから陸海空軍その他の戦力は「戦争の放棄」を保持しないと言っているのだ。
また日本という国としても戦争自体を放棄したわけではないということを高らかに宣言している。
国際的に戦争の参加依頼や了承があれば、日本は戦争をする。
それを拒否すること(戦争放棄)は国家権力が認めない。


憲法は二の次

最近話題になっていたことは、「安全保障関連法案の合憲性」であった。
でも安全保障関連法案というのは、関連というだけあって1つではない。
こんなにも関連法案はある。

我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するために一部を改正する法律案

○ 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)(第一条関係) 
○ 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(平成四年法律第七十九号)(第二条関係)
○ 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(平成十一年法律第六十号)(第三条関係)
○ 周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律(平成十二年法律第百四十五号)(第四条関係)
○ 武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成十五年法律第七十九号)(第五条関係)
○ 武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律(平成十六年法律第百十三号)(第六条関係) 
○ 武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律(平成十六年法律第百十四号)(第七条関係)
○武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律(平成十六年法律第百十六号)(第八条関係)
○ 武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律(平成十六年法律第百十七号)(第九条関係)
○ 国家安全保障会議設置法(昭和六十一年法律第七十一号)(第十条関係)
○ 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)(附則第三条関係)
○ 国際機関等に派遣される防衛省の職員の処遇等に関する法律(平成七年法律第百二十二号)(附則第四条関係)
○ 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成十六年法律第百十二号)(附則第五条関係)
○ 武力紛争の際の文化財の保護に関する法律(平成十九年法律第三十二号)(附則第六条関係)
○ 原子力規制委員会設置法(平成二十四年法律第四十七号)(附則第六条関係)
○ 行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成二十六年法律第六十九号)(附則第七条関係)
○ サイバーセキュリティ基本法(平成二十六年法律第百四号)(附則第八条関係)
○ 防衛省設置法(昭和二十九年法律第百六十四号)(附則第九条関係)
○ 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)(附則第十一条関係)
○ 復興庁設置法(平成二十三年法律第百二十五号)(附則第十二条関係)


「安全保障関連法案の合憲性」というだけでは論点がぼやけてしまうが、集団的自衛権が合憲かどうかということならば合憲である。
憲法は文章化していない国さえある。理想的な姿を描くものではあるが、そのぶん総論的で抽象的で曖昧さを残している。
従って法的拘束力は実はそれほど高いものではなく、それは他の法律に譲る場合が多い。
実際に活動するうえで問題になってくるのは理念や概念である憲法よりも、狭く細かい固有の法律のほうだろうと思う。

もしも一切合切戦争を放棄するのであれば「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」ではなく「陸海空軍その他の戦力を保持しない。」と書けばよいのだし、自衛の部隊しか認めないというならばはっきりとそう書けばよいものをそう書かなかった。
憲法が軍隊や戦力を否定しているわけではないからである。
勝手な戦争(侵略戦争とでも言うのかな?)を強く禁止しているだけなのだ。
ということで自衛隊も全く問題なく合憲なのだ。
しかし自衛隊法という固有の法律で何か制限しているものがあるとするならば、そちらに縛られる。
だからそれを変えるのだし、それで不十分ならば固有の新法を制定すればいい。
そうやってきたからこそ今日まで一度も憲法を変えずに済んだのだ。
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自衛隊法の改正案の一部分(改正後はライン部分が消される)



-------ここから下は7月15日に書きました。

11の呪い!?

「安保法制」や「安保法案」「安保関連法案」という曖昧な言葉を使うのでよく分からないのではないだろうか。
安保と言えば、「日米安保のことでしょう?」と思う人もいるだろう。
日米安保と言えばアメリカなので、アメリカ悪しアメリカ憎しになっていく。とりあえずデモっておくか、とか。
悪いことにTPPの問題も報じられる。
こちらに書いた通り、TPPの大元の目的は「小国同士の戦略的提携によってマーケットにおけるプレゼンスを上げること」だった。
そこに経済大国を自認するアメリカと日本が参加し、もうまるでその2か国のための協定のような印象しかない。(日本語正式名称は「環太平洋パートナーシップ協定」なのでヨロシク)
そこへ持ってきて4月末に安倍首相がアメリカ議会でわざわざ目立つように英語でなんか演説し、「夏までに成立させます!」なんて宣言し(たんだよね?私演説全部聞いてないから一応)、アメリカと一心同体のような演出をしたから余計にタチが悪い。
畳みかけるように5月14日に関連法案を閣議決定した。
その後に国会で審議していて、今日可決したという流れ。

5月14日前後にはどの記事も「安保法制11法案」と書いていた。
新法案1と改正案10で11法案である。(これについてはこちらの記事がわりと分かりやすい)
新法案(新しく一から法律を作るということ)は「国際平和支援法案」である。
改正するという残り10の法律名全てを列挙している記事は私が見る限りなかった。

内閣官房のホームページを見るとこのように書いてある。
政府は平成27年5月14日、国家安全保障会議及び閣議において、平和安全法制関連2法案を決定しました。

「安全保障法制(安保法制)」ではなく、「平和安全法制(略せば平安法制?)」なのである。
平和安全法制が何かと言えば、「平和安全法制整備法」と「国際平和支援法」である。

●平和安全法制整備法―我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律

●国際平和支援法―国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律

5月14日に閣議決定し、国会に送られ、今日決定した法案はこの2つということになる。
「平和安全法制整備法」の中で改正する法律は10どころではなくて20ある。その20の法律を上に列挙した。(PDF
法律名に自衛隊や武力という言葉が入っていて、いかにも安全保障的な法律が10というだけの話なのだ。
会社や何かの団体の決め事など一般的な感覚からすると、改正が妥当かどうかを1つ1つ検討しながら改正案を作成し、それを委員会なり総会で1つ1つ順序だって発表説明する。
質疑応答や必要ならば修正を行い、最終的に承認を得るという形を取る。
国会を見ているとそうではない。
「今日はこの改正部分の審議を行います」という司会進行はなく、質問者が何の脈絡もなく自分のしたい質問をしているように見える。
だからどの法律のどの部分を審議しているのか全くといって分からない。

そうは言ってももう決まったこと。議席数や過去の事例を見れば可決されるに決まっていた。
国会議員には個人の自由意思なんてないに等しいから。
何かあった時にはみなアメリカを憎むのか知らないけれど、「国際平和支援法」という新法は国連絡みの法律である。(え?国連の本部もアメリカじゃないか?そうだね)






by yumimi61 | 2015-07-14 23:26

日本国憲法の秘密-2-

自由のない国へ

1945年8月15日 玉音放送、終戦。

1945年10月4日 この日、GHQのマッカーサー総司令官は、自由を謳い、憲法改正を示唆した。
総司令部は、治安維持法の廃止、政治犯の即時釈放、天皇制批判の自由化、思想警察の全廃など、いわゆる「自由の指令」の実施を日本政府に命じた。
マッカーサーは、東久邇宮内閣の国務大臣であった近衛文麿に、憲法改正を示唆した。
翌5日、東久邇宮内閣は、この指令を実行できないとして総辞職し、9日に幣原喜重郎内閣が成立する。


つまり日本政府は自由を良しとはしなかった。自由を選択しなかったのである。
近衛文麿というのは、熊本県知事や総理大臣を歴任した細川護煕氏や日本赤十字社社長や国際赤十字赤新月社連盟会長を務める近衞忠煇氏の祖父、また島津家第32代当主・島津修久氏の祖父でもある。
島津でピンときた方もいるかと思うが、あの薩摩藩の島津家である。
幕末の薩摩藩の最高権力者(藩主ではない)で、京都に進出し公武合体を推進し、江戸に出向き神奈川で生麦事件を起こした島津久光は島津家の27代当主であった。こちらの記事の「スイカの名産地」に登場した。
島津久光の曾孫が昭和天皇の皇后であり、現在の天皇陛下は玄孫にあたる。
第32代当主・島津修久氏も島津久光の玄孫にあたり、天皇陛下は「はとこ」になる。妻は西郷隆盛の曾孫だそう。

島津と言えば島津製作所も思い出しますね?
ソニーが不採用にした会社員がノーベル賞を受賞したということで話題になったあの会社です。
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現在の『丸に十の字』の社章は薩摩の島津家の家紋に由来するが、創業者の初代島津源蔵は京都の出身である。大名の島津家とは血縁がないが、創業者の祖先である井上惣兵衛尉茂一が島津義弘から家紋と「島津」の姓を与えられた。そのときの経緯は以下の通り。
薩摩の島津義弘が、京都の伏見から帰国の途上に、豊臣秀吉から与えられた播州姫路の領地に立ち寄った。その際、そこに住んでいた井上惣兵衛尉茂一は領地の検分などの世話をした。それに対する褒美として“島津”の姓と“丸に十の字(くつわ)の家紋”をもらった。


話は戻って近衛文麿であるが、彼は第一次世界大戦のパリ講和会議の際、西園寺公望元首相にお供した。
こちらの記事に「鉄は熱いうちに打て」で2か月の船旅ですよ~と書いた。ノーベル賞のことも書いた(平和賞だけど)。
それから2か月半後に両陛下がパラオを訪問され巡視船に宿泊された。そのことをこちらに書いた
近衛文麿は日本放送協会(NHK)第2代総裁でもある。


哀しき最期

近衛文麿は第二次世界大戦終結後、東久邇宮内閣にて国務大臣として入閣した。
しかし1945年12月6日にGHQから逮捕命令が伝えられ、A級戦犯として裁かれることになった。
巣鴨拘置所に出頭を命じられた最終期限日の1945年12月16日未明に服毒自殺した。
歴代総理の中では最も若くして亡くなり、また唯一の自殺者だそうだ。
戦犯として裁かれることが決まってからの言い訳に昭和天皇は「近衞は自分にだけ都合の良いことを言っているね」と言い、その死に際しては「近衛は弱いね」と吐き捨てたらしい。(ひょっとして切られた?)

近衛文麿は戦中、東條英機ら陸軍統制派に「共産主義信奉者」というレッテルを貼り、全責任を負わせて講和に持ち込むべきと主張していた。

東條内閣打倒を図った近衛は、1945(昭和20)年2月天皇に奉呈し、敗戦必至との認識のもとに、恐ろしいのは敗戦よりもそれに伴う共産革命であり、政府は国体護持(天皇制擁護)を絶対の課題とすべきであると主張した。それが近衛上奏文である。
<大東亜戦争の黒幕③ 近衛文麿の上奏文と日本敗戦革命より>

東條総理(1941-1944年)は総理大臣・陸軍大臣・内務大臣を兼ねており、「東條幕府」と揶揄されることもあった。
東條の前の総理大臣が近衛文麿だったのだ。
近衛の「共産主義」レッテル張りは常軌を逸していて、陸軍は左翼の巣窟、官僚も左翼、右翼もじつは国体の皮をかぶった左翼と、とにかく気に入らない者は全部左翼認定して、これを排除すべしとした。


東京湾に散る

1945年8月30日、マッカーサー総司令官は厚木飛行場に降り立った。
その夜マッカーサーは東條英機陸軍大将の逮捕と戦争犯罪人容疑者のリスト作成を命じた。
アメリカ政府は占領政策を円滑に進めるために天皇の存在は欠かせないと判断していたため、昭和天皇の責任を追及する気はなかったという。
1945年9月11日、GHQから出頭命令が出た。
最初に指名(逮捕)されたのは主に東條内閣の閣僚だった。
近衛文麿は同年12月第4次の逮捕者であり遅い方になる。

東條英機は出頭命令の日1945年9月11日に拳銃自殺を図ったが未遂に終わった。(撃たれた説もあり)
東條を救ったのはアメリカ人だった。
銃声が聞こえた直後、そのような事態を予測し救急車などと共に世田谷区用賀にある東條の私邸を取り囲んでいたアメリカ軍を中心とした連合国軍のMPたちが一斉に踏み込み救急処置を行った。銃弾は心臓の近くを撃ち抜いていたが、急所は外れており、アメリカ人軍医のジョンソン大尉によって応急処置が施され、東條を侵略戦争の首謀者として処刑することを決めていたマッカーサーの指示の下、横浜市本牧に設置された野戦病院において、アメリカ軍による最善を尽くした手術と看護を施され、奇跡的に九死に一生を得る。
新聞には他の政府高官の自決の記事の最後に、「東條大将順調な経過」「米司令官に陣太刀送る」など東條の病状が付記されるようになり、国民からはさらに不評を買う。
入院中の東條に、ロバート・アイケルバーガー中将はじめ多くのアメリカ軍高官が丁重な見舞いに訪れたのに比べ、日本人は家族以外ほとんど訪問者はなく、日本人の豹変振りに東條は大きく落胆したという。



A級戦犯容疑での逮捕者は全部で126名(5名は逮捕・出頭前に自殺)に上った。
この中に安倍総理の祖父となる岸信介がいる。倒閣の仕掛け人だったらしい。
東條英機内閣の大東亜戦争開戦時の重要閣僚であったことから極東国際軍事裁判ではA級戦犯被疑者として3年半拘留された。しかし、即時停戦講和を求めて東条内閣を閣内不一致で倒閣した最大の功労者であることなどの事情が考慮されて不起訴のまま無罪放免されている。

逮捕者のうち28名が起訴となり、残りの者は不起訴となった。
起訴された者のうち死刑(絞首刑)が言い渡された者は7名である。
総理大臣・東條英機以外は、満洲、中国、ビルマでの戦いを指揮した者。
7名のうち2名は中国・南京事件絡みでの有罪判決で、しかもそのうち1人は軍人ではない総理大臣経験者である。
3名は中国への侵略の罪(満洲の関東軍絡み)、1人はイギリス植民地だったビルマへの侵攻の罪である。

終身刑は16名。
終身刑とはいえ、病気で先に亡くなってしまった人以外は1955年前後、終戦から10年あまりで釈放された。
こちらに書いた長州五傑の1人・山尾庸三の孫にあたり戦争時に昭和天皇側近であった木戸幸一も終身刑であったが、1955年に釈放され神奈川県の大磯に隠退した。
近衛文麿とは学習院時代からの学友であった。


起訴された日は1946年(昭和21年)4月29日で、これは昭和天皇の誕生日となる。
開廷したのは1946年(昭和21年)5月3日。この日は翌年憲法施行日となった。
死刑は1948年(昭和23年)12月23日に執行された。これは現天皇陛下(当時皇太子)の誕生日である。
この日付の一致については、前東京都知事の猪瀬直樹氏が『ジミーの誕生日—アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」』(2009年11月発行)という著書で語っているようだ。
昭和天皇の誕生日に起訴し、皇太子殿下の誕生日に死刑執行したことは、日本人にショックを与えるためGHQがわざとやったんだという内容だと思われます。
何かが終わり、また何かが始まる。始まったのは天皇家。力強い一歩を踏み出した。そんな感じではないかと私は思います。
(ちなみに猪瀬さんは「ミカド」という言葉が好きだと思う)

九死に一生を得た東條英機は、1948年12月23日、死刑執行によって命が絶たれた。
東條を含め処刑された7人の遺体は横浜市西区の久保山斎場で火葬され、遺骨はアメリカ軍により東京湾に捨てられたそうだ。
日米修好通商条約を締結した横浜で焼かれ、日米修好通商条約によって開かれた横浜港近くの海に散った。
捨てる(投棄)と散灰はどこがどう違うのだろうか。


兎死すれば狐これを悲しむ

よく靖国神社参拝が話題になり問題視されることがある。
問題なのは靖国神社にA級戦犯が祀られているかららしい。
しかしそこが神社であるならば、寺ではなく遺骨があるわけでも墓があるわけでもないだろう。
誰かの記念館でもない。
神社の神の大元は自然なものであるからして木でも石でもよいのである。
神と信じて祀ったならば何でもよい。それぞれの心の問題である。

靖国神社は明治天皇が建立したものというのはご存知でしょうか?
以下靖国神社のホームページより。

【起源】
靖国神社の起源は明治2年(1869)6月29日に建てられた東京招魂社。
明治天皇は明治2年6月、国家のために一命を捧げられたこれらの人々の名を後世に伝え、その御霊を慰めるために、東京九段のこの地に「招魂社」を創建したのです。この招魂社が今日の靖国神社の前身で、明治12年(1879)6月4日には社号が「靖国神社」と改められ別格官幣社に列せられました。


【御祭神】
靖国神社には、戊辰戦争やその後に起こった佐賀の乱、西南戦争といった国内の戦いで、近代日本の出発点となった明治維新の大事業遂行のために命を落とされた方々をはじめ、明治維新のさきがけとなって斃れた坂本龍馬・吉田松陰・高杉晋作・橋本左内といった歴史的に著名な幕末の志士達、さらには日清戦争・日露戦争・第一次世界大戦・満洲事変・支那事変・大東亜戦争(第二次世界大戦)などの対外事変や戦争に際して国家防衛のために亡くなられた方々の神霊が祀られており、その数は246万6千余柱に及びます。

靖国神社に祀られているのは軍人ばかりでなく、戦場で救護のために活躍した従軍看護婦や女学生、学徒動員中に軍需工場で亡くなられた学徒など、軍属・文官・民間の方々も数多く含まれており、その当時、日本人として戦い亡くなった台湾及び朝鮮半島出身者やシベリア抑留中に死亡した軍人・軍属、大東亜戦争終結時にいわゆる戦争犯罪人として処刑された方々などの神霊も祀られています。

このように多くの方々の神霊が、身分・勲功・男女の区別なく、祖国に殉じられた尊い神霊(靖国の大神)として一律平等に祀られているのは、靖国神社の目的が唯一、「国家のために一命を捧げられた方々を慰霊顕彰すること」にあるからです。つまり、靖国神社に祀られている246万6千余柱の神霊は、「祖国を守るという公務に起因して亡くなられた方々の神霊」であるという一点において共通しているのです。


246万6千余柱の神が祭神となっているのが靖国神社なのである。
柱というのは神を数える単位であり、〇人や〇名と同じ。
要は戦没者の名簿かなんかを神社に置いているということなんだと思う。
神社が勝手に名簿を集めて、神に祀り上げてしまうのである。(遺族の了解を取っているのか知らないが)
戦争に行って無事に帰還し寿命で亡くなった場合は神にはなれない。戦死しないとダメなのである。
人は「死」に弱い生き物だから仕方ない部分もあるが、取り方によっては戦死を称えているようにも思う。

そんなに多くの人(神)が狭いところにいたら、意見も合わないこともあるだろうし、喧嘩をすることもあるだろう。
内紛や内乱ってこともあるかもしれない。
同じ国にいても、それどころか家族だとしても、意見の不一致というものはあるわけであり、靖国神社というのはなかなか不穏な場所である。
というのは冗談半分にしても、これだけ多くの人を祀っていれば、「私は幕末の志士のために参拝する」「私は日露戦争を戦った軍人のため」「私はA級戦犯」「私は従軍看護婦」「私は名もなき民間人」と目的は様々となる。
「ほらみなさい、肯定も否定もしきれないだろう!」という靖国神社(天皇家?)の作戦勝ち。
ともかく靖国神社は「明治時代からの日本」つまり「天皇制」を信奉する場所である。
またA級戦犯14名が祀られたのは1978年(昭和53年)のことで、この時の官房長官は安倍晋太郎、そう、安倍首相の御父上。
日本航空123便が群馬県の山中に墜落した3日後の1985年8月15日、群馬県高崎市出身の中曽根首相が公式参拝した。
これが後々まで禍根を残すことになった。


責任の所在

1945年10月以降、内閣にて、さらには民間においても、憲法改正案が作られるようになる。
逮捕されて裁判に掛けられ生きるか死ぬかという人あれば、かたや意気盛んに憲法改正案を練っている。
皮肉なものである。だから死刑囚も神にして祀ってあげるのだろうか。
戦争の話になるとよく「政治家は戦争が始まったって戦争に行かないんだからいいよな」というようなことが言われる。
でも「戦争の責任も取らないんだからいいよな」と言われることはあまりない。
政治家は戦争の責任を取るのだろうか?
責任とは何だろう?死ぬことだろうか。
死刑になった7名のうち6名は軍人だった。東條英機は軍人でありながら総理大臣でもあった人だ。
これを見る限り、やはり大きな責任が課せられるのは現場を率いる人間なのだろう。
日本国憲法には「内閣総理大臣その他の国務大臣は文民でなければならない」という条文がある(66条)。

私はオウム真理教の裁判でもずっと違和感を感じていた。
麻原代表(死刑囚)の側近であり幹部であり広報担当だった上祐氏はいろいろ知っていたと考えるのが一般的だ。
あれほどテレビに出て、オウム真理教を宣伝し、正当性を主張していた人物である。事件を止めることはなかった。
でも重大事件に直接関係していないからと大した罪にはならなかった。
一方、サリンの運び屋を命令され担当すれば、それだけで死刑になる勢いである。
果たして本当に両者にはそれほど大きな違いがあるのだろうか。
麻原は指示はしたとしても直接手を下したということはないだろう。
それでも彼が死刑であることに疑問を持つ人間はほとんどいない。
天皇は、総理大臣は、戦争の責任を取るのだろうか?


違憲のもとに行ったことは天皇の責任に非ず(私の解釈)

マッカーサー総司令官が前述の三原則を持ち出してきたのが1846年2月3日。
マッカーサーの部下たちがそれをベースに草案を作成し、完成したのが2月12日で、翌日13日に日本政府に提示した。
その後、「マッカーサー草案」に基づく「日本政府改正草案」を作成し、3月6日にマッカーサーの了承も得た。
この改正案が帝国議会で可決されたは10月7日。
10月12日、政府は枢密院*に諮問した。

*枢密院
「枢密」とは機密や政治上の重要な秘密のこと。
「枢密院」は内閣から独立した天皇の諮問機関。憲法問題も扱ったため「憲法の番人」とも呼ばれた。1888年(明治21年)創設、1947年(昭和22年)に廃止。
「枢密院」はもともと軍制を掌った中国歴代王朝の国家機関の名称だった。
イギリスではイギリス女王の諮問機関として「Her Majesty's Most Honourable Privy Council」が今なお存在している。
日本の宮内庁はどんなものなんでしょうか?

10月29日、天皇臨席の枢密院本会議にて日本政府改正案を全会一致で可決した。
同日、天皇が憲法改正を裁可し、11月3日に日本国憲法が公布された。
すなわち現在の日本国憲法を最終的に許可承認したのは天皇である。
この承認が貰えなければ全ては水の泡。
「天皇の条約勅許を取れ」というのと同じこと。
ここで戻されずに簡単にゴーサインが出たということは、天皇の意向に沿った憲法に仕上げたということに他ならない。






by yumimi61 | 2015-07-14 12:23

日本国憲法の秘密

違憲合憲!?

安全保障関連法案が違憲だということで揉めている。
でも法案通過が多数決で決まり、与党が圧倒的多数の票(議席)を持っている以上、揉めていることはほとんど意味をなさない。
審議しましたという形式でしかない。
これまでもずっとそうだった。強行でも何でも決まる時は決まる。
そういう制度なのだから仕方ないこととはいえ、国会への失望感を誘う。
大事なのは選挙、つまり数を集めること。
なぜ政治家が数に拘るかと言えば、最終的には数以外意味がないことを知っているからだろう。

「憲法の解釈がまちまちで日本としての統一見解もないまま今日までやってきたのか!」と言われないためだろうか、憲法学者の皆様の見解は違憲でほぼ一致している。
私は正直言って今更まだ憲法がこのように大々的に引っ張り出されるのかという感想を持った。


日本国憲法は法令番号が無い

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日本国憲法
公布日:1946年11月3日 ⇒11月3日が祝日「文化の日」となっている。11月3日は明治天皇の誕生日でもある。
施行日:1947年5月3日 ⇒5月3日が祝日「憲法記念日」となっている。
---------------------------------------------
(御存知のことと思いますが日本では終戦の日を1945年8月15日としています。しかしながら祝日ではありません。敗戦だから仕方ない?)

※下記緑字はこちらの記事の「きな臭い祝日」に書いたこと。
現在の祝日を規定している「国民の祝日に関する法律」では、先代天皇の誕生日は休日にするとは定めていない。
しかし明治天皇の誕生日(文化の日)と昭和天皇の誕生日(みどりの日→昭和の日)は結果として祝日として残っている。

大正天皇の誕生日(天長節)は8月31日で、1913年(大正2年)に8月31日が祝日として設けられたが、夏季では天長節の式典に不都合であるとして、翌年1914年から2か月後の10月31日(ハロウィンの日)に天長節祝日が設けられた。
行事は秋に移行したが天長節の休日は年2回あった。しかしそのどちらの休日も崩御とともに消滅している。

当初、憲法は公布を11月1日、施行を5月1日とする予定でいたが、5月1日ではメーデーと重なるという理由で公布を11月3日にずらしたという。(しかし日本においてメーデーは祝日になっていない。メーデーに対する意識は欧米との温度差がある)
そして公布日の11月3日を憲法記念日にするつもりでいたが、GHQが「11月3日だけは絶対にだめ!」と主張し、結局施行日の5月3日が憲法記念日になった。
GHQはどうも「11月3日=憲法記念日」という図式に反対だったらしい。
文化の日ならいいの?文章化の日ならば?



日本国憲法は制定日がはっきりと分からない。(これといった日を決めていない)
また日本国憲法は他の法律が持つ法令番号を持っていない。
例えば皇室典範という法律は「昭和22年1月16日法律第3号」という法令番号を持っている。

「昭和22年法律第3号」の公布番号を持つ現在の「皇室典範」は「法律」として1947年1月16日に制定され、他の法律と同様にその改正は国会が行い、皇室の制度そのものに国民が国会を通じて関与することとなった。これは、制定当時、日本を占領していたGHQの強い意向によるものである。 この皇室典範は日本国憲法施行の日(1947年5月3日)に施行された。これと同時に明治22年裁定の「皇室典範」並びに明治40年及び大正7年の「皇室典範増補」は廃止された(昭和22年5月1日「皇室典範」)。


--------------------------
皇室典範
制定日:1947年1月16日
施行日:1947年5月3日 ⇒憲法施行日と同じ。
--------------------------
「皇室典範」の始まりは1889年(明治22年)2月11日。
大日本帝国憲法と同時に勅諚された。勅諚とは天皇自らが定めたということである。
現在皇后陛下がお若い時に「ナルちゃん憲法」なる育児メモを世話係に渡したそうであるが、勅諚や皇室典範も家憲でもあり、その家独自の決まりみたいなものである。
しかしながら公な家が誰かの手を借りて存続していくならば、つまり勅諚を実効あるものにするならば、当然のことながら詔や勅命を伴ってくるはずである。
詔や勅命とは天皇の命令であったり、天皇の意志を公布する文書のことである。
神話や歴史書には詔や勅命といった言葉が出てくる。

1947年(昭和22年)に、日本国憲法第100条及び第2条、第5条に基づき、日本国憲法施行前に、憲法に附属する法律の制定手続によって、枢密院の諮詢及び帝国議会の協賛を経て、現在の「皇室典範」(昭和22年1月16日法律第3号)が制定された。

明治時代の「皇室典範」は1947年(昭和22年)5月2日に廃止され、それと入れ替えで翌日から「皇室典範」が施行された。
名称が変わっていないので非常に分かりにくい。
一般には明治時代のものを「旧皇室典範」と呼んでいる。
敗戦したにもかかわらず、皇室が維持され、さらに法律という強力な後ろ盾を得たのである。
日本国憲法さえ持っていない法令番号を持っている。
法令番号「昭和22年1月16日法律第3号」というのは、昭和22年に制定された3番目の法律ということ。
第1号と2号は何だろうと思って探してみたがインターネットでは見つからなかった。


成文憲法と不文憲法 

憲法には成文憲法と不文憲法がある。
日本は成文憲法である。だってそこに文があるから。
でも私は憲法9条、つまり平和や戦争に関しての条項は不文憲法という扱いでもよいのではないかと思っている。
それくらい中身のない文章であり、中味の在り過ぎる文章である。

憲法は、多くの国では、憲法典という文書の形で制定される。これを成文憲法(成文法)という。日本国憲法は成文憲法である。成文憲法の対義語は不文憲法である。誤解を招く表現であるが、不文憲法は憲法典の不存在を意味するに過ぎず、憲法が全く文書によって規定されていないことまでも意味するものではない。著名な不文憲法の国としてはイギリスがある。イギリスには成文の憲法典はなく、大憲章(マグナ・カルタ)をはじめとする多くの文書や通常の法律、慣習法などの憲法的規律によって国家秩序が定められている。

不文憲法の代表とされるイギリスの憲法は憲法的規律が人身保護法、王位継承法、議会法などによって成文法化されているので、実質的には憲法改正が一般の法律と同じ手続きで可能である。「イギリスに憲法はない」という表現は、他の近代国家のような成文憲法典を持たない点を強調したに過ぎない。

不文憲法となる要因はいくつかある。
 ・歴史的経緯により国家の方針が決定された場合。
 ・慣習法など複数の法律がその役割を果たしている場合。

硬性憲法(他の法律より改正のハードルが高い憲法)であっても、日本のように改正のない国もあれば、ドイツやフランスのように頻繁に改正する国もある。また、イギリスのように、軟性憲法(他の法律と同様)かつ不文憲法であっても、憲法的規律を容易には変えない国もある。


以前こちらでユダヤ教の口伝律法について書いたことがある。
口伝律法とは文章化しない決まりや教えである。

学者・司祭・君主の利権を正当化すべく、ユダヤ教の聖典「タルムード」を都合いいように編集したり、神の啓示などおよそ関係なく追加したりした。
「タルムード」というのは神がモーセに対して口伝で語り継ぐべき律法として与えたもの(口伝律法)であり、ユダヤ教徒の生活や信仰の基となっている。(モーセ五書はトーラーで、タルムードはそれ以外)

ユダヤ教の中にもタルムードは最初の教えのとおりに口伝律法であることを尊重すべきというグループがあった。
これをカバラ派という。
このカバラがキリスト教にも取り込まれていくうちに、今日の人々が一般的に想像するような神秘主義的なものへと変質していった。
カバラを通してユダヤ教とキリスト教は一部混合してしまったのだ。
十字軍遠征を通して宗教と商業が混合し、長い歴史の中ではユダヤ人の追放(離散)と強制移住(捕囚)と商業移民とが混合されている。
真実が一層分かり難くなってしまったと言えよう。


不文憲法に分類される国としてイギリスの他、ニュージーランド、イスラエル、サウジアラビア、リビア、オマーン、バチカンがある。

口伝律法はこちらこちらの記事にも書いたので参考までに。
不文憲法は口伝律法に似ている。
現代における国の憲法とは理念であり概念であって、事細かなことを述べる法律ではない。
法律は他にも沢山ある。狭く細かいそれぞれ専門の法律があるのだ。

それは天皇の権利にも似ている。先日もリンクしたが こちらの記事より。
皆さんが言っているのは、第四条の「国政に関する権能を有しない」という部分だと思うけれども、天皇が政治に関与できないとは言っていない。
「機能を有しない」と言っているのである。
「機能」とは、 全体を構成する個々の部分が果たしている固有の役割である。
立法・行政・司法という三権分立内に固有の役割を持っていないが、全体を統括する役割を持っているのではないだろうか。
任命、公布、公示、召集解散、認証などの権限を持っている。
内閣総理大臣を任命できるということは、天皇は国の最高権力者(権威者)である。


憲法は国政に関する固有の役割を持っていないが、大きな権限を持っている。
その権限は何かと突き詰めれば、内閣総理大臣を任命できる天皇である。


憲法の三原則と神様の関係

その昔(そんなに昔じゃないわよ!?)、憲法の三原則は、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」であると習いましたね?
GHQ最高司令官のマッカーサーが挙げた日本の憲法で守るべき三原則は以下のようなものだったそうだ。

1.Emperor is at the head of the state.His succession is dynastic.His duties and powers will be exercised in accordance with the Constitution and responsive to the basic will of the people as provided therein.
天皇は国家の元首の地位にある。皇位は世襲される。天皇の職務および権能は、憲法に基づき行使され、憲法に表明された国民の基本的意思に応えるものとする。

2.War as a sovereign right of the nation is abolished. Japan renounces it as an instrumentality for settling its disputes and even for preserving its own security. It relies upon the higher ideals which are now stirring the world for its defense and its protection.No Japanese Army, Navy, or Air Force will ever be authorized and no rights of belligerency will ever be conferred upon any Japanese force.
国権の発動たる戦争は、廃止する。日本は、紛争解決のための手段としての戦争、さらに自己の安全を保持するための手段としての戦争をも、放棄する。日本はその防衛と保護を、今や世界を動かしつつある崇高な理想に委ねる。日本が陸海空軍を持つ権能は、将来も与えられることはなく、交戦権が日本軍に与えられることもない。

3.The feudal system of Japan will cease.No rights of peerage except those of the Imperial family will extend beyond the lives of those now existent.No patent of nobility will from this time forth embody within itself any National or Civic power of government.Pattern budget after British system.
日本の封建制度は廃止される。貴族の権利は、皇族を除き、現在生存する者一代以上には及ばない。華族の地位は、今後どのような国民的または市民的な政治権力を伴うものではない。予算の型は、イギリスの制度に倣うこと。


これを私が三原則として簡潔にまとめてみました。
「世襲天皇制」「国権発動の戦争放棄」「絶対君主制」
どうでしょうか?いいじゃないか?

君主(王や天皇)がその領土を諸侯に与え、 さらに諸侯はそれを臣下に分与して、各自にその領内の政治を行わせる、これが封建制度。江戸時代なんかまさにこれ。
中央集権のようであって、実はそうではない。それぞれに権限を与えて任せてしまうのだ。
これをやめて中央集権を強化したのが大化の改新であり明治維新だった。
マッカーサーの三原則には封建制度や貴族の廃止が盛り込まれている。
すなわち天皇や皇室の力を強化するものである。
目指すは専制君主制*である。

専制君主制*
国家統治の正統性の唯一の担い手である君主が統治の全権能を自己のものとし、自由に政治権力を行使する専制政治の一形態。絶対君主制とも言う。
憲法などで制限を受けるのは制限君主制や立憲君主制と言う。

それならばまさに制限君主制(立憲君主制)ではないか?
そう見えるのだが実は違う(と思う)。
専制君主制でもない。絶対君主制なのだ(おそらく)。
絶対君主制は貴族や議会よりも権限が優位であるが、宗教的な権威によってその権力が裏付けられている場合には宗教上の制約を受ける。
思い出してほしい幕末の条約勅許騒動を。
将軍、幕閣、朝議、それらの決定は無意味だったのだ。藩主なんか論外であろう。
ただひたすら天皇の許可を取れとせっつかれたのである。
全権を有しているのは天皇である証。天皇が指名・任命したものだけが全権大使となれる。
但しそう、宗教的背景を有する場合には君主の上に神がいる。
明治維新とは天皇に全権を与えることだった。まずはそこから始めた。
与えた者がいるということは、天皇はトップではない。
全権を与えた者がトップなのだ。
天皇の上には神がいるのだと思う。



☆★今日の名言☆★
IをOに変えるとLOVEが生まれる。


憲法の話、全部終わらなかったけど、今日はもう寝ます。
by yumimi61 | 2015-07-13 18:11

昭和 百拾陸

あまり大きな声では言えないけれど・・・違うと思うの・・・ごにょごにょ・・・


武蔵国と相模国

先日のこちらの記事の「高句麗の流れ」の中で高麗について触れた。
武蔵国高麗郡(現在 の埼玉県日高市・飯能市)は高句麗の遺民たちが住んだところと言われており高麗神社 ・高麗川などの名にその名残を留めている。

高麗という名称は神奈川県大磯町にも残っていて、ここもかつて高句麗の遺民たちが住んだところだったらしい。
船で相模湾にやってきて大磯から上陸したと考えられている。
逃げていたのかわざわざ反対側まで来たということになる。
江戸時代に編纂された『新編相模風土記』に「高麗の名は古く当地辺りに高麗人が往したところにちなむ」と記されているという。

神奈川の高麗と埼玉の高麗は直線上にある。
横田基地がカバーする空域とも重なる。
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下記図はかつての武蔵国。現在の埼玉県、東京都と神奈川県の一部とでなる。
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今の神奈川県はほぼ相模国からなっており、横浜や川崎はかつて武蔵国の領域であり別の地域だった。
開港場所は神奈川港にしろ横浜港にしろ武蔵国側になる。久良岐という名称の地だった。
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どうして7月4日ではないのか?

日米修好通商条約に記されている神奈川港の開港日は7月4日である。
しかし今現在日本で横浜港の開港は7月1日となっている。
横浜市が開催している横浜開港祭は旧暦の6月2日を採用し、現在の暦でも6月2日に行っている。


第三條
下田箱館(版本館ノ次ニのノ字アリ)港の外次にいふ所の場所を左之期限より開くへし
  神奈川 午三月より凡十五个月の後より   西洋紀元千八百五十九年七月四日     
  長崎  同斷       同斷
  新潟  同斷凡二十个月の後より      千八百六十年一月一日  
  兵庫  同斷凡五十六个月の後より    千八百六十三年一月一日
若し(版本「し」ナシ)新潟を開き難き事あらは其代りとして同所前後に於て一港を別に撰ふへし


開港日だけでなく条約施行日も西洋暦で1859年7月4日である。日本が当時用いていた暦(旧暦)では6月5日。

第十三條
今より凡百七十一个月の後即千八百七十二年七月四日に當る双方政府の存意を以て兩國の内より一个年前に通達し此條約并に神奈川條約の内存し置く个條及ひ此書に添たる別冊ともに双方委任の役人實驗之上談判を盡し補ひ或は改る事を得へし

第十四條
右條約の趣は來る未年六月(版本五)日即千八百五十九年七月四日より執行ふへし此日限或は其以前にても都合次第に日本政府より使節を以て亞墨利加華盛頓府に於て本書を取替すへしもし無餘儀子細ありて此期限中本書取替し濟すとも條約之趣ハ此期限より執行ふへし


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左資料出典:http://www.h2.dion.ne.jp/~jiemon/j-a.pdf
右は新暦旧暦変換で調べたもの。


ところが何故か日米修好通商条約を調べると締結日はどれも安政5年6月19日(1858年7月29日)となっている。百科事典なども。
7月4日はアメリカ独立記念日(Independence Day)(The Fourth of July)である。
アメリカの独立が気に入らない人と江戸幕府の開国が気に入らない人が歴史を改ざんしたのではないだろうか?


不可解な日にち

法律には「制定」「交付」「施行」という日が付いて回る。
条約ならば「制定」に変わって「締結(調印)」と「批准」があり、その後に「交付」と「施行」がある感じだろうか。
日本の憲法記念日(5月3日)は施行日を選んでいる。
日米修好通商条約も施行日を選べば1859年7月4日である。
施行日を締結日と言うのはやはりやや違和感があるだろうか?
アメリカ独立記念日の異議を唱えた人の話はこちらに書いたことがある。

上に載せた縦書きの資料においては「日米修好通商条約」というタイトルの下に、安政五年(一八五八年)六月十九日締結、と記されている。

横書き青字で転載した文章の出典はこちら「六月十九日調印日本國亞米利加合衆國修好通商條約并貿易章程」(日米修好通商条約)。
元資料は『大日本古文書 幕末外国関係文書之二十』(東京帝国大学文学部史料編纂所、昭和5年1月31日発行;東京大学出版会、昭和47年12月20日覆刻)だそうである。
こちらは「六月十九日調印日本國亞米利加合衆國修好通商條約并貿易章程」というタイトルの下に次のように記されている。
江戸に於て調印萬延元年四月
三日華盛頓に於て批准書交換


これはアメリカと批准書を交換した時のものであろう。
1860年2月(安政7年1月)、米艦ポーハタン号と咸臨丸に分乗した一行はアメリカへ向かった。
同年5月23日(万延元年4月3日)、ワシントンの国務省において、使節団正使の新見正興(豊前守)らと国務長官のキャス(L. Cass)との間で批准書交換が行われた。
条約の内容自体は締結時と同じもののはずだ。

条約第14条、上に転載した部分の続きで条約の最後の部分は調印について書かれている。
誰がいつどのように調印したかということになる。
注目すべきは「アメリカ合衆国独立」という言葉が入っていること。

本條約は日本よりハ大君の御名と奥印を署し高官之者名を記し印を調して證とし合衆國よりハ大統領自ら名を記しセケレターリスフハンスタート(版本官名ト注ス)ともニ自ら名を記し合衆國の印を鈐して證とすへし尤日本語英語蘭語にて本書寫ともに四通を書し其譯文は何れも同義なりといへとも蘭語譯文を以て證據となすへし此取極のため安政五年午六月十九日即千八百五十八年亞墨利加合衆國獨立の八十三年七月二十九日江戸府に於て前に載たる兩國の役人等名を記し調印するもの也
                              井上信濃守 花押
                              岩瀬肥後守 花押


ただ日付のところの意味がよく分からないのだ。
この部分。
安政五年午六月十九日即千八百五十八年亞墨利加合衆國獨立の八十三年七月二十九日江戸府に於て前に載たる兩國の役人等名を記し調印するもの也

安政五年午六月十九日(安政5年6月19日)を西暦でも言い直すのだが、そこがおかしい。
1858年のアメリカ独立の83年7月29日というのはどういうこと?
アメリカ独立記念日に調印(締結)したのではないかと考えられるのだが、この部分には7月4日とは書かれていない。
文章の意味自体良く分からない。
1858年7月4日に調印し、1年後の1859年7月4日に施行したというのが一番腑に落ちる気がする。
批准書を交換したのは1860年であるが、相手国のある条約の批准とはいったいどの段階をクリアすればよいのだろう。
批准書を交換して初めて効力が生じるならば1860年5月23日となる。









by yumimi61 | 2015-07-12 14:20