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混水摸魚(19)

e0126350_16252116.png 今日は七五三か。
 ではここで一句。
   千歳あめ 私のせなに 羽リード

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ダムのことを書くと、ダムにしか問題がないと思われがちなので、もう一度言っておきます。

水が川に流入するのはダムの上流ばかりではなく、川が海に注ぐまでの至る所で流入している。
流入する水は降雨だったり排水(農業・工業・生活)だったりする。
土壌や環境に吸水性・保水性がなく、アスファルトやコンクリートで覆われた都会ほど流入量は多くなる。
(これは支流の合流の話をしているのではない。この他にも当然各地に支流が合流する地点がある)
そしてそれは水だけはなく、土砂や枝葉なども同じことであり、川岸や河川敷の状態などにもよるが、上流から下流どこでも川に落下・混入の恐れがある。都市部では生活ゴミが混入することも多々ある。

その上でまたダムの話に戻ります。

ダムの堆砂率について

ダムにも水だけでなく、土砂や枝葉が流入してくる。
土砂については最初から流入して堆積することを想定してダムを設計している。
ダムの種類や建設時期によっても多少違うかもしれないが、一般的にはダムの寿命は100年と設定されており、100年間で土砂が堆積する量を予想してダム設計されている。
下の図の堆砂容量というのが、設定した容量である。
当然にダムが初めて稼働した時はゼロということになる。それから少しずつ増えていき、100年後に堆積容量の所がいっぱい(100%)になるという計画である。
設定設計した堆砂容量が100%であり、「ダムの堆砂率」と言う時には堆砂容量に対する割合であり、ダム全体に対する割合ではない。
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「ダムは100年経つと砂に埋もれて使えなくなる」という意見がある。2002年11月18日付の朝日新聞では『44ダムで堆砂50%以上』というセンセーショナルな記事が掲載された。やがて田中康夫元長野県知事による「脱ダム宣言」の有力論証となった。ここでは日本のダム堆砂の現状と対策について述べる。

ダムの堆砂を測るものとして堆砂率(たいしゃりつ)がある。堆砂率が、20パーセントを超えると堆砂が進行していることになる。
水系別ダム堆砂率で見てみると、中央構造線付近を流域に持つ天竜川・大井川・富士川において水系内全ダム堆砂率が30パーセントを超えている。堆砂率上位10ダムの大半はこの3水系で占められる。
他の河川ではどうかと言うと、全国109の一級水系においてダム堆砂が30パーセント以上進行している水系は前述3水系のほか、四万十川と那賀川の計5水系である。
日本の主要水系では木曽川水系が15パーセント、信濃川水系が8パーセントであり、石狩川・北上川・利根川・淀川・吉野川・筑後川では5パーセント程度しか堆砂が進行していない。
なお、排砂事業を実施している黒部川水系では16パーセント、川辺川ダムで問題と成る球磨川水系では7パーセントである。

ダム個別で堆砂進行状況を見ると、日本では千頭ダム(寸又川)の97パーセントが最高である。将来的な堆砂状況を試算した場合、堆砂問題が特に深刻な天竜川水系では佐久間ダム(天竜川)が無対策で放置した場合約200年で貯水池が砂で満杯となる試算が出ている。天竜川水系や大井川水系等、中央構造線付近にあるダムは地質的に土砂が流入しやすいため、多少にかかわらずこの傾向がある。だが、同様の試算で堆砂の影響が少ない河川の場合、矢木沢ダム(利根川)で約2,600年、岩洞ダム(丹藤川)では実に約70万年未対策で放置しないと貯水池が堆砂で満杯にはならないとされる。


上に記載されている朝日新聞の記事というのが2002年のことで、データは2000年のもののようだ。
下のランキングは朝日新聞の記事より↓

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堆砂率が堆砂量/総貯水容量(総貯水容量に対する堆砂量)と書いてあるが、一般的には私が上に書いたように堆砂容量に対する堆砂量を堆砂率と言うはずである。
総貯水容量に対して砂が100%堆積したら、ダムのほとんどが砂で埋まっているということである。
解釈を間違えたのか、問題を大きくするためにあえて総貯水容量に摩り替えたのか、それとも堆積容量なんかとっくに超えているという事実があるということなんだろうか?

2000年からはすでに19年も経っている。およそ20年だから、記事の後にも想定した寿命100年の5分の1の年月と、その分の堆砂が追加されているはずである。

但し上のランキングに入っているダムの多くが発電用の重力式コンクリートダムのような感じである。
発電用なので洪水調節機能は持っていないし、利水を目的にしているわけでもない。
要するに台風などでダム貯水容量の限界を超えたら、上部の非常用洪水吐から自然に放流されるか越水するタイプのダムである。
発電用ダムの場合は水を下の発電所に落下させて発電させるので、水さえ常時確保できれば、ダムに堆砂していてもあまり関係はない。というかむしろ水の高さが維持できるとも言えてしまうくらいである。
取水という方法で河川や別の多目的ダムなどから常時落下(発電)させる水を確保出来れば、余計に水を貯めて置く必要はないということになる。


ダムの特殊性


上のランキングの16位の品木ダム(群馬、利根川水系、国交省)というのは、群馬県の北西部を流れる吾妻川に関係するダムである。
1965年完成だから2000年の段階では35年経過したところである。堆砂率は75.8%とある。
2000年の堆砂率上位50のダムの中では、11位で80.8%の雨畑ダム(山梨、富士川水系、日本軽金属)に次いで新しい。
雨畑ダムは日本軽金属がアルミニウム製造の電力確保のために建設した民間企業が所有しているダムである。

ランキングに入っているダムは発電用ダムが多いと書いたが、吾妻川の品木ダムはちょっと特殊なダムである。

●品木ダム
群馬県吾妻郡中之条町、一級河川・利根川水系湯川に建設されたダムである。
高さ43.5メートルの重力式コンクリートダム。
目的は他のダムと異なり日本屈指の酸性河川であった吾妻川の水質改善、河水の中性化を最大の目的としているダムであり、これに付随して水力発電も行う。
施工は群馬県が行ったが、完成後建設省に管理が移され現在は国土交通省関東地方整備局が直轄で管理を行っている。
ダムによって形成された人造湖は上州湯の湖(じょうしゅうゆのこ)と命名されている。


台風19号の後に八ツ場ダムに関連して、「一部ではヒ素についても取り沙汰されている」と書いたが、品木ダムは当然無関係ではない。

朝日新聞デジタル 2009年11月13日
八ツ場上流、ヒ素検出を公表せず 国交省

八ツ場(やんば)ダム(群馬県)の建設予定地の利根川水系の吾妻川とその支流で、国土交通省が少なくとも93年以降、環境基準を超えるヒ素を毎年検出しながら、調査結果を公表していなかったことが朝日新聞社の調べでわかった。下流で取水する飲用水の水質に影響する結果ではないが、ダム建設の是非に影響しかねないとみた国交省が、データの公表を避けて計画を進めていた。

 国交省は昨年12月から政権交代直前まで、非公表の第三者機関「八ツ場ダム環境検討委員会」を設け、ダム建設が水質や自然環境に与える影響を検討。朝日新聞社は「八ツ場ダム 環境保全への取り組み」と題した報告書を入手した。非公表とされてきた水質データが記されている。

 ヒ素は自然界に広く分布し、火山の岩盤や温泉水には高濃度で含まれる。環境基本法に基づく河川の水のヒ素の環境基準は1リットル当たり0.05ミリグラムだったが、世界保健機関がヒ素の発がん性を懸念して厳格化。日本でも93年から同0.01ミリグラムに強化された。

 報告書によると、草津温泉を流れる湯川や、酸性の水質を改善するために設置された品木ダムの放水口、八ツ場ダム建設予定地から約10キロ上流の貝瀬地点では86年度以降、ヒ素濃度が高く、基準が強化された93年度以降は基準を上回っていた。08年度の平均値は湯川で基準の約100倍、品木ダムの放水口で約10倍、貝瀬地点で5倍を記録した。

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 吾妻川の水質は、草津白根山系の硫黄鉱山からしみ出す水や草津温泉からの水が流入して酸性が強い。1952年に計画が浮上した八ツ場ダムも、コンクリートが溶けることを理由に一度は断念された。だが、63~65年に、強酸性を改善するための中和工場や品木ダムが造られ、湯川など上流の三つの川に石灰液を投入して中和化が進められ、八ツ場ダム計画が復活した。

 環境省によると、環境基準は政府としての目標値で、基準を超えても国や自治体に法的な改善義務は生じないが、環境基本法は改善に努力するよう義務づけている。しかし、国交省はこうした事態を公表せず、封印していた。

 吾妻川とその支流の水は飲み水には使用されておらず、国交省は「下流に流れるにつれて他の河川と合流するなどしてヒ素は薄まる。ダムでは沈殿するため、下流の利根川での取水で健康被害の心配はない」としている。報告書を作成した環境検討委も、八ツ場ダム完成後は「(下流部での)ヒ素濃度は下がる」と予測している。

 水質調査の結果を長年、非公表としてきた理由について、国交省は「ヒ素の数値が出ると、観光や農業、漁業など流域の幅広い産業に風評被害が起きる可能性があったため」と説明する。

 環境検討委は今年3月までに3回開催され、8月には報告書を公表する予定だったが、総選挙の時期とも重なり、基準を上回るヒ素の公表が、ダム建設の是非にどのような影響を与えるかを巡って検討委や省内の調整作業が難航。4回目の開催は9月に延びたが、結局、政権交代で八ツ場ダム自体が中止の方向となり、4回目の会合は開催されていない。

 国交省は報告書の存在を認めた上で、「まだ検討段階のもので、最終結論を得たわけではない。今後、公表するかどうかは未定」としている。
(津阪直樹、菅野雄介、歌野清一郎)


群馬県のホームページ 最終更新日2019年11月7日 より一部抜粋
吾妻川の水質(ヒ素)についてお答えします
 ヒ素は自然界に広く分布し、火山の岩盤や温泉水に多く含まれているものです。国土交通省では、草津白根火山周辺を起源とする吾妻川支川で水質観測を実施していますが、湯川や大沢川のヒ素濃度の観測結果は、他の河川と比べ高い値を示しています。これは、ヒ素が自然由来のものであることを示すものです。

 しかし、国土交通省及び群馬県が湯川や大沢川などが合流する吾妻川本川で実施している水質調査結果では、ヒ素濃度は環境基準を満たしています。理由については、品木ダムでヒ素が堆積物と一緒に沈殿していることや、吾妻川の水と合流し希釈されていることなどが考えられます。

 現在、利根川と合流する吾妻川の水は『安全できれいな水』と判断できますが、県民や下流都県の方が抱くヒ素に関する疑問について、以下で詳しくお答えします。

1.吾妻川を流れる水のヒ素濃度は環境基準を満たしているのでしょうか?
群馬県が監視している地点(吾妻川監視地点:新戸橋、吾妻橋)では、環境基準を満たしています。また、吾妻川と合流してから千代田町の利根大堰までの利根川の水質測定結果についても、すべての測定地点(9地点)でヒ素濃度は環境基準を満たしています。

7.品木ダムは、どのような目的でつくられたのでしょうか?
 湯川などの強酸性の河川を中和するために、品木ダムの上流で石灰が投入されています。品木ダムは、酸と石灰の化学反応を促進させること及び反応によって生じる中和生成物(硫酸カルシウムや塩化カルシウムなど)を沈殿・貯留させることを目的としたダムです。

8.品木ダムの堆積物には、ヒ素が含まれているということですが、その濃度はどの程度なのでしょうか?
 品木ダムの堆積物に含まれているヒ素は、天然の成分として河川水に元々含まれていたもので、酸を中和する過程で、河川水から中和生成物と一緒に除去され沈殿したものです。

9.品木ダムの堆積物は、浚渫(しゅんせつ)され、ダム近くの処分場に埋め立てられているということですが、処分場から浸出した水により、土壌が汚染される恐れはないのでしょうか?
 堆積物と浸出した水に含まれるヒ素濃度は、廃棄物処理法で定める基準値(埋立基準と排水基準)を下回っています。(※「埋立基準」は、堆積物に関する溶出試験結果に基づく基準値です。また、「排水基準」は、処分場から浸出する水に関する水質の基準値です。)

 浚渫(しゅんせつ)された堆積物の性状は、概ね、天然の土砂が6割、中和生成物が2割、未反応の石灰が2割となっています。中和のために投入される石灰は天然の鉱物であり、中和生成物についても元々の河川水に含まれていた成分と石灰が反応して生じた化合物で、天然にも存在する鉱物です。

 処分場は、ダム湖の集水域に立地していることから、処分場から浸出した水は再びダム湖に戻ります。また、ヒ素に着目すると、ダム湖に流入する湯川のヒ素濃度は、処分場からの浸出水のヒ素濃度を大幅に上回っています。以上のことから、処分場から浸出する水により土壌が汚染される心配はないと考えられます。




堆積と浚渫、塵も積もれば山となる


ダムには土砂が堆積する。それが分かっているから堆積容量が予め確保してある。
しかし予想を上回るペースで堆積していたり、出来るだけ多くの貯水量を確保したいと考えたり、最初に予定した寿命よりも長いことダムを使いたいということになれば、堆積している土砂を取り除く(浚渫工事を行う)必要がある。
但しそれには費用が相当かかる。さらに一度行ったからと言って根本的な解決にはならない。浚った土砂をどこに運んで廃棄するのか利用するのかという問題も生じる。
浚渫工事を行うくらいならば、ダムの容量をさらに大きく改造してしまえという考えもあり、実際にその方法を採る場合もある。
それくらい浚渫工事は割の合わない対策と言えるのかもしれない。
それを品木ダムは行っていると言う。
浚渫を行っているのに、記事に基づけば完成から35年で総貯水容量の75.8%もほども堆砂しているというのだ。
それともその記事後に浚渫を行うようになったということなんだろうか。
ともかく品木ダム無しでは再び死の川に戻るしかないというのに、品木ダムは満杯が見えてきたような状態だったわけである。

そして、「品木ダムの堆積物に含まれているヒ素は、天然の成分として河川水に元々含まれていたもの」と書かれているが、塵も積もれば山となるという言葉があるように、1単位的にはどんなに少量でもそれを集めれば(貯めれば)(溜まれば)少量ではなくなってくる。そのことを無視した書きっぷりである。
治療に使用する薬だって適量ならば問題ないが、その薬を貯めて飲んだら大問題になったり、他の薬との飲みあわせに適さなかったり、飲んではいけない人というものがある。
大丈夫だったはずものが大丈夫でなかったということは、幾らでも事例があるだろう。
自然の土や川にあるくらいは問題ないとしても、それを溜めたら間違いや予期せぬことが起こるということはあり得ることである。
ダムは薄めることの逆(ヒ素の濃縮)を行ってしまう結果となりうる。

上流に天然のヒ素化合物鉱床がある河川はヒ素で汚染されているため、高濃度の場合、流域の水を飲むことは服毒するに等しい自殺行為である。低濃度であっても蓄積するので、長期飲用は中毒を発症する。慢性砒素中毒は、例えば井戸の汚染などに続発して、単発的に発生することもある。

IARC発がん性リスク一覧で、ヒ素およびヒ素化合物は最もリスクが高い「グループ1」に分類されている。
2004年には英国食品規格庁がヒジキに無機ヒ素が多く含まれるため食用にしないよう英国民に勧告した。これに対し、日本の厚生労働省はヒジキに含まれるヒ素は極めて微量であるため、一般的な範囲では食用にしても問題はないという見解を出している。






by yumimi61 | 2019-11-15 16:41

混水摸魚(18)

国土交通省、牧草ロールを作る!?

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グーグルマップでは千曲川の決壊場所付近に上のような作業場面が写りこんでいた。

すでに書いたように、最初に千曲川の決壊場所の地図(写真)を見た時に私は驚いた。それは河川敷が畑として利用されているみたいだったからである。
その時に見たのはエキサイトブログが提携しているヤフーブログだったのだが、畑なのか更地なのか確認しようと思って、グーグルマップのストリートビューも見てみたのである。
河川敷の部分は道路ではないので入っていけなかったが、決壊場所までは堤防天端の道路が一般道になっているので、幸いというか何というかそこから河川敷のほうを眺めることが出来た。
それで気になったのが河川敷の敷地における有機物の多さだった。
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堤防と分岐点

決壊地点は道路が重なっている場所ということを何度か書いたが、具体的には次のような道である。
堤防の上がったり下がったりする道は当然坂道ということになる。
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上の写真2枚は、上がヤフーマップで、下がグーグルマップ。
撮っている時期が違うので土地の感じは違う箇所があるが、決壊地点手前側の堤防の斜面の部分も違うように見える。
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そもそも、畑として使っているようにも見える河川敷の土地の所有者と管理者、実際の使用者は誰なんだろうか。
河川敷の中にも舗装されたように見える道が存在するが、この道の所有者と管理者も誰なのか。一般道ではないが所有・管理は国道にあたるのか県道なのか市道なのか、それとも私道なのか。


河川敷の風景

下の2枚は、決壊場所付近の堤防上の道路から千曲川の方を向いた時の景色。
平常時には堤防から川の姿が見えないような河川敷である。
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一番上から3番目の写真(リンゴの木々?と書き入れたもの)は、決壊地点よりもう少し上流の地点である。この上の2枚はそれより少し下流になるが、ここでもやはり草が刈り取って置かれている。
牧草でも生やして刈り取ったのか、それとも生い茂った雑草を刈ったのか。
黄色っぽい花が見られる。ストリートビューには2014年10月とあるので、秋に河川敷に咲いている黄色い花と言えば、おそらくセイタカアワダチソウだろうと思う。
ただ雑草を刈ったのだとすれば、セイタカアワダチソウが残っているのが不思議である。
黄色い花の部分はあえて残して刈っているような感じがする。

=セイタカアワダチソウ=
北アメリカ原産で、日本では切り花用の観賞植物として導入された帰化植物(外来種)であり、ススキなどの在来種と競合する。
日本国内への移入は、明治時代末期に園芸目的で持ち込まれ、「昭和の初めには既に帰化が知られている」との記述が牧野日本植物図鑑にある。
その存在が目立つようになったのは第二次世界大戦後で、アメリカ軍の輸入物資に付いていた種子によるもの等が拡大起因とされており、昭和40年代以降には全国、北海道では比較的少ないが関東以西から九州にて特に大繁殖するようになった。沖縄県へも侵入しているが、沖縄本島や久米島などの一部地域で小規模な繁茂に留まっている。かつては環境適用性が高いことから養蜂家に注目され、養蜂家の自家栽培などによって増殖や配布が行われた。

外来生物法により要注意外来生物に指定されているほか、日本生態学会によって日本の侵略的外来種ワースト100にも選ばれている。

昭和40年代に日本でセイタカアワダチソウが社会問題となった理由として、戦後の減反政策によって休耕田となった土地に今まで見たことのない外来種の大きい草が突然いっぱい生えてきたという他に、当時は気管支喘息や花粉症の元凶だと誤解されていたことも一因であったが、セイタカアワダチソウは虫媒花で風媒花ではないので、花粉の生成量は少ない上に比較的重く形状も風で飛ぶのには不適であるため、無関係と考えられている。

昭和40年代の繁殖状況は、アレロパシー効果でススキ等その土地に繁殖していた植物を駆逐し、モグラやネズミが長年生息している領域で肥料となる成分(主として糞尿や死体由来の成分)が多量蓄積していた地下約50センチメートルの深さまで根を伸ばす生態であったので、そこにある養分を多量に取り込んだ結果背が高くなり、平屋の民家が押しつぶされそうに見えるほどの勢いがあった。

しかし、平成に入る頃には、その領域に生息していたモグラやネズミが駆除されてきたことによって希少化し土壌に肥料成分が蓄えられなくなり、また蓄積されていた肥料成分を大方使ってしまったこと、自らのアレロパシー効果により種子の発芽率が抑えられる等の理由により、派手な繁殖が少なくなりつつあり、それほど背の高くないものが多くなっている。また、天敵のグンバイやガ、ウドンコ病が時を同じくして北米から日本に侵入し、それらへの抵抗性が低下していた日本個体群は大打撃を受けてしまった(現在は抵抗性が再び上昇傾向)。








by yumimi61 | 2019-11-14 15:30

混水摸魚(17)

土壌の構造

川沿いの土手(堤防)を踏み固めることは、土手にとっても桜にとっても良いことではないということはすでに述べた。
踏圧によって土壌の隙間を潰して土を硬くし、水分も肥料も入りにくくなってしまうからである。
但しこの隙間とはモグラが作るような大きさの空洞のことを言っているのではない。もっと細かな土の粒の隙間のこと。
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上の図の右側が隙間のない硬い土の構造となる。
(粒子の大きさが大きい石の場合は単体構造に近くても左のように隙間ができるので水はけが良くなる。)
最初は左側のような構造の土でも上から踏み固めれば右側のようになっていく。
踏み固めないとしても、植物を生やさなかったり(植物の根が土中にないということ)、植物由来の有機物が土壌に返ることがない場合には、雨が降るたびに隙間は狭くなっていき次第に右側のようになっていく。

柔らかい土よりも硬い方が抵抗力があり良いようなイメージを持ってしまいがちだけれど、それは隙間がない密な構造だからそう見えたり考えてしまうだけで、1粒1粒が単体であるということは離れやすいということでもある。全部が簡単にバラバラになりやすい。だから単体構造の土が剥き出しの場合には土が壊れやすいと言える。
保水力がない土壌なので非常に乾燥しやすく、乾燥すればガチガチになって、ひびや亀裂なども入りやすい。


潰れていく隙間

人が歩く程度の圧でも土壌の隙間は潰れていく。
しかしながら当然重量が重いほど潰れやすい。

あまり表立って問題視されないが、農業に使うトラクターも重量が重い。
こうした大型トラクターが整地した畑は結構滑らかでサラサラの土のように見えることがある。粒子が細かくて見た目はとても綺麗に見えるのだ。
でもこれは、何度も圧することによって団粒構造が壊れていくということではないだろうか。
耕すためにトラクターが入っても、トラクター自身がかなりの重さを持っていて、表面から15cmくらいまでは柔らかくなったとしても、その下は硬い土となっている。粘土化してしまう。野菜も根が深く入らないということになる。
化学肥料などでとりあえずの成長は補われるが、その化学肥料も連投が続けば土を硬くする要素を持つので悪循環となる。
日本の平野はもともと粘土質な土壌が多いので、有機物が入らない農業の先行きも心配なところではある。

人が歩いてもトラクターでも潰れるということは、自動車でも建物でも潰れるということである。
隙間や水分が多い土壌に建物を建てる時には、後々水分が沈んで行ったり圧で隙間が潰れたりして沈下しないように(圧密沈下)、予め対策を施して建設をする必要がある。
昔は畑や水田を宅地に変える場合には、何年か寝かせなければダメと言われた。これは自然に水分が抜けて隙間が潰れるのを待つ時間と言ってよい。だけど寝かせている間に雑草をわさわさ生やしていたら効果は薄くなってしまう。
現在はもっと積極的に土壌改良を行っていくことが多いと思うが、この改良も従来の土壌に盛土しただけではダメで、古い土を取り除いた上で適した土を入れる必要がある。
適した土と言いながら業者が排土(廃土)を投入していないかチェックする必要もありそうだが、現実的にはなかなか難しいのかもしれない。


土とアスファルトの隙間

重量で潰れるということは、土そのものの重さでも潰れてくるということである。
堤防のように土を高く積むということは、それだけ土の重量がかかり、徐々に隙間が潰れる。
土の重さだけでなく、自動車などで余計に圧が掛かれば、尚更潰れやすくなる。土とアスファルトでは圧に対する抵抗力が違うので、同じだけ圧が掛かっても、最初に土が沈む。
この時に問題になるのは、アスファルトなどとの隙間(空洞)である。
これは下記のように、堤防に限らず普通にどこの道路でも起こっている問題であるので、土を盛り上げて作り、その土の重さも加わる堤防は要注意ということになるだろう。
空洞が生じているということは、アスファルトなどにひびが入りやすい。(酷い場合には陥没する)上からも水が入りやすく、横からの水圧にも弱くなる。

堤防天端にアスファルトなどを敷かず、土や植物だけの土手や堤防では、この空洞問題は生じない。万一土が多少沈んだり段差が出来たとしても外から見えやすいが、アスファルトなどを敷いてしまうと酷くなってくるまで見えないだけに、定期的に調査しないと発見が遅れる。

https://www.teretek.jp/case/road_asphalt/
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空洞のリスク

土壌にとって隙間は大事なものであるが、それが空洞と呼ばれるような大きさになってしまうとデメリットになるし、事故だとか災害に繋がってしまいかねない。

アスファルトの下の空洞について、上では堤防を前提にして書いたので、土自体の重さとか自動車による踏圧を問題にしたが、堤防ではなく生活圏では土壌中に埋没されている物体(例えば配管など)が空洞を作る原因(きっかけ)となることが多い。

そして先に述べたように河川敷や堤防ではモグラやオケラやネズミなども空洞を作ることがある。
アスファルトの下に出来た空洞と同様に、空洞があるということは水の引き込みや浸水を助長したり、水圧にも弱くなるので、大雨や増水が著しければ河川敷や堤防を崩すきっかけとなりかねない。


①アスファルトやブロックを敷き詰めた場合
土壌保水力を生かしきれず、土壌を隠してしまうため重量や踏圧による沈下や空洞などの土壌の変化に気が付きにくい。

②土に草を生やすなど自然の環境を維持した場合
有機物が豊富となり、生き物が生息しやすい。このことがモグラなどを寄せ付けることにもなる。

地図や写真で見ただけだけど、千曲川の決壊場所はどちらのリスクも高そうな場所のように感じた。


護岸壁の亀裂

下の図は護岸壁に僅かな亀裂が生じて、そこから土壌が少しずつではあるが水側に繰り返し吸い出されることによって、護岸壁の後ろ側に空洞が生じるという事例である。
堤防の天端や高水敷まで水が上がるということは頻繁にあることではない。
しかしながら水に繰り返し接触する部分(例えば河川敷の低水敷の護岸)ではこのようなことが進行している恐れもある。壁の後ろの支えが無くなっている状態なので、水の勢いや量が増した時には水圧に耐えきれず護岸壁が崩壊しかねない。

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田んぼの横に空洞があったので撮った写真。似ているが2枚は違う場所。
水色の線から下側はコンクリートで用水路となっている。
右側の白い丸は排水口なので、人為的にあらためて土に穴を開ける必要はないはずだから、何か生き物の仕業ではないかなぁと思う。
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by yumimi61 | 2019-11-12 16:52

略奪

👔 9月に電通事件のことを書いた時(2019年9月6日『コンテント』)に、余談としてテレビ朝日のドラマ『警視庁・捜査一課長』について書いた。
(余談だけど、テレビ朝日のドラマ『警視庁・捜査一課長』の捜査一課長も自宅に帰ったと思ったら、電話が来てまたすぐに仕事に戻るというのがお約束パターン。奥さんが用意したご飯も食べずに出て行くが、奥さんは刑事の鏡刑事の妻の鏡みたいに寛容で優しい。完全に時代に逆行した描写であり観ているだけでヒヤヒヤするが、猫とのシーンが和むので結構好きな場面でもある)

先月このドラマのスペシャル版を観た。
いつも寛容で優しい奥さんが珍しく不機嫌なシーンがあった。だけどその不機嫌具合も優しくて、私なんか最初不機嫌だって気が付かなかった。
一課長のセリフで(あ~これは不機嫌ということなのかぁ)と気付いた次第です。

それからこの間は、電話が来て奥さんのご飯も食べずにすぐに仕事に戻るという時代に逆行したシーンがなかった。ご飯を食べてたんです。娘ちゃんの好きだったカレー♡月命日だったのかなぁ?
だけど、スーツの上着も脱がずに、ネクタイも緩めず、絶対にまたすぐに仕事に戻るんだなぁということが一目瞭然だった。完全に臨戦態勢!電話が来なくても仕事にまた行くってことですね(笑)

😻 それで、ご飯を準備している間、ソファで猫におやつをあげていたのね。←『捜査一課長』の話ですよ
私は今年の3月に猫おやつのことを書いた。(2019年3月3日『ひなまつり』)←ここで使った写真はかつてTBSハウジングにあったハウスです。

・たぶん私はあまりCMに誘惑されないタイプだと思うけれど、最近あきらかに術中にはまっていると思われるCMがある。
ちゅ~る、ちゅ~る、ネコちゅ~る のCMである。
それを狙っているのだろうから当たり前と言えば当たり前なんだろうけど、あのネコちゃんたち、何度見ても可愛い。
そしてペットショップに行くとつい「買っちゃおうかなぁ」と心揺れるのである。

・でも未だ買っていない。
何故かと言うと・・・
うちの猫は今のところカリカリ(固形キャットフード)を食べているのだが、以前落ち込んで帰ってきたっぽい時に柔らかい美味しそうなおやつをあげた。
そしたらその後カリカリを出しても、違うにゃん、これじゃないにゃん、この間食べたやつがほしいにゃん、にゃ~んにゃ~ん、とカリカリを拒食するのである。
これではいけない、先が思いやられる、カリカリに戻さなければ。
そこでカリカリにまたたび粉をかけてあげたら、粉だけなめてにゃ~ん。
柔らかい美味しそうなおやつを忘れさせるまでに労力がかったので、そのことを思い出して、ネコちゅ~るを買うのをためらうのだった。

😿 一課長の家はネコちゅ~るじゃなかったんです。ネコちゅ~るに似ているけど違うやつ。(CMの関係で?)
違うやつがあるなんて私は知らなかったんです。ごめんなさい。

🍮 一課長一家はまだ幼さの残る娘さんを病気で亡くしたんです。
その娘ちゃんが好物だったのがカレーとプリン。
私もプリンが好きでよく食べ比べするんですが、先日パンフレットを見ていたら、1個1500円のプリンがあって、1個1500円かぁ~美味しいのかなぁと思っていたら、1個5000円もするプリンがあるとかないとか。

🐝 一昨日の土曜日にはフジテレビの『世にも奇妙な物語』を観ました。
手のひらを太陽にすかしてみれば~真っ赤に流れる僕の血潮~
トンボだってカエルだってミツバチだって~~~♪
……ガクガクブルブル……

🏦 恋の記憶~♪とCMで歌っていたのは宮島素子さん(役名)。
素子!
ある年齢以上の人にとって、素子と言えば伊藤素子さんですよね?
*三和銀行オンライン詐欺事件*
1981年(昭和56年)3月25日に三和銀行茨木支店(現・三菱UFJ銀行茨木支店)の女性行員が、同支店のオンライン端末を不正操作して起こした巨額横領・詐欺事件。 ←女性行員が素子さん。

3月25日という、給与振込日と決算期の重複で入出金チェックが一年で最も甘くなる日を犯行日に選び、1億円以上の金額をたった1日で横領したその手段は、当時の銀行およびコンピューターのチェックシステムの盲点を巧みに突いた事件として世間に大きく騒がれた。女性行員はマニラでの拘束中にマスコミのインタビューに堂々と応じ、その際に発した「好きな人のためにやりました」は当時の流行語になった。また、この事件は若い美人女性による犯行という点でも世間から注目を浴び、服役中は刑務所にファンレターが殺到したという。
後に事件をモデルにした小説や映画、テレビドラマが数々登場した。また、この事件を契機に類似のコンピュータ犯罪が急増したため、1987年(昭和62年)の法改正で電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)が新設された。


💸 素子さんが横領したお金を渡していたのは恋人の南敏之という男性だった。
この南さんは歌手のみなみらんぼうさんの従兄弟なんだそうです。

🎸『ウイスキーの小瓶』


🌈 盗作!? これは提供と言います。



📟 神宮寺から観音寺へ… ほんまに?まつもとじゃなくて? いや、なんでもありません。

👆 白衣観音慈悲の御手(びゃくいかんのんじひのみて)
以下、地形屋の日々の仕事(2010年10月14日)より
昨日,FMを車の中で聞いていたら
高崎のシンボル,白衣観音について面白いことを知りました.
聞いていた番組はこちらから.
残念ながら途中から聞いたのですべてきいたわけではないのですが,心に残ったことは下のことです.

1.白衣観音の正しい読み方
「びゃくいかんのん」ではなく,「びゃくえかんのん」であること.
このブログの読者なら,なぜ間違った言い方で僕が覚えたのかおわかりですね.
上毛かるたのルビのせいです.
聞き手のNHKアナウンサーは,「私はアナウンサーなので, 正しい発音の「びゃくえかんのん」で話します」といっていました.

2.観音様の顔立ちが左右で異なること.
完成間近の時に顔立ちがやや貧相だったので
ほおをふくらせるためコンクリートをつけていたら作業中に雨が降ったので,固まっていないコンクリートが流れてしまい非対称になってしまった.
(晴れてから,なぜ対称につくり直さなかったのは, 話していませんでしたけど)

3.田中角栄元首相が若い頃, 高崎観音を建設した井上工業の東京事務所の住み込み見習いをしていたこと.
そのとき,観音の見本模型を設計者から受け取って, 自転車の荷台にそれをくくり, 東京事務所まで運んできたということ.
井上工業で田中角栄が働いていたことは知っていましたが,高崎観音の設立にも関係があるとは知りませんでした.
ちなみに井上工業は倒産してしまいましたけど, 群馬音楽センターも井上工業が施行したものです.
聞いていたのはNHK前橋放送局ですね。
1.「びゃくえ」が一般的なんでしょうけど、「びゃくい」でも間違いとは言えないのでは?それとも誤用が広まって市民権を得たというやつでしょうか?
2.ハチに刺された!?

× 隠語大辞典 皓星社
白衣  読み方:ひゃくえ,びゃくえ 
1.処分ノ寛大ナルヲ意味ス。〔第四類 言語動作〕
2.処分の寛大なることをいふ。白衣観音の慈悲から来た語である。〔犯罪語〕
3.犯罪語にて処分の寛大なることをいふ。白衣観音の慈悲から来た語である。
4.〔隠〕犯罪語で処分の寛大なこと。白衣観音の慈悲からきた語。
5.〔犯〕処分の寛大なこと、白衣観音の慈悲から出た語。
6.処分の寛大なことをいう。〔一般犯罪〕
7.処分の寛大なことをいう。
分類: 犯罪、犯罪者、犯罪語
隠語大辞典は、明治以降の隠語解説文献や辞典、関係記事などをオリジナルのまま収録しているため、不適切な項目が含れていることもあります。ご了承くださいませ。


👻 神呪寺(かんのうじ)なら知ってる?
兵庫県西宮市甲山山麓にある真言宗御室派別格本山の寺院。通称甲山大師(かぶとやまだいし)と呼ばれる。寺号の「神呪寺」は、「神を呪う」という意味ではなく、甲山を神の山とする信仰があり、この寺を神の寺(かんのじ)としたことによるという。なお、「神呪」(じんしゅ)とは、呪文、マントラ、真言とほぼ同義で、仏の真の言葉という意味がある。開山当時の名称は「摩尼山・神呪寺(しんじゅじ)」であり、「感応寺」という別称もあったようだ。

鶴舞う形の群馬県、繭と生糸は日本一。
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井上工業で思い出した井上薬局の写真。数年前に撮ったものだけど、この時は閉まっているだけで、こちらは倒産したわけではありません。
右側の看板には折り鶴マークとともに「群馬県産の繭を使用した液体石鹸」と書いてあります。井上薬局から始まった「折り鶴」(HP)という前橋の薬局グループ会社。繭石鹸の説明はコチラ
手を洗いなさい!?


(*´ー`*) 宮島素子さんが出演し、恋の記憶~♪を歌っていたのは、青森の地酒「琴條」のCM。
「琴條」は「きんじょう」と読むんですよね?
漢字が違うけど、「きんじょう」と言えば、今上天皇の今上(きんじょう)がありますよね。
今上天皇(きんじょう てんのう)は、その時々における在位中の天皇を指す言葉。
「今」の「上(上様)」の意をもって呼ばれる「今上(きんじょう)」はそれだけでその時代における皇帝や天皇を指す語として成立したが、「天皇」と繋げれば日本独自の名称となる。
「陛下(へいか)」と繋げて「今上陛下」と呼ぶ例は、大正時代から確認できる。


それで問題あるんじゃないかなぁと思うのは、「上皇」という呼称です。
在位中の天皇が「今上」なのに、退位した人が同じ「上」という文字を使うのは不味くありませんか?
・今
上皇





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by yumimi61 | 2019-11-11 17:10

混水摸魚(16)

千曲川の決壊付近の写真地図↓(赤い所が決壊場所)
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赤い線を引いた部分を含め縦に走っているのが堤防の上の道。
決壊場所は傾斜が付いており確かに堤防のようになっていたが、道沿いにずっとそのような状態になっているのかは上空からの写真ではよく分からない。
決壊場所の傾斜斜面は芝だか草が生えていたが、この写真を見る限り、そうでない場所もありそうなのだ。
ともかく河川敷(高水敷)にはかなり土らしきものを認めることができ、パッチワーク状(格子状)になっているので畑のように見える。


もう少し決壊場所に近づいてみる↓
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決壊場所は、いかにも土手というか堤防っぽい場所なのである。
その斜面に植えられている芝生(草)の緑は上空からでもわりと目立つ。

決壊場所はこれだけの傾斜がある↓
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もっと近づいてみると、どうやら緑の所全部が堤防の斜面ということではないようだ。
この幅であれば、地図に載せた範囲はずっと堤防が続いていると思われる。
決壊場所の堤防手前の緑は何だろうか?
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左右同じ写真で、右側で青い線を引いたところが河川敷で冠水した箇所↓
決壊場所の手前左(白い部分)は青線の所ほどは冠水をしていない。
冠水はしているが他より背の高い木が多くある場所で、上空からはそう見えるだけかもしれない。
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上下が反対であるが、白丸の部分が上の白い部分にあたる。
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これは前にも書いたけれど、決壊した場所は道路が重なっている箇所でもある。
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堤防上部の道は一般の車は走れず、堤防や河川の管理関係車両だけは進入可という堤防は結構知っていて、通常上(堤防天端)は車が走ることを禁止しているものかと思ったら一般道になっている所もあるらしい。
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by yumimi61 | 2019-11-08 16:32

混水摸魚(15)

吸収力と結実

若木を植えた時、その木はまず根を伸ばすことに力を注ぎ、次に幹や枝を太くしたり伸ばすことにエネルギーを使う。
花や実にエネルギーが使われるのはその後なので、数年は思ったほど開花しないとか実がならないといったことはよくあること。
もっとも自然のサイクルの中で、若木でも花や実を付けることも普通にあることではある。
しかし木を枯らさずに早く成長させたければ、最初の数年、少なくとも植えた年は花を咲かせたり実を生らすべきではないという栽培方法もよくレクチャーされることである。

木を成長させるには栄養や水分が必要で、それらが十分に適切に存在する場所ほど成長しやすいのが一般的。
また吸肥力や吸水力が強い植物ほど旺盛に吸収していくので成長が早いし、その吸収力ゆえに多少痩せ地でも適応できる。

前回書いたようにサクラは広葉樹の中でも成長が早い。中でもソメイヨシノは最も早く大きく成長する品種。
つまりサクラは吸肥力や吸水力が強い木である。
肥沃な土地に植えればどんどん育つし、痩せ地でもその吸収力の強さで逞しく育っていく。
但しサクラが吸収するばかりで、土壌に栄養や腐葉土などの供給がされない場合には、その土地は痩せていく一方となり、成長や樹勢はいずれ頭打ちになるだろうことが推測される。


サクラは、バラ科モモ亜科スモモ属。
日本のソメイヨシノはもっぱら観賞用だが、サクラは果樹という側面も持つ樹木である。
果樹を商売として栽培する場合には、摘花や摘果を行って、全ての蕾を咲かせたり、全ての実を生らしたりはしない。
エネルギーが分散されすぎて、果実が大きくならないからだし、翌年の成長にも響く。
素人が果樹を育てている場合には、一年おきに豊作不作となることがよくある。豊作にしてしまうと、翌年はエネルギー不足になって実が余り付かないのだ。プロはこれをコントロールする。

サクラはバラ科だけけれども、薔薇(バラ)もその名の通りバラ科である。
販売されているバラ苗はやはりほとんど接ぎ木という栄養繁殖を行っている。挿し木でも可能。
品種改良に携わっている人以外は実生で育てることはほとんどない。
そのバラも植えた年は花を咲かせないほうが良いと言われているし、花が終わったら全て咲きがらをカット(花がら摘み)して、実を付けないようにする。実を付けると樹勢が落ちるからである。
但し野生に自生する野バラはたわわに花を咲かせ実を付けても樹勢はほとんど衰えない。
種を付けると開花が長持ちしなかったり、樹勢が落ちるいというのは全ての植物に言えることで、開花期が非常に長いパンジーやビオラなども花がら摘みを行うほうが良いのである。

ソメイヨシノも吸収力が強いにも関わらず、クローンであるため最初から結実しない木である。
結実というのは相当エネルギーを使うものなので、これがないということはその分、木の成長や開花にエネルギーを使えるということになる。
だからあんなに花を咲かせることが可能なのだろうし、多少痩せ地でも育っていくのだろうと思う。


適している理由

【花見に適している理由】
🌸 サクラは吸肥力が強く、早く大きく育つ性質を持つため、土壌の肥料管理など比較的楽で、若いうちから見栄えが良くなる。
🌸 ソメイヨシノはクローンであり結実しないため、そのエネルギーが開花に使え、花数が多くなり華やかである。またクローンであり木による差異が出にくいので同じ場所の木が一斉に咲き見ごたえがある。

【川沿いに適している理由】
🌸 比較的水を必要とし吸水力もあるので、水がそばにあることは好都合。
🌸 吸肥力も強いのでとりあえず痩せ地でも成長が可能。(但し土壌に腐葉土などの供給が無い場合には限界がある)

【水害予防になるとしたら】
⛲吸水力がある大きな木が川沿いにずらりと並んでいれば、全くない状態の時よりは水を吸収できる。
⛲木があるということは根が張るという事。川沿いに並木があるということは根を張り巡らせた状態となるので、土が崩れにくい。(これはソメイヨシノに限ったことではないが、ソメイヨシノは成長が早いという特徴あり効果が早く出やすい)(山の場合は傾斜、木や根の状態によって、根張りが却って土砂崩れに繋がることもあるが、川の土手くらいの高さならばそういう心配もあまりない)
⛲根が適切に張っている状態の土壌は保水力もある。(根には根詰まりとか根腐れとかデメリットにもなる問題も生じかねないので差が大きいかもしれない)

【問題点】
●川沿いに落葉樹を植えると、落ち葉や折れた枝、花びらなどが川に落ちてしまう。
これもソメイヨシノに限ったことではない。しかしソメイヨシノは大きく成長しやすく花数も多いので、沢山の花びらと葉を落としやすい。それが同じ場所に連なって植えられるとなると、自ずと落下物も多くなる。

→落下物が水門や橋脚などにひっかかったり、溜まったりする。

→落ち葉などがやがて川底に沈む。
落ち葉などは有機物である。川底に堆積した有機物も陸上と同様に微生物などにより徐々に分解されるが、この時に酸素を消費する。
留まって淀んだ水には酸素がないが、流れている水には酸素が溶け込んでいるので、川の水は酸素を含む。
但し堆積した有機物が多くて、川の上層から下層への酸素供給が追い付かない場合には酸素が無くなってしまい、ヘドロ(有機物などを多く含む泥)となる。
川底のヘドロ化は川底から地下に水が浸み込んでいくのを妨げてしまう。
すなわち、ヘドロで川底を上げて、浸み込む水は減るという状態を引き起こしやすい。
(ため池や湖や海に流れ着いた有機物はそこでも同様の問題を引き起こす)

●桜のお花見などで大勢の人が川沿いの土を踏むことがあれば、踏圧で土壌にも桜にも悪影響を与えてしまう。
桜が植えてある土壌を踏み固めることは、桜が川沿いに適している理由も、水害予防になる可能性も潰してしまう結果になる。


浸食と堆積、そして浚渫工事

川の上流にダムが建設されて以降、ダムが土砂を堰き止めてしまい、川が自然に土砂を運んでいくのを妨げてしまっているという側面があり、一般的には川底や海岸線の浸食が問題にされている(川底なら削られて従来よりも低くなるということ)。確かに大きく見ればそうした問題が存在している。

しかし上記のように有機物の堆積の問題があったり、ダムが土砂を堰き止めることで却ってダムより下の地域の川岸を崩してしまい、その土砂が川に流れ込むということも発生していたり、河川敷の利用の仕方如何によっては増水(洪水)時に土や砂が川に流出してしまうこともあるだろうと思う。(このことは後にもう少し説明を加えたいと思っている)

つまり、いつでもどこでも川底が低くなっているとは限らないし、特に大雨が降った時には、土砂が一緒に流れていることは川の水の色で一目瞭然。
流れが緩くなった所や雨が降りやんだ後などには、そうした土砂が川底に沈んでゆく。そうすれば川底は通常より上がる。

東京都板橋区辺りを流れる荒川(笹目橋から戸田橋くらいまで)と、その部分で荒川と並行して流れる新河岸川のどちらかよく分からないけれど、今年の秋の台風前に浚渫工事をしていたらしい。
浚渫工事とは河川や運河などの底面を浚って土砂などを取り去る工事である。
船の航路になっていたり船の航行に利用される場合には尚のこと川の深さには注意が必要である。
都内では隅田川とか荒川とか、新河岸川もそうだけれど航路として使われているので、定期的に浚渫工事は行われているのだろうと思う。
それはとりもなおさず、川底には堆積するものがあるということでもある。


川沿いの土

川岸、川沿いの土手・堤防、河川敷など川の横の部分は、出来れば土の剥き出しは避けたいところである。
何故かと言えば、土は水によってわりと簡単に崩されたり削られたり、運ばれたりしてしまうからである。
そういうことが起きれば、川岸の土砂崩れ、土手や堤防の決壊、土砂の堆積による河川洪水や氾濫などに繋がる恐れがある。

土を剥きだしにしないためには、石を積み重ねる、波消しブロックを置く、斜面を護岸ブロックで覆う、芝生を張る、木々や植物(雑草含む)を生やしておくなどの方法がある。
現在では大抵どこもいずれかの方法、あるいはそれらを組み合わせた方法が採られている。

但し河川敷の高水敷の部分でグラウンドとして使用されている所は、芝生ではなくて土が剥き出しの所もあるかもしれない。
地図写真で見た千曲川の決壊した辺りの河川敷は畑として使われていたようで、土がむき出しな所が幾つもあった。
土が剥き出しな所に川の流れが入れば、当然上層の砂や土は流されてしまう。
それが運ばれて他で堆積し、川底や川の横側(河川敷部分)を上げる原因になる。





by yumimi61 | 2019-11-07 16:27

混水摸魚(14)

179.png川沿いの土手の桜の豆知識の嘘(誤報)

前記事の終わりがサクラの話だったので、今日も引き続きサクラの話をしたいと思います。

その前に、少し前にモグラやオケラやネズミが土手に穴を開けるという話を書きましたが、今年の春に私が体験したモグラ被害のことを書いています。2019年4月22日『耕起と不耕起』

その記事の最後にこう書いたのだった。
河川敷の土手を踏み固めると水害が予防できるというようなことが言われているが、同じ不耕起でも踏み固めるということは透水性や通気性などが悪くなってしまうので、むしろ害になりやすい。

実はこの記述、「川沿いに桜が沢山あるのは、花見客を呼び込んで、水害予防のために土手(堤防)を踏み固めてもらうためである」という説が念頭にあった。
毎年桜の季節になると、このような豆知識がテレビなどで紹介されている。今年の春も何度か聞いた。ネットで調べても桜並木のように同じような文章がずらりと並んでいる。

ウェザーニュース 2018年3月13日
川に沿ってどこまでも続く桜並木は圧巻ですが、そもそもなぜ川沿いに多いのでしょう。
江戸時代の頃は、大雨が降ると川が氾濫しやすく、土手が決壊することもしばしば。
今のようにインフラ整備が整っていなかった時代の人は、どうすれば土手が決壊しないのか懸命に考えました。
「ローコストで効率よく土手を強化するには…?」
そこで白羽の矢が立ったのは、なんとお花見でした。
土手に桜を植えれば、毎年多くの人が花見に訪れて、自然と土手を踏み固めてくれるに違いない!
そうした先人の知恵から、川沿いには桜が多く植えられるようになりました。


「川沿いの桜は水害予防」という豆知識にはたいてい江戸時代が登場する。
しかしソメイヨシノは江戸時代にはまだ誕生していない。
だから川沿いのソメイヨシノと江戸時代は全く関係ない。

ソメイヨシノ
江戸時代末期から明治初期に、江戸の染井村に集落を作っていた造園師や植木職人達によって育成された。
葉より先に花が咲き開花が華やかであることや若木から花を咲かす特性が好まれ、明治以来徐々に広まった。さらに、第二次世界大戦後、若木から花を咲かせるソメイヨシノは爆発的な勢いで植樹され、日本で最も一般的な桜となった


日刊サン 2018年3月26日
奈良時代から続く春の楽しみ 桜と花見の歴史 
(一部抜粋)

お花見の歴史
さくらの「さ」は山の神(田の神)、「くら」は神さまの座るところを意味するといわれ、本来の花見は、祓いのための宗教行事だったと考えられています。桜の開花は山の神が桜の木を依代として降りて来た合図とされ、その木の下で神様に料理とお酒を備え、人間も一緒に食事をしながら春の訪れに感謝するという意味があったようです。

奈良〜平安時代(710〜1185) ―梅の花見から桜の花見へ―
奈良時代、貴族の間では、その頃中国から伝わったばかりの梅を鑑賞する花見の習慣がありました。平安時代に入り、日本独自の国風文化が盛んになるとともに、花見で鑑賞する花は徐々に桜へ変わっていきました。  飛鳥時代から奈良時代に編纂された『万葉集』では、桜を詠んだ歌が43首、梅を詠んだ歌が約110首が収められていますが、平安時代に編纂された『古今和歌集』では、桜の歌が70首、梅の歌が18首と首位交代しています。

【天皇主催の恒例行事に】
831年から、桜の花見は宮中で天皇が主催する恒例の行事となりました。また、貴族の家の庭に桜の木が植えられるようになり、『作庭記』には「庭には花(桜)の木を植えるべし」と記されています。現代も花見の名所となっている京都市東山エリアの桜も、この頃に植えられたと言われています。

【江戸時代も桜の名所だった上野公園】
江戸時代、花見の習慣は庶民にも広まっていきました。この時代、江戸で最も有名だった花見の名所は、今も名所となっている上野公園で、当時は忍岡(しのぶがおか)と呼ばれていました。1625年(寛永2年)、津藩藤堂家の下屋敷があった忍岡に寛永寺が建立され、初代住職の天海は、寺の境内に京都の吉野山の山桜の苗木を移植しました。その山桜がうまく開花した1660年頃から、寛永寺は美しい山桜で有名なスポットとなり、元禄期(1688〜1704)には桜の名所として定着しました。

【桜の新名所、飛鳥山と隅田川堤】
1720年、徳川吉宗は、王子の飛鳥山や浅草の隅田川堤に桜を植え、桜の新名所として庶民を誘致しました。その理由の一つに、庶民たちを寛永寺から遠ざけるためということがありました。またこの頃、「生類憐みの令」で一時的に中止されていた鷹狩りが復活したのですが、鷹場に近い田畑が人々に踏み荒らされるという被害が出てしまいました。そこで、農民たちの収入源となるよう、鷹場に桜の木を植えて新名所にし、花見客を誘致しました。これが、今も名所となっている飛鳥山の桜の始まりです。

明治時代以降(1868〜) ―全国に広まった荒川堤の桜―
明治時代に入ると、日清戦争、日露戦争が起こり、貴族の庭園や武家屋敷は次々と取り壊され、植えられていた桜も焚き木などの燃料にされてしまいました。これにより、江戸時代に改良された多くの種類の桜が激減したものの、駒込の植木職人だった高木孫右衛門が、84種の桜を集めて自宅の庭に移植し保存しました。1886年に孫右衛門が助言しながら造られた荒川堤の桜並木は、1910年頃に花見の新名所として定着しました。78種の桜が植えられた荒川の桜は、各地の研究施設に移植されて品種の保存が行なわれました。これが全国へ広がり、今に至ります。また、1912年には、日米友好の証として荒川の桜の苗木3000本がワシントンに贈られ、ポトマック川の河畔に植えられました。


昔から桜はあった。但しそれは現在日本中で見られるソメイヨシノではない。よってあのような咲き方はしないし、品種によって開花期もだいぶ違ってくる。
川沿いに植えられた理由として考えられるのは、上の「明治時代以降(1868~)」というところの記述にヒントがあるように思う。
川沿いに植えておけば、木材や木材燃料として使う場合に運搬に楽だからだろう。
現に運河沿いには木材工場をはじめ金属や機械などの中小工場や倉庫が作られていた。


戦争と桜179.png

毎年3月下旬には今日か今日かと大騒ぎしている桜の開花。東京のソメイヨシノの開花標本木は靖国神社にある。
標本木だけでなく靖国神社には沢山桜の木があるわけだが、靖国神社は明治2年(1869年)に建てられた東京招魂社が始まりで、明治12年(1879年)に「靖国神社」と改称された。桜もそれ以降に植えられたものであろう。
靖国神社は明治維新後の戦死者が祀られている。非常に戦争に近い神社である。わざわざそこをソメイヨシノの開花基準にしているわけだ。
皇居の北西側のお堀である千鳥ヶ淵付近も桜の名所となっている。千鳥ヶ淵戦没所墓苑もある。ここに桜が植えられたのも明治期以降である。


産経デジタル 2019年5月31日
桜にまでイチャモン、難癖! 桜と戦争を結びつけ…ならば、なぜ題字に使い続けるのか


【朝日新聞研究】
 3月30日夕刊、第一社会面トップに、井の頭公園のカラー写真とともに、桜のアイコンが目に飛び込んできた。時節柄のどかな風物詩調の記事かと思ったが、そうではなかった。桜に対して、イチャモン・難癖をつける体の記事であった。

 まず、井の頭公園で花見をしていた人の声が述べられ、次いで桜の歴史の話となり、江戸時代から花見はあるが、明治までは桜は特別な花ではなかったという。
 それが大正から別格になったと、『桜が創った「日本」』(岩波新書)の著者である、佐藤俊樹・東大教授の説が紹介される。それはソメイヨシノの全国的な拡大と、学校・官庁・会社における卒業や入学・入社の時期が一致して、桜が「出会いや別れ」の象徴となったという。

 それはそうかもしれないが、解釈の仕方がかなり“異様”である。

 つまり、「全国で一様に咲くさまは、欧米列強に対抗するのに必要な中央集権的な国家像、同質的な国民像とも結びついた」と言うのである。それに続いて、「一斉に散る桜は、昭和に入るとさらに意味づけされる。軍歌『同期の桜』は『みごと散りましょ 国のため』と歌い、滑空して敵に体当たりする特攻兵器は「桜花」と名付けられた」と解説する。

桜と特攻と言えば、5月14日、「若い世代こう思う」欄に、鹿児島県・知覧の特攻資料館「ホタル館富屋食堂」館長の鳥浜明久さんによる「特攻と桜 裏の真実」と題する文が載っている。
 明久さんは、「特攻の母」と呼ばれた鳥浜トメさんの孫らしい。まず、冒頭に「散り際の鮮やかな桜にたとえられることの多い特攻隊。知覧で撮影された写真にも、女学生たちが桜の小枝を振って隊員を見送る姿が残されています。私の叔母もその中の一人でした」とある。ただし、写真は宣伝用に一度撮られただけで、それが繰り返し使われているのだという。

 つまり、この2つの記事はともに、戦争にまつわる桜の忌まわしい歴史を述べているわけである。

 ところで、朝日新聞の社旗には、異なった2つのデザインがある。それは旭日の方向が、左向きと右向きと2様あることである。つまり西日本と東日本と、区別して使われているわけである。戦争中まで、「東京朝日」と「大阪朝日」が分立していた時代を、反映したものであろう。
 それと同じように、朝日新聞の題字のバックの模様も、2つのタイプがある。西日本版が難波の葦(あし)であるのに対して、東日本版は言うまでもなく桜である。
 桜が忌まわしい歴史を持つというのなら、平和主義の朝日新聞が、なぜ使い続けるのであろうか。

 ■酒井信彦 元東京大学教授。1943年、神奈川県生まれ。著書に『虐日偽善に狂う朝日新聞』(日新報道)など。


私も桜と戦争を結びつけたけど、朝日グループは確かに矛盾が多いところがある。朝日に限らない? 
でも上の朝日新聞の解釈は全然異様ではないと思う。
戦争と桜が関係なければ、どうして川沿いの桜は’江戸時代から’とか’水害予防のため’とか嘘の情報を垂れ流す必要があるのだろうか、と私は思う。


171.pngスギとソメイヨシノの共通点

ソメイヨシノは明治以来徐々に広まった。その中心にあったのは明治期以降の皇室である。
そして爆発的な勢いで桜が植えられたのは、実際に戦争を行った明治時代や日中戦争や太平洋戦争に向かう昭和前半ではなく、戦争が終わった後だった。

スギが全国に大量に植えられたのも戦後、ソメイヨシノが全国に大量に植えられたのも戦後。どちらも全て挿し木で作ったクローンというのも特徴的である。

敗戦後も天皇や皇室は変わらずに維持され、靖国神社も存続している。
桜は日本中に植えられ、法律で制定されているわけではないが、日本を象徴する花として皇室の紋章であるキクとサクラが国花とみなされている。

ソメイヨシノの植栽が著しかったのは、第二次世界大戦後と1964東京オリンピック前であり、昭和20~30年代(1940代後半〜1960年代前半)。
スギの植栽が著しかったのは、昭和30~50年代(1960~1980年代)。
ソメイヨシノは主に平野部や平坦な場所に、スギは山に植えられた。

明治時代や戦後すぐに植えられたソメイヨシノは高度経済成長期における乱開発、公害、社会環境や生活環境の大きな変化によって、実は全国的に一旦衰退しかけていた。
それを再興するきっかけとなったのが1964東京オリンピックだった。
だから現在花を咲かすソメイヨシノの多くは、東京オリンピック生まれと言ってよい。


171.pngソメイヨシノとスギの寿命!?

1964東京オリンピック前に植栽されたソメイヨシノは現在樹齢60年弱くらいである。
ソメイヨシノの寿命は50~60年ということがよく言われているが(以前は30~40年と言われていたことも)、サクラの寿命はそんなに短くはない。但し「ソメイヨシノ」は明治時代に生まれた新しい品種であるため文献やデータがあるわけでもない。
でも一般的に考えれば、ソメイヨシノだけがそんなに短命であるとは思えない。
1964年から50~60年後とすれば、2014~2024年である。

先日私はスギは40~50年で木材として使えるようになると書いたが、これは寿命ではない。国を挙げて人工林を造成した際に想定された伐採期の樹齢である。
盛んに植栽されたのが1960~1980年代だから、想定通りに育っていれば2000~2030年が伐採期にあたる。(この時期に再び戦争でもしようと思っていたんだろうか?それとも次なる戦争の戦後がそれくらいと睨んでいたのか)
スギという植物はもともと長寿である。品種や環境によっては数千年の寿命を有するものもあるとされている。
スギにとって40~50年という樹齢は、若齢期から成熟期にさしかかるくらいの段階である。


179.pngサクラの秘密

サクラは広葉樹の中でも成長が早いことで有名。あっという間に巨木になる。
中でもソメイヨシノは最も早く大きく成長する品種だと言う。
だけどソメイヨシノは明治時代に誕生した品種なので、ソメイヨシノが樹齢300年と誰かが言ったらそれは嘘(間違い)である。
ソメイヨシノでないサクラであっても、樹齢300年と喧伝されているサクラだったのに、「あれはオレが植えた桜じゃ」とかおじいちゃんが言い出したりすることもあったりするかもしれない。
孫「え?おじいちゃん幾つだっけ?」
じい「今年で90歳」
孫「おばあちゃ~ん、おじいちゃんがボケちゃったよぉぉぉ」
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踏み固めること171.png

サクラはスギと違って、横に枝を大きく張っていく広葉樹である。よって浅根性。
お花見などでサクラの根が張っている土を踏み固めてしまう環境がサクラにとっては最悪なのだ。
幹の根本だけに乗らなければ良いという話ではない。根は枝が広がるのと同じくらいに広がっていると考えるべきである。
そこに踏圧がかかる。これが深刻な問題となっており、だからこそソメイヨシノの寿命は短いと言われているのかもしれない。

造園業界ではサクラの踏圧害は有名である。
土壌の隙間を上からの踏圧で潰してしまうので、上の方の土壌まで硬くなってしまう。
そうすると酸素も水分も入りにくい。根は窒息気味になる。苦しくて根が土よりも上に出てくることもある。
本来柔らかい土壌で活躍する側根(細根)も硬い土壌では伸びていきにくく栄養分も吸収しにくい。肥沃な土を作るのに欠かせない微生物の働きも弱くなる。
傷ついた根は病気を引き起こしやすい。

上記のような理由から近年ではソメイヨシノの衰退は始まっていて、お花見が行われるような場所のソメイヨシノがあと何十年も持つことはないだろうと言われている。

土壌的にも保水力が落ちることは望ましくない。特に川沿いにある土に保水力がないというのは看過できない。


177.png次回も川沿いの土手(堤防)についてです。







by yumimi61 | 2019-11-05 17:58

混水摸魚(13)

矛盾した特性!?

昨日の記事に載せた写真のルピナスは、あまり暑すぎずない場所で、且つよく日光があたる所ならば、土を選ばず勝手に広がり群生するほど強い植物。
だけど栽培しようと思うと意外にかなり難しいのである。

何故かと言うと、、、
①直播きでは発芽率がとても悪い。
こぼれ種でどんどん広がるというのに、人間が種を買ったり採種しておいたものを土に直接蒔くと発芽率は相当低くなる。
考えられる理由としては、種を保存している間の種自体の劣化、蒔いた土壌や気候が発芽に適していない、こぼれ種も蒔いた種も発芽率はそう変わらないが蒔かれる種の数が大きく違うといったところだろうか。

②直播きではなくてセル成形トレイやポットなどに種まきして管理する方法は、ある程度知識が必要で手間がかかる。
ルピナスの種は硬く、一斉に蒔いても発芽するタイミングが種によってかなり違う。種に傷を入れるとか蒔く前に種に十分に水分を吸収させて発芽率を上げるという方法もあるが、ひとつ間違うと逆効果となり却ってダメにしかねない。
また通常は庭や畑、あるいは鉢などに定植する前に、成長に合わせてセル→ビニールポットへの植え替えが必要となるが、これも手間だし材料が必要だし置き場所も取るし、細心の注意が必要になるのでハードルが高くなる。

③種を蒔く時期が秋。
ルピナスも種類が沢山あるが、一般的なルピナスは毎年春に開花する宿根草である。
人為的に種を蒔く時期は前年の夏の終わりか秋頃が適している。
ということは、その年の冬を幼苗で越えなければならないということになる。
ルピナスは基本的には耐寒性のある植物であるが幼苗の状態の時にはなかなか難しい。よほど気候に恵まれている場所(恵まれた年)か、春先まで定植せずにポットで管理する必要がある。

④移植を嫌う植物である。
直播きすると相当発芽率が悪いが、一方で移植を大の苦手とする植物で、よほど気を付けて定植(移植)しないと、せっかく冬越しして定植しても、この段階で枯れることが多い。

⑤水分不足と高温多湿に弱い。
勝手に群生しているルピナスには水やりなんて全く必要ないが、ポット苗を定植後や栽培場所を移動する移植後には水やりをして、葉を萎らせないようにしないと活着しない。
一方、活着後に多湿な状態になると根腐れを起こしやすい。高温にも弱い。

⑥思ったように咲かない。
秋に蒔いて、冬越しして、春先に定植して、春に開花したとしても、最初の開花は十分とは言えないものがある。そうなると「苦労の割には・・」と思う人も少なくなく、花が終われば管理の手から外れてしまいがちとなるが、そこに高温多湿な夏がやってくるので、結果枯らしてしまう。


自分で種まきからしようと思えば、上の全部が関係あるが、苗を買って植えるのであれば、①~③は直接関係なくなる。実際にルピナスも苗が販売されていたりもするが、その場合には①~③はプロ(育苗業者)が行うところである。
ということで、ルピナス栽培の最大の難所は④、次いで⑤といった感じになる。


ルピナスは直根性
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直根性とは左のような根のタイプのことを言う。
根があまり枝分かれすることないため根の数が少なく、太い根が真っ直ぐに下(地中深く)に伸びていく性質を持つ。よって深根性とも言う。
真ん中の太い根が主根であり、これは種から最初に出た根である。養分を吸収するのはこの根ではなくで側根(細根)。
直根性の植物は、主根を少しでも傷めてしまうと植物へのダメージが非常に大きくなり、活着することが難しくなる。

右側は浅根性タイプの根。側根(細根)が沢山あり、根は下ではなく横に張っていく。

ルピナスがまとまって咲いていると目を引いて綺麗なので、開花期には欲しがる人も少なくない。
園芸にあまり詳しくない人だとどうしても開花期に欲しがるが、開花するということはそれなりの大きさになっている。ということは、根もそれなりに伸びている。だから主根を傷つけないで掘り上げるということが難しい。また植物は開花にエネルギーを使っているため、余計に活着しにくい時期である。
掘り上げて誰かにあげるなら、花が咲いていない比較的小さい苗の時に、土を付けたままポットや鉢にあげてやる必要がある。

母はいろいろな人に掘り上げてあげた経験があるらしいが、活着して後々まで咲いていたという家は皆無だったらしい。
だいぶ前に私も貰ったことがあるが、やっぱり活着しなかった。園芸が得意な伯母でもダメだったというから、本当に移植が難しい植物なんだと思う。
但し私が昨年の花後に実家内で移動させたものは大きな苗でも活着したものがあった。
来年春に同じ場所で芽が出れば移植成功だがまだ分からない。


直根性の植物

ルピナスはマメ科だが、マメ科の植物は直根性なので、スイートピーもそうである。
ケシ科の植物も直根性である。昨日写真を載せたナガミヒナゲシもそうだし、ポピーも、ハナビシソウも直根性。
タンポポも直根性。直根性の雑草は結構ある。
野菜で言えば、ニンジン、ダイコン、ゴボウなどが直根性。私達は主根を食べるわけである。
チューリップやヒヤシンスも直根性である。水栽培をしてみると根がいっぱい出てくるので直根性には思えないかもしれないが、枝分かれしない比較的太い値が何本も出ているのであって、細根はほとんどない。

国営ひたち海浜公園の春の「みはらしの丘」はネモフィラ畑になるが、ネモフィラも直根性。あそこは苗を植えているのではなくて、種を蒔き、霜よけのためのシートを掛けて越冬させている。秋にはコスモスやコキア(ホウキグサ)に変わる。どれも土壌を選ばず、こぼれ種でも育つ強健な外来植物であるが、ネモフィラもコスモスもコキアも一年草である。

直根性の植物で、地中深くに根を伸ばしたものは、引っ張って抜こうとしても簡単には抜けない。力任せに引っ張っても根の力に負けて途中で根が切れて抜けてくることがある。どれも移植は苦手なので、直播きが基本である。

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上の絵にはポットや鉢で成長させた時の根を書き入れて見た。

直根性の場合には主根が下の方でとぐろを巻く。直根性の植物は主根が命なので、ここが下に伸びないと成長しにくく、いずれは根詰まりを起こして枯れてしまう。

右側の浅根性のものは細かい根が全体にびっしりと充満する。特に下部や側面には密集する。強い植物に素焼きの鉢といった組み合わせの場合には素焼きの細かな隙間に細根が入り込んでへばり付くような感じにさえなるくらいに。これは根詰まり状態とも言えて、水はけや通気性が悪くなり、生育にも影響してくる。
但しこちらは植え替えの時に密集している部分の根をほぐしたり、思い切って少しカットしてもそれが原因で枯れてしまうということはない。むしろカットしたほうが根が伸びていきやすくなる。


直根が重要な針葉樹

草花の場合にはもともと樹木ほど大きくならない。だから直根性にしても浅根性にしても、根は樹木ほどは下に伸びないし広がらない。
樹木の場合はもっと大きくなる性質を持つ。
だから樹木を育てて販売する場合などには、根の扱いが問題になる。
直根を切ってしまうと直根の再生は無理である。上部の側根だけで一生生きて行くことになる。
側根は土壌上部の比較的柔らかい部分の土の栄養を吸収する役割を持っているので下深くには伸びて行かないのである。
だから直根を下に伸ばしたまま販売したり移植した方が良いが、それには深い鉢などが必要である。また移植先も見合っただけ深い穴を掘らなければならない。
根が剥き出しのまま移動(輸送)させれば傷んだり切れたり乾燥して枯れてしまいかねない。
根を切らないである程度の大きさまで育ててから移植するとなると、根を何かで覆う必要があり、とぐろを巻かせるしかなくなるが、そのまま植えた場合にはもう下に向かって直根は伸びていかないことが多いという。
横に広がらず上に真直に伸びる性質が強い樹木は、根も直根が下の方の硬い土壌にまで伸びないと倒れやすかったり土砂崩れに繋がりやすくなる。

なんでこんな話をしてきたかと言うと、スギなど針葉樹は直根を下に深く伸ばさなければ、成長も悪くなるし、災害などに繋がりやすくなるということが言いたかったから。
天然林では移植することがないので根が下に伸びていく。樹木を一斉に入れ替えるわけでもないので自然淘汰などがあり間隔なども適切になる。
人為的に作った林はなかなかそのようにはいかないものである。


挿し木では直根が出ない

人工林は種から造られるわけではない。
苗木を作ってから植栽するのだが、どうやって苗木を作るのかと言うと、これまた種を蒔く(実生)のではないのである。
枝を挿し木して苗木を作る。いわば栄養繁殖させる。いわゆるクローンである。
挿し木の場合、実生と違って直根が出ないのが特徴となる。なにせ元が枝なので。

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直根がないのが分かる。
上記ページでは、これまではスギやヒノキの植栽には根が剥き出しの裸苗(右側の2本が裸苗)が使われており、植栽時期も春か秋に限られていたが、’新しい技術’のコンテナ苗はどうだろうかという話で、今のところコンテナ苗(左側の2本)について多くは分かっておらず(国内では事例や情報がなく)、これから分析比較などする必要があるとしている。

 コンテナ苗(Containerized seedlings)は、マルチキャビティコンテナで育成される根鉢が成型された「鉢付き苗」です。
根鉢は、ヤシ殻ピートを主とする培地に根が伸張・充満することでコルク栓状に成型されます。
 コンテナの内面には、「リブ」と呼ばれる突起物がついており、側面に接触した根を下方へ成長させます。また、コンテナの底面は穴が開いています。植物の根は、一部の植物を除いて、空中に根が突出すると成長が止まります。そのため、この容器で育苗された苗木は、リブで根が下方へ伸長し底面で根の伸長が止まることから、従来のポット苗で起きる「根巻き」の現象がありません。これが、コンテナ苗の大きな特徴と言えます。



桜のソメイヨシノも全てクローン

前にもちょこっと書いたような気がするが、春の風物詩である「お花見」の花であるソメイヨシノは、全て挿し木や接ぎ木で育ったもの(栄養繁殖)で、種から生じた(実生)ものは存在しないのである。
だから遺伝的多様性は全くない。だからこそ同じ場所にあれば同じ時期に同じ花を一斉に咲き揃えて見事な景色を作るとも言えるわけである。

前述のようにソメイヨシノはクローンなので実を付けることがない。
サクラの実は他でもないサクランボである。
しかし食用のサクランボの多くは、セイヨウミザクラという品種のサクラである。
セイヨウミザクラ(西洋実桜、英: Wild Cherry)は、ヨーロッパ、北西アフリカ、西アジアに自生するサクラ属の植物であり、果樹のサクランボ(桜桃)の多くの品種がこの種に由来する。

クローンではない他の品種のサクラでも食用ほどは大きくはないがサクランボ型の実を付ける。
しかしクローンであるソメイヨシノは実を付けない。
見た目がソメイヨシノに似ていて、実が付いているサクラがあれば、それはソメイヨシノではない別の品種のサクラと受粉させたり、偶然に受粉したりして結実した実から取り出した種で育ったサクラかもしれない。
遺伝的には半分ソメイヨシノで半分は違う品種のサクラということである。ハーフ、ミックス。
それを何代か育ててみていずれもミックスされた花が毎回咲いてくるようならば(それが今までに作出された花とは違いがあり価値がありそうならば)サクラの新品種になれるし、1代限りを楽しんだり代が続かない場合にはソメイヨシノ(ソメイヨシノ自体も本を正せば交雑種)の交雑種で同品種(同亜種)で終わることになる。
多くの植物がそうであるが、サクラも自家不和合性で、自分の花粉では受粉しないため、継代にチャレンジするには同じ品種のサクラを最低2本以上近くに植えておく必要がある。
もっともサクラはかなりの品種が栄養繁殖(クローン)で受け継がれてきたので、素晴らしいと思う新しい花や特性がもしも交雑で生まれたならクローンで継げばよいということになる。

人間がクローンを作らなければ、サクラという植物は絶滅してしまう運命にあり、実はとても人工的な花である。







by yumimi61 | 2019-11-04 12:34

混水摸魚(12)

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ルピナスとルパン

ルピナス属(学名: Lupinus、英: Lupin)
花の様子がフジに似ており、花が下から咲き上がるため、ノボリフジ(昇藤)とも呼ばれる。
マメ科の属の1つ。地中海沿岸地方と南北アメリカ、南アフリカなどに200種以上が分布している。
日本では、明治期に緑肥用作物として導入された。園芸植物としての栽培が始まったのは近世になってからで、1911年にジョージ・ラッセルが改良種を開発し、多様な園芸種が作られるようになった。現在は園芸植物としての栽培が一般的である。

ルピナスという名前はラテン語でオオカミを意味するループスという言葉に由来する。牧野富太郎は、どんな土地でも育つたくましさがオオカミを連想させた、塚本洋太郎は、ルピナスが大地を破壊すると畏怖されており、そこからオオカミが連想されてこの名が付いたと著書で言及している。これに対して中村浩は語源は狼ではなく、ギリシア語で悲哀を意味するルーペであると推定する。ルピナスの豆は苦く、噛んだ人が苦虫を噛み潰したような表情になることが、その根拠であるという。

フランス語では「アルセーヌ・ルパンシリーズ」の主人公ルパン(リュパン)と読みも綴りも同一になるので、原作小説の『虎の牙』の最後ではルパンが自分の姓になぞらえ、隠居した家の庭にルピナスを多数植えている描写がある。

『虎の牙』は、『813』のラストでティベリウスの断崖から身を投げたアルセーヌ・ルパンが、スペイン貴族にしてフランス外人部隊の英雄、ドン・ルイス・ペレンナとして復活し活躍する、「ドン・ルイス3部作」とも言える三作のうちの最後の一遍。
ドン・ルイスは大戦中外人部隊での英雄的な活躍により、戦友から「ダルタニャンのように勇敢で、ポルトスのように強く、モンテ・クリストのような謎の人物」と評される。が、この作中の展開において世間一般に、彼こそが死んだはずのかのアルセーヌ・ルパンだとばれることになる。
ルイス・ペレンナ(Luis=Perenna)は、アルセーヌ・ルパン(Arsene=Lupin)のアナグラム。


誰だにゃん!?
ダレダニャン物語

日本で有名な『ルパン3世』というアニメ。
ルパン3世はルパン1世の孫という設定となっている。
ルパン1世のモデルは他でもない上記のフランスの小説の主人公である。
原作漫画・・・『漫画アクション』1967年8月10日号(創刊号)から1969年5月22日号まで連載。
原作者・・・モンキー・パンチ(1937年5月26日 - 2019年4月11日)

『8・1・3』
モーリス・ルブランの「アルセーヌ・ルパン」シリーズの一篇で、1910年に発表された。
「8・1・3」と「APO ON」の謎をめぐり、怪盗紳士ルパン、国家警察部長ルノルマン、謎の殺人鬼L.M.が死闘を演じる。フランス・ドイツをまたにかけて展開し、果てはドイツ皇帝ウィルヘルム2世までもが登場する。
1917年に『ルパンの二重生活』(La Double Vie d'Arsène Lupin)と『ルパンの三つの犯罪』(813, les trois crimes d'Arsène Lupin)に分冊化した。「三つの犯罪」とは、「殺人をしない」をモットーとするルパンが、本作のラストで図らずも犯してしまう三つの殺人を指している。


「APO ON」・・・あぽーん?
頭に J を付ければ JAPON でもいけますね!なのにどうして J がないんだろう?(それはストーリーに関係ないからですよ?)

「J」
NHKをエヌエイチケイとカクカク読むNHKなら当然ジェイと読むかと思いきや、なんと!
日本放送協会(NHK)では、Jの発音・表記として「ジェー」を優先し、「ジェイ」を発音の幅として認められるとする。

二十進法において、十九(十進法の19)を一桁で表すのに用いる。ただし、アルファベットの I と数字の 1 が混同し易いために、アルファベットの I を用いない(この場合、J が十八を意味する)例もある。


ということは、「8・I・3」!?


813と終戦

以前私は夢で「終戦前夜」という言葉を見たことがある。
前夜には抽象的な意味合いもあるが、日にち的な前夜と考えると、日本では一般的に終戦記念日が8月15日なので、その前夜は8月14日になる。
しかしポツダム宣言受託は8月14日だった。

ポツダム宣言( Potsdam Declaration)
1945年(昭和20年)7月26日にイギリス首相、アメリカ合衆国大統領、中華民国主席の名において大日本帝国(日本)に対して発された、全13か条から成る宣言である。正式には日本への降伏要求の最終宣言(Proclamation Defining Terms for Japanese Surrender)。
他の枢軸国が降伏した後も交戦を続けていた日本は、1945年8月14日にこの宣言を受諾し、1945年9月2日に調印・即時発効(降伏文書)に至って第二次世界大戦(太平洋戦争)は終結した。


ポツダム宣言受託の前夜ならば8月13日である。


ルピナスの群生

上の写真は、昨年5月に実家で撮った写真。
実家にルピナスを最初に植えたのは私ではなく母で、随分前からある。
耐寒性があり冬に地上部が枯れても春にまた出芽して花を咲かせるし、それとは別にこぼれ種でどんどん増える。手入れは特に必要ない。
だから気候や環境さえ合えば群生させることが可能である。

日本では北海道などで群生が見られる。
あまり暑い地域よりも少し涼しい地域のほうが合っている。それからこれは多くの植物がそうであるが日向を好み日陰では育ちにくい。
その条件をクリアしさえすれば、森林火災跡地や溶岩石の割れ目などにも群生するほど強い植物である。

しかし昨今、強い動植物は在来種を駆逐してしまうということで毛嫌いされる。これも世界的な風潮であろう。
ルピナス畑が観光地になっているニュージーランドさえ、最近では駆除に精を出しているのだとか。


外来種

今年の初夏、テレビを観ていて、オオキンケイギクという黄色い花が特定外来生物(この’生物’には植物も含まれている)に指定されていると知った。

特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律
この法律では、生態系、人の生命・身体、農林水産業に被害を及ぼしたり及ぼすおそれのある外来生物(侵略的外来種)の中から、規制・防除の対象とするものを、「特定外来生物」として指定する。その指定は、学者などの意見を聞いた上で、主務大臣である環境大臣によって行われ、政令(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令)に定められる。
その飼養、栽培、保管、運搬、輸入等について規制を行うとともに、必要に応じて国や自治体が野外等の外来生物の防除を行うことを定める。
<罰則>
違反に対しては罰則が設けられている。特定外来生物について、販売・頒布目的での飼養、不正な飼養、許可のない輸入や販売、野外へ放つなどの行為に対しては、個人には3年以下の懲役や300万円以下の罰金、法人には1億円以下の罰金が科される。
また、特定外来生物について販売・頒布以外の目的での飼養、未判定外来生物について通知なしの輸入に対しては、個人には1年以下の懲役や100万円以下の罰金、法人には5000万円以下の罰金が科される。


オオキンケイギクも実家にあって咲いていた。
私なんか昨年までは切花にして仏壇にも飾ったことがあったくらいである。
地下茎でも広がっていくみたいだったし、こぼれ種でも苗ができたので、やはり繁殖力は強いと思う。
だけど実家ではまだ一面に広がっているというよりは一角に咲いていた。
何故かと言うと、通路などは定期的に除草剤を撒いてしまうから。(ちなみにルピナスは私があえて少し広げた)
特定外来生物だというので仕方なく通路ではなかったところのオオキンケイギクにも除草剤を撒いて枯らした。
その後も自然に生えた小さい苗を見つけるところがあるが、それにも除草剤を撒けばいずれ絶えると思う。

特定外来種には指定されていないが、繁殖力が強くて近年やはり警戒されているのがナガミヒナゲシ。
塀の隙間に生えて花まで咲いているナガミヒナゲシ
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オオキンケイギクもかつては自治体などが道路沿いとか河川敷などにあえて生やした時期があったと紹介されていたけれど、春先に河川敷などで菜の花の群生を目にすることがあると思う。
河川敷や道路に群生している菜の花はほとんどの場合、外来種である。セイヨウカラシナ、セイヨウアブラナ、ハルザキヤマガラシ など。

あと近年目にすることが減った気がするけれど(駆除したんだろうか?)、フランス菊やその交配種であるシャスターデージーもよく道路脇や河川敷などに群生していた。(マーガレットを逞しくしたような白い花です)
あれもこぼれ種でどんどん広がる。実はこれも実家で咲く。

日本では盆花として有名なミソハギという花があるが、その近縁でミソハギより大きくなるエゾミソハギは外国では侵略的外来種として扱われ、世界の侵略的外来種ワースト100にランクインしている。
北アメリカおよびニュージーランドに導入され、天敵不在の環境と多産性から瞬く間に増殖した。川や運河をせきとめ、在来の生態系を破壊することで問題視されている。日本では北海道に自生しているため、外来生物法に基づいた指定はない。
北海道に自生とあるが、日本全土に分布している。

ちなみにネコも世界の侵略的外来種ワースト100にランクインする。ブタもヤギも。



🌱まだ植物の話が続きますが、次回、明日になります。





by yumimi61 | 2019-11-03 15:56

混水摸魚(11)

スギ花粉症の増加と人工林

春にはスギ花粉でお悩みの方が多数おられる昨今ですが、花粉の役割を考えれば分かるように、スギは樹齢30年を過ぎた頃から盛んに花粉を飛ばすようになります。
前々回書いたように、日本は戦後、国を挙げて人工林を造成した。特に昭和30~50年代(1960~1980年代)には大量のスギが植えられた。
そのスギが木材として使えるようになるには40~50年かかる。今年が2019年だから、今が使い時(樹齢60年~40年くらい)のスギが日本には沢山ある!
ということは、そう、花粉放出もピークの時期を迎えているわけですね。


森林国のスギ人工林

日本の国土は森林が7割で世界にも誇る森林国である。人工林をわんさか造成したので国土の2割はスギ林である(森林の4割にあたる)。
でもともかく、森林が多いので、保水力はそれなりに持っている国のはずなのだ。(ダムではなくて自然の保水力の話です)
また植物が育つには水分は必要不可欠なものなので、雨や雪が多いからこそ多くの森林を抱えることが出来るとも言えるのだ。

スギ人工林を造成する場合、一か所に一斉にスギを植える。
戦争で乱伐されて裸山同然になっていたところもあるし、もともと木々があった所ならば、それらを全て伐採してから行った。
この「人間が一斉に植える」というところが後々問題に繋がっていく。

人間には欲があるし、全部がちゃんと育たないかもしれないと考え保険を掛けたくもなり、ついつい多めに植えてしまうのである。
つまり車間ならぬ樹間が狭くなる。
植物は小さく若い時には隣り合う植物がいたほうが、支え合ったり競争でより大きくなるという性質を持つ。
従って密に植えるのも若い木にとってはそこまで悪いことではない。(だから余計に密にしてしまうということもある)
しかしそのままずっと育ててはいけないのである。

間引く必要があるのだ。
林業ではそれを間伐と呼ぶ。

野菜でも草花でも良いけれど種を蒔いたことはあるでしょうか。
適切な間隔をあけて、1箇所に1粒ずつ種を蒔いたなら、間引く必要はない。
しかしながら発芽というものは揃わない。種自体の発芽率、それから気候、不測の事態によって発芽しないものもある。だから数粒ずつ、あるいは大ざっぱにざーっと蒔いたりする。この場合には発芽以降に順次間引いていって、適切な間隔にしなければならない。
だけど芽が出たのを見ると、引っこ抜くことがもったいなくなるし、せっかく出た芽を抜いてしまうのが可哀想な感じにもなる。素人ほどそうなる。
スギの人工林を造る時には林に直接種を蒔くわけではなく苗木を植えるわけだが、間引くという行為は意外にハードルが高い。



間伐の有無

林野庁ホームページより

●間伐未実施で放置されている森林
林内が暗く、下層植生が消失し、表土の流出が著しく、森林の水源かん養機能が低くなる。
幹が細長い、いわゆる【もやし状】の森林となり、風雪に弱くなる。

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●間伐が適切に実施されている森林
林内に適度に光が射し込み、下草などの下層植生が繁茂しているため、水源かん養機能や土砂流出防止機能が高くなる。
幹が太く、生育が良くなり、風や雪にも折れにくくなる。
下層植生が豊かになり、多様な生物の生息を維持できるようになる

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針葉樹の特性

ある程度の大きさまでは、支えになったり競争して成長するため、近くに同じような植物があることは悪いことではない。
しかしそのまま成長して大きくなってくると、水分や肥料や日光を奪い合うことになる。木が多い場合と少ない場合では、多いほど1本あたりに十分いろいろなものが回らなくなって、成長は滞ってくる。
また本数が多く込み合っている場合には日光を求めて上にしか伸びず、幹が十分に太れない。だから「もやし状」になってしまうのだ。

木は下よりも上に枝を張って葉を付ける。
下よりも上の方が大きいというのは非常に不安定な形であり、避難することもなくその場で風雪に耐えなければならない自然界に生きる樹木としては適当な形ではない。
でも木には幹よりさらに下に根がある。枝葉と同じくらいに根が張っていくからバランスが取れて厳しい自然に耐えられる。本当によく出来ていると思う。
すなわち樹木は、少なくても枝葉と同じくらいには、根を張らなければならないのである。
この根ががっしりと土を抱え込んでいく。
針葉樹は広葉樹ほどは枝葉を横に張らない。だから広葉樹ほど根を広げないのはある意味自然の摂理である。

▲針葉樹は落葉期がないので腐葉土を作りにくい
針葉樹の多くは常緑で広葉樹のように葉を落とす時期というものがないので、自らの葉で腐葉土を作りにくい。(新緑の季節に光合成の効率が悪くなった古い葉が落ちる) 腐葉土が少ないということは腐植土が作られにくい。
⇒腐葉土から作られる腐植土は肥沃な土壌である。保水性に優れ、同時に排水性もあり、さらに肥持ちも良い。針葉樹だけでは自然任せにそういう土壌は作りにくい。

▲落ちた針葉樹の葉の特徴のマイナス要素
・葉が細いために広葉樹ほどの空間が出来ない。
・水分や樹脂を多く含んでいて腐りにくく分解が遅い。
・発芽や成長を抑制する物質を含んでいる。
⇒落ちた葉も隙間があまり作れない性質なので保水性に劣る。また発芽や成長を抑制する物質が含まれているため、針葉樹の落葉ばかりでは下草も生えにくい。

(ここでの話には直接関係ないけれど、針葉樹の葉は乾燥すると非常に燃えやすい。タバコ1本で山火事を引き起こすくらいに。一旦燃え盛ってしまうと、その火の熱によって周辺の木々の枝葉もどんどん乾燥させていくので延焼してしまう)


針葉樹の欠点とリスク

針葉樹は広葉樹ほどは枝葉を横に張らないけれども、樹間が狭ければ樹上では隣同士の枝葉が接触してしまうようなことが起こる。
そうするとその針葉樹林の下の方には日光が届きにくくなる。
日光が届かないということは、いつもじめっとしてしまうということ。

▲針葉樹林の土壌は隙間が少ないので、雨が地中に浸み込んでいきにくい

▲樹間が狭く下部に日光が届きにくくなってしまった場合には、土壌がなかなか乾かない(水分の蒸発がしにくい)

▲水分が多い所で、枝葉などの堆積が分解速度を上回った場合には、土壌が泥炭化しやすい(フカフカではなくてベチャベチャな感じの土)
⇒落葉樹とは違って一気に沢山落ちるわけではないが、密に植えているということはそれだけ落ちる葉の量は多くなるということであり、その葉は分解しにくいものであるので、気温が上がらないとか微生物などが少ないなどの環境が重なればリスクは上がる。

(泥炭も実は火災を起こしやすいものである。世界的には森林火災の1つとして問題視されている。報道されるものしか知らないが森林火災は世界的に毎年数多く発生していて、二酸化炭素排出を問題にするならこれも大問題ではないだろうか)
泥炭(でいたん、英語: Peat)
泥状の炭で、石炭の一種。石炭の中では植物からの炭化度が少ない。石炭と泥の中途半端のような状態のものであると言える。見た目は湿地帯の表層などにある何の変哲のない普通の泥だが、可燃物である。採取して乾かせば燃料として使用できる一方で、山火事の延焼要因ともなる。
植物の遺骸が十分分解されずに堆積して、濃縮されただけの状態で形成される。いずれも植物遺骸など有機物の堆積する速度が、堆積した場所にいる微生物などが有機物を分解する速度を上回った時に泥炭が形成される。
泥炭は炭化の過程がかなり短く、少ない時間でできる為、単純な条件下でできる。世界中に大量に埋蔵されており、無くなる事がまず無いと言える。


▲水分が多い土壌だと根が窒息してしまうことがある(根腐れ)
⇒植物は二酸化炭素を吸収し酸素を放出していると習ったが、実は根は生物と同様に酸素を吸っているのである。よって土壌の酸素が不足すると植物の根も窒息して死んでしまう。暗くて水分が多くじめっとしている環境では嫌気性菌が活躍して、その根を腐らせて分解させてしまう。土壌中の水分(流れずに留まっている水には空気が含まれない)が多すぎるとこうした根腐れ状態になる。部分的に腐るということもあるのですぐに地表に出ている部分が枯れなくても不健全状態であり当然ホールド力も弱い。密に生やす芝生にエアレーション(穴あけ)をするのも土中に空気を送り込むためである。
樹齢を重ねて伸びた針葉樹が1本倒れるだけでも密に植えてあるだけに他を巻き込む可能性がある。根張りが狭く浅い木が並んでいれば、巻き込んで一気に他も倒しかねない。酷い場合には土砂崩れに繋がる。

▲日光が届かなければ背の低い下草も光合成出来ないので発芽したり成長できない
⇒土が剥き出しな状態となる。葉が細いので雨のエネルギーを広葉樹ほど落とすことが出来ずに雨が地面を叩く。腐葉土などの堆積もなく土壌も比較的水分を吸収しにくいという性質になりがちであり、結果削れたり流れたりしてしまう。これも土砂崩れに繋がる。


広葉樹なら問題がないか?

腐葉土や腐植土に覆われたフカフカした土では、歩いただけで土が沈むのが分かる。
それだけ土壌中に隙間(空間)が多いということであるが、簡単に沈むくらいなのでこれを強固な地盤とは言えない。軟弱地盤である。柔らかく崩れやすくもある。

大きな樹木を支える土壌があまりにフカフカでは厳しい自然の風雪に耐えられないので、野菜や草花と違って樹木の場合はフカフカな土壌が最適とは言えない。
しかし一方、ガチガチに固められた土壌では空気も水も入りにくく、これもまた最適とは言えない。

上にスギが木材として使えるようになるには40~50年かかると書いたが、広葉樹の場合は150~200年もかかる。樹齢だけで言えば何百年という木もざらにある。
枝葉も根も広げる性質を持つ広葉樹が何十年も何百年も同じ場所に存在しているということは、それだけ根も広く深く広がっている。
柔らかく根が伸びやすい腐植土を抜けて、その下の硬い土壌にまで伸びている。
栄養は張り巡らされたひげ根(細根)という短く細かな根が上の柔らかく肥沃な土壌部分から吸い上げる。
根も層になっているというかで、しっかりと土を抱え込んでいるので、上部が柔らかくても簡単には倒れたりはしない。
硬い土壌にまで伸びずに上の層の土壌にしか根が張っていない針葉樹林や竹林の場合には、びっしりと根が張っていたとしても、それが却って土壌の層を明確に分けてしまうことにもなり、その境目からずり落ちるということもある。

広葉樹は枝葉を大きく広げるので、最初から針葉樹ほど密には植えないものであるし、植えたとしても成長が遅く十分に日光が当たらない木は樹勢が弱りやがて枯れてしまう。
また冬の前に葉を落とすように、枝葉を広げる広葉樹は風雪などに耐えきれないと思えば、枝葉を落とす。
枝葉が落ちるのは傍から見ればちょっと悲しい気持ちもするが、庭木や街路樹であれば剪定することもあるくらいであり、枝が折れたり葉が落ちたりすることは樹木自体が倒れることを防ぐために有効である。
このようなことから広葉樹のほうが土砂崩れなどを起こしにくい。

但し若い木ばかりで根張りが十分ではない広葉樹林、何らかの理由で根腐れを起こしていたりする時には、針葉樹と同じく崩れる恐れはある。
それから造成地などで盛土によって土手や丘や小山を作った場合には、十分に腐植土が堆積していない場合もあると思われる。
その場合には根が伸びにくかったり、栄養が乏しかったりして、成長に支障が出ることもあるだろう。
造成地に入れる土壌は用途にあったものを購入して入れるべきであるが、購入するものは高く付くので、業者などによってはどこかから出た排土(廃土)を使用したりすることもあるらしい(その分の費用が浮く)。
そうした土は用途に合っていなかったり、どんな危険物だとか毒物が混入しているか分からない。
健全に育つを阻害することもあるかもしれないし、雨風などへの耐力が落ちることもあるかもしれない。






by yumimi61 | 2019-11-01 17:00